同素体とは? わかりやすく解説

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どうそ‐たい【同素体】

読み方:どうそたい

同じ種類原子からなるが、原子配列結合のしかたが違い性質異な単体酸素オゾンダイヤモンド石墨など。


同素体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/08 05:49 UTC 版)

同素体(どうそたい、英語: allotrope英語: allotropism)とは、同一元素単体のうち、原子の配列(結晶構造)や結合様式の関係が異なる物質同士の関係をいう。同素体は単体、すなわち互いに同じ元素から構成されるが、化学的・物理的性質が異なる事を特徴とする。


  1. ^ ベルセリウス著(田中豊助、原田紀子訳)『化学の教科書』p30 内田老鶴圃 ISBN 4-7536-3108-7
  2. ^ Jensen W.B., "The Origin of the Term Allotrope", Journal of Chemical Education, 2006, 83, 838-9
  3. ^ http://www.iop.org/EJ/article/0305-4608/15/2/002/jfv15i2pL29.pdf?request-id=AFlRqDDL3BGhbarg2wi7Kg


「同素体」の続きの解説一覧

同素体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 07:28 UTC 版)

炭素」の記事における「同素体」の解説

炭素は4本の共有結合ができ、結合の状態によって数種類の同素体を形成する炭素同士sp2混成軌道形成し正六角形平面構造取った膜が重なったものがグラファイトになる。2009年グラファイト基本構造である薄いグラフェンは非常に高い硬度を持つことが判明した。しかし、グラファイトから薄いグラフェン経済的に剥ぎ取る技術確立されておらず、事業性の確立今後の開発を待つ必要があるまた、炭素sp3混成軌道形成して正四面体立体結晶構造取った巨大分子となったものがダイヤモンドとなる。同じ炭素の同素体であるが、前者電気伝導性高く軟らかい後者絶縁体硬いなど、まったく異な性質を示す。ダイヤモンド炭素の同素体であることを示したのはラヴォアジエである。実験内容は、密閉容器納めたダイヤモンド虫眼鏡により燃焼させる二酸化炭素だけが生成されるというものである木炭ススなどは結晶構造持たないアモルファス状態であり「無定形炭素」と呼ばれる。この種類には、工業的に重要な炭素繊維活性炭コークスなども含まれる。 以上3種古くから知られていたが、20世紀後半以降球状グラフェンであるフラーレンや多分野での開発進んでいるカーボンナノチューブカーボンナノバッド、カーボンナノファイバー(英語版)などや、ロンズデーライトガラス状炭素カーボンナノフォーム、カルビンなどの複雑な構造を持つ炭素の同素体が多数発見されている。 a. ダイヤモンド 立方晶系結晶産出量は少ないが産業的に利用可能程度には豊富。宝石として、また工業用カッターなどに利用。現在では合成ダイヤモンド開発技術確立され実用化されている。 b. グラファイト黒鉛石墨六方晶系結晶であり、炭素結晶としてはもっとも一般的板状グラフェン多数重なった構造で、平面同士結びつき弱く剥がれやすい。日常的なものとしては鉛筆などに用いられるc. ロンズデーライト六方晶ダイヤモンド六方晶系結晶隕石中にきわめて稀に見られる。今のところ非常に小さな結晶し発見されていない純粋なものはダイヤモンドに近い硬度をもつと推測されるd, e, f. フラーレン 炭素原子からなるクラスター総称天然にはきわめて稀に存在するとみられる。図dはいわゆるサッカーボール型のC60で「バックミンスターフラーレン」と呼ばれる。図eはC540で、図f はC70である。 g. 無定形炭素 (a)(b)2種構造混在した状態(非晶質)。木炭活性炭などの一般的な炭は、これに不純物含まれたものであるh. カーボンナノチューブ グラフェン円筒状に巻かれ構造のもの。同じ重量鋼鉄比較すると、80倍の強度持ちながら60度ほどの屈曲にも耐える弾力性を持つ。1層のものから多層構造を持つものがある。これに近いものとして、筒の一方閉じた角状のものをカーボンナノホーンと呼ぶ。

