保存則とは? わかりやすく解説

保存則

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/15 02:28 UTC 版)

保存則(ほぞんそく、: conservation law[注釈 1]とは、物理的変化あるいは化学的変化の前後で物理量(あるいは物理量の結合)の値が変わらない、という法則[1]。言い方を変えると、現象時間的あるいは段階的な変化の際に、考えている内で、ある物理量総和が変化しないことをいう[要出典]。保存則が成り立つ系のことを保存系と呼ぶ。


補足

  1. ^ ”Conserveation”は「保存」と訳されるが、ニュアンスとして「(結果として)不変」の意味で、”Preservation”のように「(何かによって、この場合は「法則」によって)不変であることを保証している」という意味ではないことに注意。派生して、”Conserved Current”、”Conserved Charge” の語は、それぞれ単純に”Current”は「流れ」、”Charge”は「荷、荷量」といった一般的な意味を扱い、それまでの電磁気学で扱う「電子」での「電流」「電荷」に限った意味ではない。そのためこれをそのまま「保存電流」「保存電荷」としてしまうと元のニュアンスが伝わらないので、「保存カレント」「保存チャージ」、さらには「ネーター・カレント」「ネーター・チャージ」とする日本語の教科書もある。

出典

  1. ^ a b 出典:『ブリタニカ国際大百科事典』「保存則」
  2. ^ ディラックの信念のどれか(wikiquoteを参照 https://en.wikiquote.org/wiki/Paul_Dirac )を意訳したものか?


「保存則」の続きの解説一覧

保存則

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/22 14:52 UTC 版)

作用 (物理学)」の記事における「保存則」の解説

詳細は「保存則」を参照 ある物理的な対称性の意味を、作用原理作用原理から導かれるオイラー=ラグランジュ方程式中に見出すことができる。ネーターの定理はその一つの例であり、物理系連続対称性英語版)にはそれと一対一対応する保存則があることを示す。この対称性と保存則の対応関係は、作用原理前提としている。

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保存則

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 13:41 UTC 版)

ランキン・ユゴニオの式」の記事における「保存則」の解説

上述物理的仮定のもとで、流体の状態は以下の連続の式運動量保存則およびエネルギー保存則によって記述される。 ∂ ρ ∂ t = − ∂ ( ρ u ) ∂ x ∂ ( ρ u ) ∂ t = − ∂ ∂ x ( ρ u 2 + p ) ∂ ( ρ E ) ∂ t = − ∂ ∂ x [ ρ u ( e + 1 2 u 2 + p ρ ) ] {\displaystyle {\begin{aligned}{\frac {\partial \rho }{\partial t}}&=-{\frac {\partial (\rho u)}{\partial x}}\\{\frac {\partial (\rho u)}{\partial t}}&=-{\frac {\partial }{\partial x}}(\rho u^{2}+p)\\{\frac {\partial (\rho E)}{\partial t}}&=-{\frac {\partial }{\partial x}}\left[\rho u\left(e+{\frac {1}{2}}u^{2}+{\frac {p}{\rho }}\right)\right]\end{aligned}}} ここで e :比内エネルギーもしくは比エンタルピー、[J/kg] E = e + 1 2 u 2 {\displaystyle E=e+{\frac {1}{2}}u^{2}} :総エネルギー、[J/kg] である。さらに定常なので時間微分項は 0 になるなどの仮定用いてこれらを積分すると、以下の式が得られる: Q ≡ ρ u = c o n s t a n t ρ u 2 + p = c o n s t a n t p u + Q ( u 2 2 + e ) = c o n s t a n t {\displaystyle {\begin{aligned}&Q\equiv \rho u={\rm {constant}}\\&\rho u^{2}+p={\rm {constant}}\\&pu+Q\left({\frac {u^{2}}{2}}+e\right)=\mathrm {constant} \end{aligned}}}

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保存則

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/11 21:52 UTC 版)

