侵食作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 05:32 UTC 版)
詳細は「侵食」を参照 川は水を運搬するだけでなく、水流によって川底や川岸の土砂や岩石を削りとり、長期的には峡谷を形成しながら谷を下方へと沈下させてゆく作用を持つ。このような川の作用を侵食作用と呼ぶ。 河川の水源は湧水や泉などが多い。山岳地帯に存在する湧水や泉から河川は始まり、渓流として山岳の斜面を流れ下るうちに各地の水源からの流水を合わせて沢となり、太い流れとなっていく。こうした源流部においては勾配が急であるため河川の侵食作用が激しく、山体は徐々に侵食されていくが、特に侵食がはげしい河川において侵食の先端が他の河川に到達した場合、前者の河川が後者の河川の上流部を丸ごと奪ってしまう場合が存在する。これを河川争奪と呼ぶ。河川争奪が起きた場合、奪った側は流量の増大によって侵食力が大きくなり谷が深くなる一方、奪われた側は、奪われた地点から下流においては流量の低下によって土砂を運搬することができなくなり、残った支流からの土砂が堆積するばかりになるため、広い谷が形成される。また、山岳地帯において侵食は一様ではなく、水流が断崖に出た場合や、河床の地質が固く侵食が食い止められる場合には侵食に段差ができ、この場合水流は滝となって落差をつけ垂直に落下する。 なお、河川は海岸で途切れてしまうわけではなく、海底谷をなして海洋のかなり深くまで地形的に連続していることがある。これは、氷期などによって海面が低下した際に河川がそこまで流れ込んでいたものが、そのまま残されたものである。また、海に流れ込んだ河川の水はしばらくの間周囲の海水とはある程度異なった水塊をなすことが多く、アマゾン川のように非常に水量の多い河川の場合、河口から数百km先においても周囲とは明らかに塩分濃度や成分の違った水塊となっている。
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