急性炎症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/18 18:47 UTC 版)
急性炎症の古典的な徴候と症状日本語ラテン語発赤 Rubor* 腫れ Tumor* 発熱 Calor* 疼痛 Dolor* 機能喪失 Functio laesa** 急性炎症(きゅうせいえんしょう)は生体内に異常が生じた時、その初期、あるいは軽微な異常に対処するために生じる反応である。微小循環系の反応である。先述のように炎症は生体に異常が生じた際に起きる防御反応であり、その異常のレベルに応じて生じる。その異常が重篤であれば、異常の発生した部位での炎症を誘因する物質の生成は活発になり多くの資源を動員して防御反応を起こすし、軽微であれば、その反応は小規模になる。つまりこれが微小循環系の拡張による物質供給によって回復あるいは治癒が可能な場合の炎症反応レベルという事である。 細菌などの感染が起き組織を破壊された場合、血漿成分と好中球が炎症の生じた障害部位に送られ、血管反応により毛細血管などが拡張し充血が起こって、3~4時間以上の経過で血管の透過性が亢進し循環障害と滲出現象が強く出る。この時点で炎症性浮腫という炎症時の局所の浮腫が起こる。血管内の好中球は、血管外へ遊出すると、アメーバ運動をしながら炎症部へ進んで防衛反応を起こす。病理像として、好中球を多く認め、その他に食細胞が出現し血管反応や滲出が起こる。 著しい感染が起きる場合、死滅した細菌や組織細胞破片、好中球などが入り混じった黄色い膿が生じる。治癒の機転は多くは熱を伴い膿の分解除去を行うが、もしこれを除去できないと膿瘍を生じ治癒機転を妨げる。 転帰としては 完全治癒:滲出液の吸収により、不溶性フィブリンや破壊された細胞が酵素による消化やマクロファージの貪食作用によって取り除かれ、浸潤した好中球の多くはアポトーシスによって死滅 瘢痕治癒:欠損組織が多い場合、線維芽細胞、マクロファージ、新生血管が肉芽組織を形成して瘢痕組織となって、欠損部を補う 膿瘍治癒:化膿 (pyogenic) 菌感染が炎症部位に起こった場合に起こる 慢性炎症 (後述) がある。 東洋医学では「五臓の風寒」(五臓の急性炎症等)と呼ばれるものに含まれる。
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