ボゴリューボフ変換」の記事における「保存則」の解説

スクイーズ変換は、1つ調和振動子生成消滅演算子混ぜる変換で、1つモード粒子対を生成するこのような変換可能なのは、この粒子電荷運動量などの保存量持たない場合限られる一方でボゴリューボフ変換ではこの制約回避するため、2つ調和振動子導入し、それらの生成消滅演算子混ぜている。各調振動子対応する粒子量子数電荷運動量)が逆であれば、これらの量子数の保存則を満たす例えば a ^ 1 {\displaystyle {\hat {a}}_{1}} 、 a ^ 2 {\displaystyle {\hat {a}}_{2}} としてそれぞれ運動量 k {\displaystyle \mathbf {k} } 、 − k {\displaystyle -\mathbf {k} } を持つモードとすると、ボゴリューボフ変換は同じ運動量 k {\displaystyle \mathbf {k} } を持つ演算子混合になっており、運動量保存則矛盾せず粒子生成記述できる。

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保存則

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/04 00:01 UTC 版)

ポインティング・ベクトル」の記事における「保存則」の解説

ポインティング・ベクトル発散は ∇ ⋅ S = ∇ ⋅ ( E × H ) = H ⋅ ( ∇ × E ) − E ⋅ ( ∇ × H ) = − H ⋅ ∂ B ∂ t − E ⋅ ∂ D ∂ t − E ⋅ j {\displaystyle {\begin{aligned}\nabla \cdot {\boldsymbol {S}}&=\nabla \cdot ({\boldsymbol {E}}\times {\boldsymbol {H}})\\&={\boldsymbol {H}}\cdot (\nabla \times {\boldsymbol {E}})-{\boldsymbol {E}}\cdot (\nabla \times {\boldsymbol {H}})\\&=-{\boldsymbol {H}}\cdot {\frac {\partial {\boldsymbol {B}}}{\partial t}}-{\boldsymbol {E}}\cdot {\frac {\partial {\boldsymbol {D}}}{\partial t}}-{\boldsymbol {E}}\cdot {\boldsymbol {j}}\\\end{aligned}}} となる。ここで電磁場のエネルギー密度u = 1 2 ( E ⋅ D + H ⋅ B ) {\displaystyle u={\frac {1}{2}}({\boldsymbol {E}}\cdot {\boldsymbol {D}}+{\boldsymbol {H}}\cdot {\boldsymbol {B}})} で与えられるので、連続の方程式 ∇ ⋅ S + ∂ u ∂ t = − E ⋅ j {\displaystyle \nabla \cdot {\boldsymbol {S}}+{\frac {\partial u}{\partial t}}=-{\boldsymbol {E}}\cdot {\boldsymbol {j}}} が成り立つ。この式は電磁場のエネルギー保存則を表している。右辺ローレンツ力により電磁場電荷仕事をすることで失われるエネルギー表し単位体積あたりの電力解釈される電場と磁場振動するためポインティング・ベクトル強度時間によって変動する強度時間平均放射束密度呼ばれる。 I = ⟨ S ⟩ T = 1 2 T ∫ 0 T S d t {\displaystyle {\boldsymbol {I}}=\left\langle {\boldsymbol {S}}\right\rangle _{T}={\frac {1}{2T}}\int _{0}^{T}{\boldsymbol {S}}\,dt} また、ポインティング・ベクトル空間積分V S d V {\displaystyle \int _{V}{\boldsymbol {S}}\,dV} は電磁場の持つ運動量であると解釈される

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保存則

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 05:48 UTC 版)

運動量」の記事における「保存則」の解説

詳細は「運動量保存の法則」を参照 質点系の運動において、特に作用する外力釣り合っている場合d P d t = d d t ( ∑ i p i ( t ) ) = 0 {\displaystyle {\frac {d{\boldsymbol {P}}}{dt}}={\frac {d}{dt}}\left(\sum _{i}{\boldsymbol {p}}_{i}(t)\right)=0} P ( t ) = ∑ i p i ( t ) = const. {\displaystyle {\boldsymbol {P}}(t)=\sum _{i}{\boldsymbol {p}}_{i}(t)={\text{const.}}} が成り立つ。つまり、この系では系の全運動量時間的に変化しない。これは運動量保存の法則 (law of conservation of momentum) と呼ばれる運動量保存の法則は、ニュートン力学においては作用反作用の法則から導かれるが、運動量保存則自体作用反作用の法則より一般的に成り立つ法則である。たとえば、電磁気学などの場の理論では近接作用論立場をとり、遠隔作用論的な法則である作用反作用の法則をその基礎には置かないしかしながら電磁気学においても運動量保存の法則成り立ちそれに伴い運動量の定義も拡張される。

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