化学的反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/08 22:38 UTC 版)
原料中の有機物は、大きく分けると、炭水化物、脂肪、および蛋白質になる。これらが好気性微生物に分解されると最終的には以下の化学式で表せる。 炭水化物 炭水化物は Cm(H2O)n と表せる。そして、酸化分解され最終的には二酸化炭素と水になる。 Cm(H2O)n + m O2 → m CO2 + n H2O 脂肪とタンパク質 脂肪やタンパク質は次式のように酸化分解し、二酸化炭素、水、アンモニアを放出しながら徐々に分子量の小さな物質になる。 CxHyNzOp + a O2 → CuHvNwOq + b CO2 + d H2O + e NH3 脂肪とタンパク質の分解で生じたアンモニアが水と反応して水酸化物イオンが生じ、堆肥原料をアルカリ性にする。 NH3 + H2O → NH4+ + OH− 硝化 アンモニアは好気性微生物の硝化菌によって硝酸塩に酸化される。硝酸塩は植物の養分であり、最も使いやすい窒素源である。 まず亜硝酸菌によってアンモニウムイオンが亜硝酸塩に酸化される。 NH4+ + 3/2 O2 → NO2− + H2O + 2 H+ 次に硝酸菌によって、亜硝酸塩は硝酸塩に酸化される。 NO2− + 1/2 O2 → NO3− このような過程を経て土壌中に、窒素が固定される。 嫌気状態での反応 ここまでの反応は、好気性状態での反応である。嫌気性になると異なった反応が起こる。例えば糖の場合は次式のようになり、酢酸が生じる。酢酸は、水素イオンを放出し堆肥原料を酸性にしてしまう。 C6H12O6 → 3 CH3COOH また、脱窒素反応が起こり、養分である硝酸塩も最終的には窒素ガスになってしまう。
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