多変数の場合とは? わかりやすく解説

多変数の場合

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/17 03:00 UTC 版)

有界変動函数」の記事における「多変数の場合」の解説

多変数の函数有界変動であるとは、その超函数微分有限英語版ラドン測度となるときに言う。より精確に: 定義 2.1. (多変数の有界変動函数) Ω を ℝn開集合とする。可積分函数 u ∈ L1(Ω) が有界変動、すなわち u ∈ BV(Ω) であるとは、有限英語版ベクトルラドン測度 Du ∈ ℳ(Ω, Rn) が存在して、以下の等式 ∫ Ω u ( x ) div ⁡ φ ( x ) d x = − ∫ Ω ⟨ φ , D u ( x ) ⟩ ( ∀ φ ∈ C c 1 ( Ω , R n ) {\displaystyle \int _{\Omega }u(x)\operatorname {div} \varphi (x){\mathit {dx}}=-\int _{\Omega }\langle \varphi ,Du(x)\rangle \quad (\forall \varphi \in C_{c}^{1}(\Omega ,\mathbb {R} ^{n})} を満たすときに言う。 つまり、u は積分により Ω に含まれるコンパクト台を持つ連続的微分可能ベクトル値函数空間 C 1c (Ω, Rn) 上の線型汎函数定めるが、したがってベクトル測度 Duシュヴァルツ超函数としての u の微分あるいは弱勾配である。 全変動による同値な定義もできる: 定義 2.2. (多変数の全変動) 可積分函数 u ∈ L1(Ω) の Ω における全変動英語版) は V ( u , Ω ) = V Ω ( u ) := sup { ∫ Ω u ( x ) div ⁡ φ ( x ) d x : φ ∈ C c 1 ( Ω , R n ) , ‖ φ ‖ ∞ ≤ 1 } {\displaystyle V(u,\Omega )=V_{\Omega }(u):=\sup \left\{\int _{\Omega }u(x)\,\operatorname {div} \varphi (x){\mathit {dx}}:\varphi \in C_{c}^{1}(\Omega ,\mathbb {R} ^{n}),\,\|\varphi \|_{\infty }\leq 1\right\}} で定義される。ここに、‖ • ‖∞ は Ω 上の本質的上限ノルムである。 カチョッポリ集合英語版)の理論などでは、これが u の弱勾配 Du の全変動であることを強調するために ∫Ω‖ Du ‖ := V(u, Ω) のように書くこともある。同じ記号は u が C1-級(つまり連続かつ微分可能であって導函数連続)のときにも用いられ、この場合には実際に u の(真の勾配絶対値積分になっている。 このとき、有界変動函数全体の成す空間B V ( Ω ) = { u ∈ L 1 ( Ω ) : V ( u , Ω ) < + ∞ } {\displaystyle BV(\Omega )=\{u\in L^{1}(\Omega )\colon V(u,\Omega )<+\infty \}} と定義することができる。 この二つの定義が同値であることは以下のようにしてわかる。V(u, Ω) < +∞ ならば | ∫ Ω u ( x ) div ⁡ φ ( x ) d x | ≤ V ( u , Ω ) ‖ φ ‖ ∞ ( ∀ φ ∈ C c 1 ( Ω , R n ) , {\displaystyle \left|\int _{\Omega }u(x)\operatorname {div} \varphi (x){\mathit {dx}}\right|\leq V(u,\Omega )\Vert \varphi \Vert _{\infty }\quad (\forall \varphi \in C_{c}^{1}(\Omega ,\mathbb {R} ^{n}),} したがって φ ↦ ∫Ωu(x)divφ(x)dx空間 C 1c (Ω, Rn) 上の連続線型汎函数定める。C 1c (Ω, RnC0(Ω, Rn) は線型部分空間であるからハーンバナッハ定理により、先ほど連続線型汎函数C0(Ω, Rn) の全体まで連続かつ線型延長できる。従って、この連続線型汎函数リースマルコフ定理英語版)によりラドン測度定義する

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多変数の場合

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/30 18:28 UTC 版)

