地名接頭辞とは? わかりやすく解説

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地名接頭辞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/22 02:29 UTC 版)

地名接頭辞(ちめいせっとうじ)は接頭辞の一種で、単語の前につけることで場所や場所の性質を表す機能を持つ。

地名接頭辞の例

Al-

アラビア語定冠詞である الـ/al に由来する。接頭辞としては旧アラビア語圏であるイベリア半島南部などに見られる[注釈 1]

など。

Alt-

ドイツ語で「古い」の意。

など。

Bel-

ロシア語で「白い」の意をもつ белый/belyy に由来する。セルビア語ではBeo-となる。

など。

Borgo-

イタリア語で村を意味する borgo に由来する。ドイツ語での 接尾辞 -burg と同じ語源。

など。

Castel-

イタリア語でを意味する castello に由来する。

など。

Citta-

イタリア語で町を意味する città の派生語。

など。

Col-

イタリア語で丘を意味する colle に由来する。

Krasno-

ロシア語で「赤い」、ロシア古語で「美しい」の意をもつ красный/krasnyy に由来する。 後述のUlan-とともにソ連時代、モンゴル人民共和国時代に、社会主義の象徴たる赤色を含む地名として改名された都市が多い。

など。

Monte-, Mont-, Mon-

ロマンス諸語で山を意味する接頭辞。

など。

Novo-, Nov-

スラヴ語派で「新しい」の意をもつ Novvy (Nowy, Novi)に由来する接頭辞。英語の Now にも通ずる。ロシア連邦に多く見られる。

など[注釈 2]

Trans-

ラテン語で「横切る、超えた」の意をもつ transire に由来する。広域地名として用いられている。

など。

Vladi-

ロシア語で「領有する」という意味の動詞 владеть/vladet' に由来する。ロシア連邦に見られる。

Ulan-

モンゴル語で「赤い」の意をもつ улаан/ulaan に由来する。モンゴル語族の多いモンゴルとその周辺(内モンゴル自治区など)に見られる。 先述のKrasno-とともにソ連時代、モンゴル人民共和国時代に、社会主義の象徴たる赤色を含む地名として改名された都市が多い。

など[注釈 3]

  • 内モンゴル自治区の赤峰市はかつて烏蘭哈達 (Ulanhada)と呼称されており(赤い山の意)、それに由来する。

関連項目

脚注

  1. ^ 現アラビア語圏では Al は冠詞となるため、接頭辞にはならない。
  2. ^ 接頭辞では無いがノヴィ・サドНови Сад/Novi Sad、 セルビア)、ノヴィ・タルクNowy Targ、 ポーランド)などにも見られる。
  3. ^ 接頭辞では無いがウラン・ウデУлан-Удэ/Ulan Ude、 ロシアアルタイ共和国)などにも見られる。




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