婚姻譚の梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/02 21:06 UTC 版)
以下、19世紀中葉頃、トーリー島の住民からオドノヴァンが採集した民話を要約するが、グレゴリー夫人の再話にもなっているので、その相違点も注釈する。 火の丘陵という地(現今のドニゴール県ドラムナティニー)には、鍛冶師ガヴィダとマック・サヴィン、マック・キニーリーの三兄弟が住んでおり、海を隔てたトーリー島にはバロール将軍が住んでいた。 (マック・キニーリーが、キアンに相当し、再話でもキアンに置き換えられている人物である。)このマック・キニーリーが、やがてバロールの娘と契りを交わして一子をもうけることとなる。バロールはしかし、配下のドルイド僧より、自分の孫に殺される運命だと聞いていた。よって、バロールは娘のエフネ)を、「巨塔(トール・モール)」と呼ばれる天険の岩柱にそびえる塔に幽閉した。 この話例では、マック・キニーリーが不思議の牛グラス・ガヴナンの所有者であった。しかしある日、牛番をしていた兄弟がバロールに騙されて牛を盗まれてしまう。マック・キニーリーは、ドルイド僧に相談するが、邪眼のバロールが生きているうちは牛の奪還は不可能と諭される。するとキアンは女性守護霊(リャナン・シー)である「山のビローグ(英語版)」の助力を得。また、グレゴリー夫人やロールストンは女ドルイドと書き換えている。) 、バロールの娘の塔に潜入し、男を見たことのない彼女はたちまち恋におちて、子供を妊娠してしまう。なお、塔の世話役は女性ばかりだったので、この妖精(バンシー)は、マック・キニーリーに女装させてから島へと運んでいる。 やがて三つ子が生まれると、バロールはこれらを溺死させようとするが、嬰児の一人は生き残り、この話例では名前が明かされないが、長腕のルーに当たる。
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