しゅう‐ひ〔シウ‐〕【周皮】
周皮
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/30 21:32 UTC 版)
周皮(しゅうひ、英: periderm)[1][2][3]とは、樹木の幹や枝、根の表面を覆う組織であり、分裂組織であるコルク形成層(コルクけいせいそう; phellogen, cork cambium[注 1])[1][4][5]と、そこから内側に形成されたコルク皮層(コルクひそう; phelloderm, cork cortex[注 2])[1][4]、および外側に形成されたコルク組織(コルクそしき; phellem, cork, cork tissue)[1][4]からなる(図1)。コルク組織は細胞壁にスベリンや蝋が蓄積した死細胞が密に詰まっており、表皮に代わって植物体の表面を保護する役割を担っている。維管束形成層の働きによって茎や根は直径を増していき、コルク組織は外側から裂けて剥がれていく。コルク形成層は次第に外側に押し出されて機能を失い、新たなコルク形成層がより内側に形成されることを繰り返していく。
注釈
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m 清水建美 (2001). “樹皮”. 図説 植物用語事典. 八坂書房. pp. 190–193. ISBN 978-4896944792
- ^ 日本植物学会 (1990). 文部省 学術用語集 植物学編 (増訂版). 丸善. p. 253. ISBN 978-4621035344
- ^ a b 巌佐庸, 倉谷滋, 斎藤成也 & 塚谷裕一 (編) (2013). “周皮”. 岩波 生物学辞典 第5版. 岩波書店. p. 628. ISBN 978-4000803144
- ^ a b c 日本植物学会 (1990). 文部省 学術用語集 植物学編 (増訂版). 丸善. p. 137. ISBN 978-4621035344
- ^ a b c d e f g h i j k l 巌佐庸, 倉谷滋, 斎藤成也 & 塚谷裕一 (編) (2013). “コルク形成層”. 岩波 生物学辞典 第5版. 岩波書店. p. 493. ISBN 978-4000803144
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 原襄 (1994). “コルク形成層と周皮”. 植物形態学. 朝倉書店. pp. 139–141. ISBN 978-4254170863
- ^ "コルク". 日本大百科全書(ニッポニカ). コトバンクより2023年6月23日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l 原襄 (1972). “6.10 周皮”. 基礎生物学選書 3. 植物の形態. 裳華房. pp. 137–140. ISBN 978-4-7853-5103-8
- ^ 清水建美 (2001). “分裂組織”. 図説 植物用語事典. 八坂書房. pp. 195–196. ISBN 978-4896944792
- ^ “コルク層”. 農業技術事典. ルーラル電子図書館. 2023年6月28日閲覧。
- ^ a b 樹皮. コトバンクより2023年6月23日閲覧。
- ^ 巌佐庸, 倉谷滋, 斎藤成也 & 塚谷裕一 (編) (2013). “樹皮”. 岩波 生物学辞典 第5版. 岩波書店. p. 645. ISBN 978-4000803144
- ^ 塚谷裕一 (2013年8月2日). “ニシキギの翼について”. みんなのひろば 植物Q&A. 日本植物生理学会. 2023年6月28日閲覧。
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