年齢、形成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 15:02 UTC 版)
恒星の周りにある膨大な量の塵円盤は、がか座β星が非常に若い恒星という事を表している。かつて、このがか座β星を主系列星と前主系列星のどちらに分類するかで議論が起きていた。しかし、ヒッパルコス衛星を使って距離を測定した結果、当時の予想よりもがか座β星は地球に近い事が分かった。それにより恒星が予想よりも明るい事になり、ある程度、成熟した恒星だと判断され、がか座β星は主系列星に分類された。がか座β星と周囲の塵円盤の観測から、年齢は約1200万年とされており、誤差も入れれば800万年から2000万年となる。 がか座β星は、基本的にがか座β星運動星団に属するとされているが、比較的近くにあるさそり-ケンタウルス座運動星団の近隣で誕生した可能性がある。その星団内で超新星爆発が発生し、その衝撃波で、がか座β星は星団を追い出されたのではと考えられている。実際に、がか座β星の近くにはHIP 46950と呼ばれる高速度星があり、この恒星はがか座β星と共に星団を追い出された可能性があるとされている。 がか座β星はNASAの紫外線宇宙望遠鏡 FUSE を用いた観測によって、この円盤には驚くほど多量の炭素ガスが含まれていることが発見されている。現在、この観測結果の解釈として、1) がか座β星は我々の地球のような酸素が豊富な環境ではなく、炭素が豊富な風変わりな環境が形成される途上にある、2) 我々の太陽系の形成途中にもこのような炭素の多い未知の時期が存在し、がか座β星は現在その時期にある、といった説が考えられている。
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