しりん‐しゃ【四輪車】
よんりん‐しゃ【四輪車】
四輪車
四輪車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 08:38 UTC 版)
日本では、1960年代から1980年代に製造された乗用車によく採用された。同一車種に複数のグレードを設定する場合、上位グレードにはSOHCエンジン、もしくはDOHCエンジンを、下位グレードにOHVエンジンを採用し、差別化を計ることも少なくなかった。代表的な車種はトヨタ・コロナ、トヨタ・カリーナ、トヨタ・カローラ/スプリンター、トヨタ・セリカ、マツダ・ファミリア、マツダ・キャロル、いすゞ・ベレット、いすゞ・フローリアン、日産・サニー、日産・バイオレット/オースター、三菱・ランサー、三菱・ギャランクーペFTO、ダイハツ・シャルマンなど。なおホンダやスズキは、四輪車にOHVエンジンを一切採用しなかった。 これらの車種で、モデルチェンジを行って存続したものは1980年代に入ってOHVの採用をやめた。1990年代以降の日本製の日本国内向け小型自動車用ガソリンエンジンに限定すると、トヨタのLPG車を含む一部の商用車を除きOHVエンジンはほとんど採用されなくなり、現在はポペットバルブを持たないロータリーエンジンを除いては、すべてSOHCエンジン、もしくはDOHCエンジンに置き換えられた。 唯一の例外が水平対向エンジンで、エンジン両脇にシリンダーヘッドを持つ構造から、長らくOHC化はかえって非効率・寸法・重量増過大・整備性(イニシャルコスト)悪化とされていた。スバル・レオーネは当時の富士重工業(現・SUBARU)のフラグシップ車という位置づけでありながら、長らくOHVであり、1984年(昭和59年)になってようやくOHC(SOHC)化した。ただし、それも1,800 ccエンジンのみで、1,600 ccエンジンは据え置かれた。その後1989年まで同一車種に混在するという、バルブ駆動形式だけ見るならば他社に一段以上遅れた状況を展開していた。 プッシュロッドやロッカーアームの「音」が心地よいことと、オーバーホールやリビルドがしやすく、特に二輪車や汎用ディーゼルを含む汎用OHVエンジン全般では、タイミングチェーンがなく、整備しやすいのが長所であることから、日産・サニートラックや2代目(KP6#型)までのトヨタ・スターレットなどが現在でも人気が高い。なお、日本の乗用車で最後までOHVを採用した車種は一般向け市販車ではガソリン車がトヨタ・タウンエースワゴン/ライトエースワゴン、ディーゼル車がダイハツ・ラガー、それ以外では2008年7月以前のモデルまで存在していた3Y-PE型LPGエンジンを搭載したトヨタ・クラウンセダン/クラウンコンフォート/コンフォートである。 モータースポーツでは、カーボンコンポジットのプッシュロッドも登場している。また、アメリカンモータースポーツの代表格といえるNASCARにおいては、原則として参加する車のエンジンがOHVに限定されているため、トヨタ・タンドラのように市販車ではDOHCエンジンを搭載している車がわざわざOHVにエンジンを換装して参加している例もある。インディ500においては、1994年にペンスキーが3,400ccOHVターボのメルセデスエンジンで優勝を飾っている。当時フォード・コスワース・DFSエンジンなどにおされ、旧式化していたビュイックエンジンの救済のために存在したOHV優遇規定に則る形でイルモアの手により作られたこのエンジンは、最高回転数10,000rpm以上で1,000馬力を超える出力を発揮するOHVエンジンとなった。OHVエンジンは低出力というイメージがあるが、競技用エンジンとしてはNASCARで用いられている自然吸気のエンジンが800馬力、NHRAのトップフューエルクラスで用いられている過給エンジンが8,500〜10,000馬力と非常に高い出力を発生させている。 またアメリカではコストダウンの波に押されて徐々に減りつつあるが、ピックアップトラック優遇税制とエンジンカスタムの容易さ特にシリンダブロックの頑丈さゆえのターボチャージャーやナイトラス・オキサイド・システムのようなパワーアップが容易であり、そうして作るホットロッドはある意味アメリカのクルマ文化となっていることから、依然としてOHVエンジン搭載車が多く存在する。その一例としてシボレー・コルベットには、1980年代末期にZR-1と呼ばれるDOHC搭載モデルが存在したが、現行モデルではDOHCを廃しすべてOHVエンジンとなっている。これは、SOHC・DOHCエンジンはシリンダーヘッド内にカムシャフトが通る関係でシリンダーヘッドが大型になりがちであり、エンジンの外寸・重量ともに同排気量のOHVエンジンより大きくなりやすい。また直列エンジンやV型エンジンの場合、エンジン上部に重量物が載るため重心も高くなりやすい。しかしOHVのシリンダーヘッド部はバルブとロッカーアームだけの構成のため、結果として同排気量ならエンジンそのものを小型軽量かつ低重心にできる。またV型エンジンや水平対向エンジンでは、カムシャフトがDOHCでは4本、SOHCでも2本必要となるが、OHVであれば1本で済むためエンジン内部の摩擦抵抗を下げやすく、重量もコストも減らせる。 コルベットはエンジンフードが低いシルエットも売りの一つであり、全高を低くできるOHVエンジンはそのシルエットの構成に一役買っている。