完備化
完備化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/10/10 00:58 UTC 版)
- 完備化 (距離空間)
- 完備化 (順序集合)
- 完備化 (環論)
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完備化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/28 18:55 UTC 版)
I が可換環 R のイデアルのとき、I の冪が零元 0 の近傍系を成すものとして、R を位相環と見做すことができる。このときの位相を I-進位相といい、R をこの位相に関して完備化することができる。厳密に言えば、I-進完備化とは剰余環 R/In の成す逆系の逆極限をいう。例えば、k を体として、k 上の一変数形式冪級数環 k[[X]] は、多項式環 k[X] の X が生成する主イデアル I による I-進完備化である。同様に、p-進整数環 Zp は有理整数環 Z の素数 p が生成する主イデアル I による I-進完備化である。自身の完備化と同型であるような任意の環は、完備環と呼ばれる。
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完備化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 00:58 UTC 版)
半順序集合に対して、それから生成される「最大の」完備束を考えることは一般には出来ない(なぜなら、離散順序集合に対してそれを考えればそれは自由完備束となるから)。 しかし、半順序集合に対して、それから生成される「最小の」完備束を考えることはできる。 これを具体的に構成する方法がホルブルク・マクニール(英語版) によりデデキント切断を一般化することで与えられてる(デデキント・マクニール完備化(英語版))。
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完備化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 09:22 UTC 版)
局所コンパクトである離散ではない位相体は完備であったが、今度は、局所コンパクトではない位相体の完備化を考える。 位相体 K を位相環とみなすことにより、K の完備な位相環 K ^ {\displaystyle \scriptstyle {\widehat {\!K}}} が同型を除いて一意的に得ることができるが、 K ^ {\displaystyle \scriptstyle {\widehat {\!K}}} は、一般には体にならず、たとえ体であったとしても位相体であるとは限らない。また位相体であっても乗法に対して完備になるとは限らない。K× は乗法群であるので、K× の完備化 K′ が得られるが、これが体もしくは加法に対して完備な位相体になるとは限らない。 例えば、素数 p に対して、 U p {\displaystyle {\mathcal {U}}_{p}} を p 進付値によって得られる距離に対する有理数体の距離位相としたとき、相異なる素数 p, q に対して、 U {\displaystyle {\mathcal {U}}} を U p ∪ U q {\displaystyle {\mathcal {U}}_{p}\cup {\mathcal {U}}_{q}} の有限個の元の共通部分全体からなる集合とすれば、 ( Q , U ) {\displaystyle (\mathbb {Q} ,\ {\mathcal {U}})} は位相体であるが、完備化は Qp × Qq と同相であり、体ではない。 しかし、 K ^ {\displaystyle \scriptstyle {\widehat {\!K}}} が加法に対して完備な位相体で、局所コンパクトであるか、または可換体である場合、 K ^ {\displaystyle \scriptstyle {\widehat {\!K}}} は乗法に対しても完備となる。従って、K が可換体である場合、K の完備な位相環 K ^ {\displaystyle \scriptstyle {\widehat {\!K}}} が位相体であれば、乗法に対しても完備となる。このことから、例えば、乗法が可換である標数が 0 である位相体の完備化が位相体であるならば、複素数体または、ある素数 p に対する p-進体の部分体と同型となる。
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完備化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 04:16 UTC 版)