ウィルティンガーの微分」の記事における「多変数の場合」の解説

定義2. 複素数上のユークリッド空間 C n = R 2 n = { ( x , y ) = ( x 1 , … , x n , y 1 , … , y n ) ∣ x , y ∈ R n } {\displaystyle \mathbb {C} ^{n}=\mathbb {R} ^{2n}=\left\{\left(\mathbf {x} ,\mathbf {y} \right)=\left(x_{1},\ldots ,x_{n},y_{1},\ldots ,y_{n}\right)\mid \mathbf {x} ,\mathbf {y} \in \mathbb {R} ^{n}\right\}} を考えようウィルティンガーの微分次の一階行列線型偏微分作用素として定義される: { ∂ ∂ z 1 = 1 2 ( ∂ ∂ x 1 − i ∂ ∂ y 1 ) ⋮ ∂ ∂ z n = 1 2 ( ∂ ∂ x n − i ∂ ∂ y n ) , { ∂ ∂ z ¯ 1 = 1 2 ( ∂ ∂ x 1 + i ∂ ∂ y 1 ) ⋮ ∂ ∂ z ¯ n = 1 2 ( ∂ ∂ x n + i ∂ ∂ y n ) . {\displaystyle {\begin{cases}{\frac {\partial }{\partial z_{1}}}&={\frac {1}{2}}\left({\frac {\partial }{\partial x_{1}}}-i{\frac {\partial }{\partial y_{1}}}\right)\\&\,\vdots \\{\frac {\partial }{\partial z_{n}}}&={\frac {1}{2}}\left({\frac {\partial }{\partial x_{n}}}-i{\frac {\partial }{\partial y_{n}}}\right)\\\end{cases}},\qquad {\begin{cases}{\frac {\partial }{\partial {\bar {z}}_{1}}}&={\frac {1}{2}}\left({\frac {\partial }{\partial x_{1}}}+i{\frac {\partial }{\partial y_{1}}}\right)\\&\,\vdots \\{\frac {\partial }{\partial {\bar {z}}_{n}}}&={\frac {1}{2}}\left({\frac {\partial }{\partial x_{n}}}+i{\frac {\partial }{\partial y_{n}}}\right)\\\end{cases}}.} 一変数のときと同様これらの偏微分作用素自然な定義域領域 Ω {\displaystyle \Omega } ⊆ ℝ2n 上の C 1 {\displaystyle C^{1}} 級関数空間であるが定数係数線型作用素のため超関数空間へ拡張できる

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多変数の場合

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 02:49 UTC 版)

ランダウの記号」の記事における「多変数の場合」の解説

漸近記法は多変になっても有効である。たとえば f ( n , m ) = n 2 + m 3 + O ( n + m ) ( as  n , m → ∞ ) {\displaystyle f(n,m)=n^{2}+m^{3}+O(n+m)\quad ({\mbox{as }}n,m\to \infty )} という言及示唆するのは、定数 C, N で ∀ n , m > N : | g ( n , m ) | ≤ C ( n + m ) {\displaystyle \forall n,m>N:|g(n,m)|\leq C(n+m)} を満たすものの存在である。ここで g(n, m) は f ( n , m ) = n 2 + m 3 + g ( n , m ) {\displaystyle f(n,m)=n^{2}+m^{3}+g(n,m)} で定められるのである混乱避けるためには、動かす変数は常に明示する必要がある。つまり f ( n , m ) = O ( n m ) ( as  n , m → ∞ ) {\displaystyle f(n,m)=O(n^{m})\quad ({\mbox{as }}n,m\to \infty )} という言明は、次の ∀ m : f ( n , m ) = O ( n m ) ( as  n → ∞ ) {\displaystyle \forall m:f(n,m)=O(n^{m})\quad ({\mbox{as }}n\to \infty )} とは明確に異な言明である。

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多変数の場合

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 18:40 UTC 版)

モニック多項式」の記事における「多変数の場合」の解説

通常は、多変数多項式に対して「最高次の項」は一意ではないから「モニック」の概念も意味をなさない。ただし、多変数多項式を、係数が「主変数以外の変数に関する多項式となっているような、変数が主変数だけの「一変数多項式」とみなすことはできる。これには、どの変数を主変数とみなすかによって選択肢複数ある。例えば、実多項式 p ( x , y ) := 2 x y 2 + x 2 − y 2 + 3 x + 5 y − 8 {\textstyle p(x,y):=2xy^{2}+x^{2}-y^{2}+3x+5y-8} を考えるとき、これを y に関する一変数多項式係数とする x に関する一変数多項式 p ( x , y ) = 1 ⋅ x 2 + ( 2 y 2 + 3 ) ⋅ x + ( − y 2 + 5 y − 8 ) ∈ R [ y ] [ x ] {\displaystyle p(x,y)=1\cdot x^{2}+(2y^{2}+3)\cdot x+(-y^{2}+5y-8)\in \mathbb {R} [y][x]} と見ればモニックである。しかし、 p ( x , y ) = ( 2 x − 1 ) ⋅ y 2 + 5 ⋅ y + ( x 2 + 3 x − 8 ) ∈ R [ x ] [ y ] {\displaystyle p(x,y)=(2x-1)\cdot y^{2}+5\cdot y+(x^{2}+3x-8)\in \mathbb {R} [x][y]} と見れば、最高次係数(y2 の係数2x − 1 は 1 でないから y に関してモニックではない。 別な規約設けることもできて、それは特にグレブナ基底文脈では有効である。すなわち、多項式モニックであるとは、「多変数多項式の意味での」主係数が 1 に等しこととする。より精確に、n-変数の非零多項式 p = p(x1, …, xn) を考えるとき、同じ変数に関するモニック単項式全体の成す集合上の単項式順序(x1, …, xn生成する自由可換モノイド上の全順序で、単位元最小元にもち、多項式乗法両立するもの)が与えられているとする。このとき多項式 p の主項とは p の係数消えていない(与えられ単項式順序に関して最大の項をいい、その係数が 1 であるとき p はモニックであるという。 「多変モニック多項式」を適当な定義のもとで考え場合は、通常の一変数の)モニック多項式のもつ性質共通していることが望ましい。特に上に挙げた二つの定義では、モニック多項式の積が再びモニックになる。

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