きょう‐やく【共役/共×軛】
共役
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/05 09:04 UTC 版)
共軛、共役(きょうやく)は2つのものがセットになって結びついていること、同様の働きをすること。共軛の「軛」(くびき)は、人力車や馬車において2本の梶棒を結びつけて同時に動かすようにするための棒のことである。「軛」が常用漢字表外であったため、音読みの同じ「役」の字で代用され、現在では共役と書かれることが多い。いくつかの分野で用法がある。
- ^ 京谷孝史、非線形CAE協会編 『よくわかる連続体力学ノート』 森北出版、2008年、188頁。ISBN 978-4-627-94811-2。
- 1 共役とは
- 2 共役の概要
共役
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/08 05:19 UTC 版)
群 G の二つの元 x, y に対し、y = Ag(x) = gxg−1 となる g ∈ G が存在するとき、x と y は互いに共役(共軛ともかく)であるという。同様に、部分群 H, K に対し、H = gKg−1 となる g ∈ G が存在するなら、二つの部分群 H, K は互いに共役であるという。共役であるという関係は群 G の同値関係である。群 G を共役という同値関係で類別したときの同値類を共役類という。有限群 G をその共役類 Cl1, ..., Cln に類別すれば、位数に関して次の等式 | G | = ∑ k | C l k | {\displaystyle |G|=\sum _{k}|\mathrm {Cl} _{k}|} を考えることができる。これを類等式と呼ぶ。G の元 x がその中心 Z(G) に属することと x の属する共役類が {x} なる一元集合であることとは(中心の定義から直ちにわかるように)同値であり、2 個以上の元からなる共役類の全体を C1, C2, ..., Cr とすれば、類等式は | G | = | Z ( G ) | + ∑ i = 1 r | C i | {\displaystyle |G|=|Z(G)|+\sum _{i=1}^{r}|C_{i}|} の形に書くことができる。有限群 G が p-群(位数が p の冪であるような群)ならば、その中心が自明群でないことは類等式から直ちにわかる。
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共役
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/08 07:10 UTC 版)
P2Y受容体の賦活化が意味する生物学的機能は、シグナル伝達経路の下流とどのように共役しているかで異なる。共役する蛋白質としては、Gi、Gq/11、Gs蛋白質がある。ヒトP2Y受容体とG蛋白質の共役について、下記にまとめる。 蛋白質 遺伝子 共役 ヌクレオチド P2Y1(英語版) P2RY1 Gq/11 ADP P2RY2(英語版) P2RY2 Gq/11 ATP, UTP P2RY4(英語版) P2RY4 Gi and Gq/11 UTP P2RY5 / LPA6(英語版) LPAR6 リゾホスファチジン酸 P2RY6(英語版) P2RY6 Gq/11 UDP P2RY8(英語版) P2RY8 オーファン受容体 P2RY9 / LPAR4(英語版) / GPR23 LPAR4 リゾホスファチジン酸 P2RY10(英語版) P2RY10 オーファン受容体 P2RY11(英語版) P2RY11 Gs and Gq/11 ATP P2RY12(英語版) P2RY12 Gi ADP P2RY13(英語版) P2RY13 Gi ADP P2RY14(英語版) P2RY14 Gi UDPグルコース P2Y受容体の番号が処々飛んでいるのは、発見時にはP2Y受容体であると考えられたものの、その後異なることが明らかになったものがあるためである。
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共役
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 14:35 UTC 版)
非有界作用素の共役(adjoint)の定義には、二つの同値な方法がある。 一つ目として、有界作用素の共役を定義するときに用いられるものと同様な方法がある。すなわち、T の共役 T∗ : H2 → H1 は、次の性質を持つような最大の作用素として定義される: ⟨ T x ∣ y ⟩ 2 = ⟨ x ∣ T ∗ y ⟩ 1 , ( x ∈ D ( T ) ) . {\displaystyle \langle Tx\mid y\rangle _{2}=\langle x\mid T^{*}y\rangle _{1},\quad (x\in D(T)).} T∗ のより正確な定義は以下のようにする。ベクトルy が、 x ↦ ⟨ T x , y ⟩ {\displaystyle x\mapsto \langle Tx,y\rangle } が T の定義域上の連続線型汎関数となるようなものであるならば、この汎関数を全空間へと拡張したのち、 ⟨ T x ∣ y ⟩ 2 = ⟨ x ∣ z ⟩ 1 , ( x ∈ D ( T ) ) {\displaystyle \langle Tx\mid y\rangle _{2}=\langle x\mid z\rangle _{1},\quad (x\in D(T))} を満たすような z を見つけることが可能である。