任意の距離空間 M に対して、M を稠密部分空間として含む完備距離空間 M′(あるいは M とも書く)を構成することができる。この完備距離空間は、 完備化の普遍性 「任意の完備距離空間 N と M から N への一様連続写像が与えられたとき、M′ から N への一様連続写像 f′ で f の延長となるものが一意に存在する」 という普遍性を持つ。空間 M′ は等距変換の違いを除いて、この普遍性によって決まり、M の完備化と呼ばれる。 M の完備化は M 内のコーシー列のある同値類集合として構成することができる。まず M 内の任意の二つのコーシー列 (xn)n と (yn)n に対して、それらの間の距離を d ( x , y ) = lim n d ( x n , y n ) {\displaystyle d(x,y)=\lim _{n}d(x_{n},y_{n})} で定める(この極限は、実数直線が完備であることから存在する)。これは実は擬距離であって距離関数ではない(二つの相異なるコーシー列の間の距離が 0 となることがあり得る)が、「距離が 0 である」というのはコーシー列全体の成す集合上の同値関係で、これで割って得られる同値類集合は距離空間となり、これが M の完備化を与える。もともとの空間 M は各元 x に対して、x に収束するコーシー列の同値類(これはつまり各項が常に x を値に取る定値列を含む同値類である)と x とを同一視することにより、完備化へ埋め込まれる。この埋め込みが所期の通り稠密部分空間の上への等距変換を定める。ただし注意すべき点として、今示した構成法は実数の完備性を明示的に用いているので、有理数の集合 ℚ の完備化については少し異なる扱いが必要になる。 実数全体の成す集合を、有理数全体の成す集合の通常の絶対値で測った距離に関する完備化として得る、カントールによる実数の構成法は、上記の構成法と同様だが、実数の構成において実数自身の完備性を用いることは論理的に許されないという問題に慎重に取り組まねばならない。そうは言っても、上記と同じくコーシー列の同値類を定義して、その同値類全体の成す集合が有理数の全体を部分体として含む体を成すことを示すのは容易である。この新しい体は完備であり、自然な全順序を備え、同型を除いて唯一の完備全順序体となる。こうして実数全体の成す体が「定義」される(より詳しくは実数の構成法(英語版)の項も参照のこと)。こうして作った実数と普段見慣れた実数とが同一視できるということを実感する一つの方法は、その実数を極限として与える「はず」の有理コーシー数列の同値類を同定することである。例えば実数の十進小数展開を途中で打ち切ることは、対応する同値類に属するコーシー列を一つ選ぶことに相当する。 素数 p に対する p-進数は、上記とは異なる距離関数に関して有理数の集合を完備化することによって生じる。 先の完備化の構成法をノルム線型空間に施せばもとの空間を稠密部分空間として含むバナハ空間が得られ、内積空間に施せば元の空間を稠密部分空間として含むヒルベルト空間が得られる。
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完備化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 09:25 UTC 版)
付値体 ( K , | ⋅ | ) {\displaystyle \scriptstyle (K,\ |\cdot |)} の数列 { a n } n ≥ 0 {\displaystyle \scriptstyle \{a_{n}\}_{n\geq 0}} がコーシー列または基本列であるとは、任意の正数 ε に対して、ある整数 N が存在して、N より大きい任意の整数 m, n に対し | a m − a n | < ε {\displaystyle |a_{m}-a_{n}|<\varepsilon } が成立することである。任意の K のコーシー列が K 内の点に収束するとき、K は完備であるといい、このとき ( K , | ⋅ | ) {\displaystyle \scriptstyle (K,\ |\cdot |)} を | ⋅ | {\displaystyle |\cdot |} に対する完備体という。 付値体 ( K , | ⋅ | ) {\displaystyle \scriptstyle (K,\ |\cdot |)} のコーシー列は、K 内に収束するとは限らないので、付値体は完備であるとは限らない。例えば、先に付値体の例として挙げた例のうち、 ( R , | ⋅ | ) {\displaystyle \scriptstyle (\mathbb {R} ,\ |\cdot |)} と ( C , | ⋅ | ) {\displaystyle \scriptstyle (\mathbb {C} ,\ |\cdot |)} は、いずれも完備体であるが、 ( Q , | ⋅ | p ) {\displaystyle \scriptstyle (\mathbb {Q} ,\ |\cdot |_{p})} は完備体ではない。 任意の付値体 ( K , | ⋅ | ) {\displaystyle \scriptstyle (K,\ |\cdot |)} に対して、以下の条件を満たす完備体 ( K ∗ , | ⋅ | ∗ ) {\displaystyle \scriptstyle (K^{*},\ |\cdot |^{*})} が存在する。これを K の完備化という。 K ∗ {\displaystyle K^{*}} は K の拡大体である。 K {\displaystyle K} は K ∗ {\displaystyle K^{*}} の中で稠密である。 K ∗ {\displaystyle K^{*}} は | ⋅ | {\displaystyle |\cdot |} の延長となる乗法付値 | ⋅ | ∗ {\displaystyle |\cdot |^{*}} を持つ。 K ∗ {\displaystyle K^{*}} は | ⋅ | ∗ {\displaystyle |\cdot |^{*}} に対して完備である。 任意の付値体 ( K , | ⋅ | ) {\displaystyle \scriptstyle (K,\ |\cdot |)} に対して、完備体は付値体として同型を除いて唯一存在する。
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