またコルベットには、DOHCのように回転数で馬力を稼ぐエンジンより、低回転だが大トルクによって馬力を稼ぐエンジンが似合う、それがコルベットのアイデンティティとする思想もあるとされる。またクライスラーは半球形の燃焼室に由来するヘミエンジンを21世紀に復活させた。これには、数ある自動車メーカーのなかで、自社のアイデンティティを前面に打ち出し、他社との差別化を図る狙いがある。 現代のDOHCエンジンにおいては、位相変化タイプの可変バルブタイミング機構は一般的となっているが、OHVでは1本のカムシャフトで吸排気バルブを駆動する関係上、吸気の位相を変化させた場合排気の位相も共に変化するため、オーバーラップ量変化による効果は得られない。このためOHVでの採用は遅れたが、オーバーラップ量が変化せずとも、負荷や回転数にあわせバルブタイミングを最適化することで一定の効果が得られるため、GMスモールブロックやHEMIなどの大排気量OHVエンジンにも可変バルブタイミング機構が採用されるようになっている。またマッスルカーなど古いOHV車に後付けするホットロッド向けのアフターパーツも存在する。欧州でもベントレーのOHVエンジンに可変バルブタイミング機構を採用している例がある。さらに近年ではダッジ・バイパー(2009年モデル以降)が二重構造の中空カムシャフトを用いることで、排気のみ位相変化をさせる機構を採用している。バイパーでは排気のみの位相変化としているが、機構上は吸気のみ位相変化、さらには吸排気それぞれの位相変化も可能であり、可変バルブタイミング機構に関してのDOHCとの差はある程度減じているといえる。 アメリカやイギリス、オーストラリアなどではOHVエンジンのプライベートチューンも盛んで、日本では1990年代の省燃費型エンジンからようやく採用が始まったローラーロッカーアームが、比較的早い時期からチューニングパーツとして販売されていた。OHVエンジンのカムとリフター(タペット)の間には高荷重がかかり、滑り摩擦となるフラットタペットなどでは極圧条件となるためエンジンオイルにはある程度の耐摩耗性が求められる。近年の新しい規格のエンジンオイルでは耐摩耗性が不足するケースもあるとされ、特にバルブスプリングレートを強化している場合はさらに高い荷重がかかるため注意が必要となる。海外ではフラットタペットOHVエンジン向けに耐摩耗性を強化したエンジンオイルが設定されていることもある。またローラーロッカーアームなどと同様に摩擦と摩耗を低減するためにローラーリフター仕様とするチューニングも一般的に行われている。 なお節の冒頭に記したとおり大型トラックやバスの場合は、頑丈な構造のディーゼルエンジンが搭載されることがほとんどであり、またディーゼルエンジン自体が高速回転に向かないことから、相対的に堅牢かつ軽量な設計が可能なOHVエンジンが選択されることが一般的であったが、1990年代頃から非OHV化が進み、2021年時点での日本の自動車用OHVディーゼルエンジンは日野自動車のN04C型エンジンと三菱ふそうトラック・バスの4V20型エンジンのみとなっている。
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四輪車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 22:51 UTC 版)
助手席足元に補助ブレーキペダル、インストゥルメントパネル周りに方向指示器・ブレーキランプに連動するランプと運転席側からは見えないデジタル式速度計、ミラーは車内にルームミラーがもう1つ、フェンダーミラーやドアミラー上部にはアウトサイドミラーという、指導員(検定員)用のミラーが付く。日本では、指定自動車教習所で使用される、補助ブレーキペダルが装備されている車両は特種用途自動車として扱われ、ナンバープレートは8ナンバーとなる。教習所によっては「仮免許 練習中」の表示を付けたままにしているところと、所内教習中は付けないで路上教習の際に限りホルダーに表示板を入れるところがある。また、路上検定中は仮免許練習標識ではなく路上検定の標識を付ける。 自動車検査証記載の車体の形状欄は、路上試験車もしくは教習車となり、修了検定、卒業検定の際は路上試験車のみ用いられる。これらの車両の登録には運転免許試験場、または、公安委員会の指定した機関・団体であるものを証明することが必要であり、いわゆる「自家用の乗用車」として登録するには8ナンバーではなくなる。 また、けん引免許教習のための教習セミトレーラも車体の形状として定義されているが、けん引免許の取得に於いては路上試験は不要であることから、この登録をなされた自動車は存在しないものと考えられる。
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四輪車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/14 04:20 UTC 版)
四輪自動車で最適なコーナリングフォースを生み出すには旋回時の外輪キャンバ角をゼロにする必要があり、そのためホイールアライメントを調整して静止時に車輪が内側に傾くようにしておく。これによって左右から内向きに生じるキャンバースラストは、平坦面の直進走行では互いに打ち消し合う。しかし凹凸のある地面では左右どちらかのタイヤが優勢になって進路がふらつくことがある。
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