岡倉天心と富田幸次郎
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「ボストン美術館」の記事における「岡倉天心と富田幸次郎」の解説
岡倉天心(1862-1913)は、東京美術学校(後の東京芸術大学)創設に尽力し、日本美術院を創設して日本画を興すなど、近代日本の美術史研究、美術教育、伝統美術の復興、文化財保護などに多大な貢献をした人物で、英文の著作を通じて日本文化を外国へ紹介することにも尽力した。彼は1904年にボストン美術館へ入り、1910年には東洋部長となった。ボストン美術館には快慶作・弥勒菩薩立像など、天心のコレクションも入っている。 富田幸次郎(1890-1976)は天心の弟子で、10代の時から半世紀以上ボストン美術館に在職し、1931年から1962年までは東洋部長の地位にあって、日米の文化交流に貢献した。日本の絵巻物の代表作である「吉備大臣入唐絵巻」は、1932年、富田を介してボストン美術館に入った。当時の世相下で、富田は日本の貴重な美術品をアメリカに売った「国賊」とののしられた。実はこの絵巻はボストン美術館に入る数年前から日本国内で売りに出ていたものだったが、不況下の日本で買い手がつかないため、ボストン美術館が購入したというのが真相だった。
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