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同素体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 01:17 UTC 版)

ホウ素」の記事における「同素体」の解説

詳細は「ホウ素の同素体」を参照 ホウ素には7つの同素体が存在しており、それらは結晶およびアモルファス構造をとる。よく知られているものにα-菱面体、β-菱面体、β-正方晶があり、特殊な条件下ではα-正方晶やγ-斜方晶のような形もとる。アモルファスの同素体には、微細な粉末状のものとガラス状のものの2つ知られている。標準状態において最も安定なものはβ-菱面体晶であり、ほかの同素体は全て準安定状態である。少なくとも14上の同素体が報告されているが、前述7つ以外の同素体は弱い論拠基づいたものであった実験的に立証できなかったりするため、それらは単一の同素体ではなく複数の同素体の混合物不純物によって安定化した構造であると考えられている。 層αβγβ結晶菱面体菱面体斜方晶 正方晶 原子数/単位格子12 105108 28 192 密度/(g/cm3)2.46 2.35 2.52 2.36 ビッカース硬度/GPa42 45 5058 体積弾性係数/GPa224 185 227 バンドギャップ/eV2 1.6 2.1 ~2.6

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同素体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 10:03 UTC 版)

半金属」の記事における「同素体」の解説

いくつかの元素では、同じ元素の同素体であっても異な性質金属的半金属もしくは非金属的)を示すことがある例えば、炭素の同素体のうち、ダイヤモンド明らかに非金属であるが、グラファイト半金属特有の限定的な電気伝導度を示す。リンセレンスズおよびビスマス金属もしくは半金属もしくは非金属的なふるまいを示す同素体を有している。そのため櫻井らは、半金属性は元素固有のものではなく単体固有の性質であると注記した

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/20 18:26 UTC 版)

酸素」の記事における「同素体」の解説

地球上でおもな同素体酸素分子O2であり、その結合長121 pm結合エネルギーは498 kJ/molである。酸素分子生物複雑な細胞呼吸使われている。 三酸素O3)はオゾンとしてよく知られる非常に反応性大き単体気体で、吸入すると肺組織破壊するオゾン高層大気において、酸素分子紫外線によって分裂した酸素原子別の酸素分子結合することによって生成している。オゾン紫外領域強く吸収するため、高層大気にあるオゾン層地球放射線から保護するシールドとして機能している。地表近くでもオゾン生成しているが、これは自動車排気ガスなどとして生成されている大気汚染物質である。 準安定状態分子である四酸素O4)が2001年発見されたが、これは固体酸素の6種の相のうちの1種として存在仮定されていた。2006年にこの相が証明され、O2を20 GPa加圧することで合成されたが、実際に菱面体晶のO8クラスターであった。このクラスターはO2やO3よりも強力な酸化剤であるため、ロケットの推進剤としての用途考えられている。1990年には、固体酸素96 GPa上の圧力与えと金属状態となることが分かり1998年にはこの相を超低温条件に置くことにより超伝導となることが発見された。

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同素体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 17:53 UTC 版)

硫黄」の記事における「同素体」の解説

硫黄カテネーション生じやすく、30上の同素体を形成する。この数はほかの元素比べてもかなり多い。通常天然見られる同素体は環状S8硫黄である。 常温常圧固体であるS8硫黄3つの結晶形を持つ。 α硫黄斜方硫黄) - 融点112.8 °C、比重2.07、淡黄色斜方晶 β硫黄単斜硫黄) - 融点119.6 °C、比重1.96、淡黄色単斜晶 γ硫黄単斜硫黄) - 融点106.8 °C、比重1.955、淡黄針状いずれもS8硫黄単位構造とする結晶であるが、95.6 °C以下では斜方硫黄安定であり、それ以上温度では単斜硫黄系が安定である。また、250 °Cまで加熱する50個以上の硫黄原子つながった直鎖状硫黄Sn)となる。これはゴム状硫黄またはプラスチック硫黄とも呼ばれるゴム状硫黄黄色を示す。純度の高い特級試薬用いて実験を行うと黄色ゴム状硫黄得られるが、実際黒褐色ゴム状硫黄得られることも多い。

