層相的特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 22:44 UTC 版)
堆積相の変化は、海進と海退を示している可能性がある。堆積物が堆積されるのに必要な固有の条件の違いから、多くの場合、簡単に識別できる。たとえば、砂のような粒子の大きな砕屑物は、通常は沿岸近くの高エネルギー環境に堆積する(波に浚われにくい)。逆に、シルトや炭酸塩泥のような細粒の堆積物は、より沖合のより深く、より低エネルギーの水域に堆積する。 したがって、古い岩層から新しい岩層へと年代が進んだときに、沿岸の相(砂岩など)から沖合の相(泥灰土など)に変化しているならば、それは海進の証拠となる。海退が示すのは反対のパターンで、沖合の相から沿岸の相に変化する。地層は上層が侵食による不整合を起こす場合があるので、海退で陸上に出た部分の記録が不明確になることはある。 これらは両方とも理想的なシナリオであり、実際には、海進や海退の識別はより複雑になる可能性がある。たとえば、海退が炭酸塩を含む層から頁岩のみへの変化で、あるいは海進が砂岩から頁岩への変化で示されるかもしれない。 相の水平方向での違いも重要である。たとえば、内海の比較的水深が深い場所で明瞭に残っている海進の痕跡が、そこから離れた浅海だった場所では部分的にしか残っていない、といったこともある。 堆積層の様相を解析する場合は、このように様々な要因を考える必要がある。
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