なぜならば、ヒルベルト空間上の線型汎関数の集合は、内積によってもとの空間自身と同一視できるからである。このような y それぞれに対して、上の条件を満たすz が一意に定められることと、対応する線型汎関数が稠密に定義されていること、すなわち T が稠密に定義されていることは必要十分である。このとき、T∗y = z とすることによって、T∗ が定められる。このようにしてT∗ の値がひとつに定まるためには、T が稠密に定義されていることが必要十分であることに注意されたい。 定義により、T∗ の定義域は、 x ↦ ⟨ T x , y ⟩ {\displaystyle x\mapsto \langle Tx,y\rangle } が T の定義域上で連続となるような元 y ∈ H 2 {\displaystyle y\in H_{2}} からなることが分かる。したがって、T∗ の定義域はどのようなものでもあり得、例えば自明(すなわち、ゼロのみを含む)であるようなこともある。T∗ の定義域は、閉超平面で、その定義上至るところで T∗ が消失することもあり得る。したがって、定義域上での T∗ の有界性は、必ずしも T の有界性を意味しない。一方で、もし T∗ が全空間で定義されるなら、T はその定義域上で有界であり、したがって連続性により全空間上の有界作用素へと拡張することが出来る。もし T∗ の定義域が稠密であるなら、それには共役 T∗∗ が存在する。稠密に定義された閉作用素 T が有界であることの必要十分条件は、T∗ が有界であることである。 共役作用素のもう一つの同値な定義は、グラフの直交空間を取ることにより得られる。線型作用素 J : H 1 ⊕ H 2 → H 2 ⊕ H 1 {\displaystyle J:H_{1}\oplus H_{2}\to H_{2}\oplus H_{1}} を、 J ( x ⊕ y ) = − y ⊕ x {\displaystyle J(x\oplus y)=-y\oplus x} によって定義する。すると、 J ( Γ ( T ) ) ⊥ {\displaystyle J(\Gamma (T))^{\bot }} がある作用素 S のグラフであることの必要十分条件は、 T {\displaystyle T} が稠密に定義されていること、であることが分かる。簡単な計算により、この作用素 S は ⟨ T x ∣ y ⟩ 2 = ⟨ x ∣ S y ⟩ 1 {\displaystyle \langle Tx\mid y\rangle _{2}=\langle x\mid Sy\rangle _{1}} を、T の定義域内のすべての x に対して満たすことが分かる。したがって、S は T の共役である。 上の定義により、共役 T∗ は閉であることがただちに分かる。特に、自己共役作用素(すなわち、T = T∗)は閉である。ある作用素 T が稠密に定義された閉作用素であるための必要十分条件は、T∗∗が存在してT∗∗ = T が成立することである。 有界作用素に対してよく知られているいくつかの性質は、稠密に定義された閉作用素に対して一般化される。閉作用素の核は閉である。さらに、稠密に定義された閉作用素 T : H1 → H2 の核は、その共役の値域の直交補空間と一致する。すなわち、 ker ( T ) = ran ( T ∗ ) ⊥ {\displaystyle \operatorname {ker} (T)=\operatorname {ran} (T^{*})^{\bot }} が成立する。 フォンノイマンの定理(英語版)によれば、T∗T および TT∗ は自己共役であり、I + T∗T と I + TT∗ はともに有界な逆を持つことが分かる。もし T ∗ {\displaystyle T^{*}} の核が自明であるなら、 T {\displaystyle T} の値域は稠密となる。さらに、T が全射であるための必要十分条件は、 ∀ f ∈ D ( T ∗ ) : ‖ f ‖ 2 ≤ K ‖ T ∗ f ‖ 1 {\displaystyle \forall f\in D(T^{*})\colon \|f\|_{2}\leq K\|T^{*}f\|_{1}} を満たす K > 0 {\displaystyle K>0} が存在することである(これは本質的にはいわゆる閉値域の定理である)。 特に、T の値域が閉であることと、T∗ の値域が閉であることは必要十分である。 有界の場合と対照的に、必ずしも (TS)∗ = S∗T∗ は成立しない。実際、(TS)∗ が存在しないことさえあり得る。しかし、例えば T が有界であればその式は成り立つ。 稠密に定義された閉作用素 T は、次の同値な条件のいずれかを満たすとき、正規であると言われる: T∗T = T T∗; T の定義域は T∗ の定義域と等しく、その領域内のすべての x に対して ‖ T x ‖ = ‖ T ∗ x ‖ {\displaystyle \|Tx\|=\|T^{*}x\|} が成立する; T = A + iB、T∗ = A – iB, であり、 ‖ T x ‖ 2 = ‖ A x ‖ 2 + ‖ B x ‖ 2 {\displaystyle \|Tx\|^{2}=\|Ax\|^{2}+\|Bx\|^{2}} が T の定義域内のすべての x に対して成立するような自己共役作用素 A と B が存在する。 すべての自己共役作用素は正規である。
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