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同素体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 06:13 UTC 版)

プルトニウム」の記事における「同素体」の解説

詳細は「プルトニウムの同素体」を参照 常圧下でもプルトニウムは6種の同素体を持ちそれぞれ結晶構造密度大きく異なる。密度最大α相最小のδ相では25 %以上も違う。特に、δ相は負の熱膨張起こすという特異的性質を持つ。 プルトニウムの同素体結晶構造密度/(g/cm3)安定温度範囲α単斜晶単純格子) 19.86 <115 °C β単斜晶(体心格子) 17.70 115185 °C γ斜方晶面心格子) 17.14 115310 °C δ立方晶面心格子) 15.92 310452 °C δ′正方晶(体心格子) 16.00 452480 °C ε立方晶(体心格子) 16.51 480640 °C 様々な同素体を持つということが、プルトニウム機械加工を非常に難しいものにしている。加工時に加わる熱や圧力によって、相が非常に容易に変わってしまうからである。このような複雑な相変化をする原因は完全には解明されていない最近の研究では、相変化精密なコンピュータモデルが着目されている。 兵器への利用においては、相の安定性増し加工性取り扱い容易にする目的で、他の金属合金にして用いられる(数%のガリウム加えるなど。「プルトニウムガリウム合金参照)。核兵器においてはプルトニウムコア爆縮するための衝撃波相変化原因になる。この場合には通常のδ相からより密度の高いα相変化するので、超臨界状態実現するのに大い助けになる。

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同素体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/30 10:22 UTC 版)

リン」の記事における「同素体」の解説

白リン黄リン)・赤リン紫リン黒リンなどの同素体が存在する。+III(例:六酸化四リン、P4O6)、+IV(例:八酸化リン、P4O8)、+V(例:五酸化二リンP2O5)などの酸化数をとる。 リンは数種類の同素体をもつことが古くから知られている。白リン以外の同素体は、安定でほぼ無毒である。 白リン(P4)は四面体形分子からなり比重が1.82、融点が44.1 °C、沸点280 °Cの、常温常圧白色ロウ状の固体である。発火点は約44 °Cで些細なこと自然発火するため、水中保存する空気中で室温でも徐々に酸化され、熱および青白い光発する。現在、燐光別の発光現象の意味用いられているが、その語源でもある。ベンゼン二硫化炭素CS2)などの有機溶媒によく溶ける。強い毒性持ちニンニクのような臭いがある。日光にあたると赤リン変化する黒リン比重が2.69の固体である。黄リンを約12000気圧加圧し、約200 °Cで加熱する得られるリンの同素体中でもっとも安定である。半導体であり灰色金属光沢持ち、β金属リンとも呼ばれる空気中ではなかなか発火しない紫リン比重が2.36の固体である。褐色帯びた暗紫色金属光沢持ち、α金属リンとも呼ばれる白リンを鉛に溶かして密閉して加熱し再結晶させることで得られる電気伝導性小さい。1865年ヴィルヘルム・ヒットルフ発見したのでヒットルフの金属リン呼ばれることもある。 赤リン比重が2.05~2.34。紫リン主成分とする白リンとの混合体で、融点590 °C、発火点260 °Cの赤褐色粉末である。二硫化炭素不溶マッチ材料使われる密閉した容器白リンを約250 °Cで加熱する得られる。 紅リン比重が1.88の深紅色粉末である。微細な粒子からなる赤リン考えられている。 二リンP2、P≡P)は、リン同士三重結合して二原子分子になったのである結晶構造 白リン結晶構造 黒リン結晶構造 黒リン結晶構造

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同素体

出典:『Wiktionary』 (2018/07/05 10:22 UTC 版)

名詞

どうそたい

  1. 同じ元素でできた単体で、性質異なるもの。

関連語


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