性同一性
性自認(性同一性)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 05:02 UTC 版)
生殖機能に基づいて分類する2つの主要な区分(男女・雄雌)は「生物学的な性(Sex)」と呼ばれるが、これらはあくまで社会的にラベル付けされた概念である。人間の場合、染色体やホルモン、生殖器などを基準に「男」と「女」に出生時に分類されるが、典型的なパターンに一致しない人もおり、中には典型的なパターンに一致させるべく強制的に手術を受けさせられる人もいる(インターセックスなど)。その「生物学的な性」に対して「ジェンダー(Gender)」とは、生物学的な特徴を越えて「自分が何者なのか」という感覚に基づいたものであり、社会的に構築されている。そのため、「生物学的な性」と「ジェンダー」が一致する人もいれば、一致しない人もいる。 性自認とは、自分自身のジェンダーをどう理解し、どう振る舞い、どう見られたいのかを示す識別名である。 性自認については、マイノリティとされている主なものは、以下のとおりである。 トランスジェンダー … 自分の認識しているジェンダーが出生時に割り当てられた性別と異なる。ノンバイナリー … 男性や女性といったジェンダーに当てはまらない。アジェンダー … どのジェンダーにも当てはまらない、定義しない。 バイジェンダー … 同時に2つのジェンダーを持つ。 ジェンダーフルイド … 2つ以上のジェンダーを流動的に移る。 デミ … あるジェンダーに部分的に結びつきを感じている。デミガール、デミボーイ、デミガイ、デミノンバイナリーなどがある。 ノンバイナリーの人たちの中には「enby(エンビー)」という俗語で自分を表現する者もいる。ノンバイナリーと意味がよく似た用語として「ジェンダークィア」があり、重複している部分もあるが、使われ方が違っている場合もあり、実際は個人の意思が尊重される。 日本では英語圏における「ノンバイナリー」とほぼ同様の意味で「Xジェンダー」という表現がよく用いられる。 社会における男女二元論的な規範とは異なるかたちで自分を認識したり、表現したりする人の総称として「ジェンダー・ノンコンフォーミング(英語版)」があり、ジェンダークィアと違ってアイデンティティとしてだけでなく特定のグループや表現、パターンを指すことが多い。 「デミ」は、例えば「デミガール」であれば、自分は女性だと強く感じる面もありつつ、同時に女性ではないとも感じるといったアイデンティティを意味する。たいていのデミガールは、出生時に決められた生物学的な性は女性である。 「トランスセクシュアル(Transsexual)」という用語は古いもので、包括的な意味を持たないので使われなくなった。 アイデンティティとして異性装をする人は「クロスドレッサー」や「ドラァグ」と呼ばれるが、これは性自認や性的指向とは必ずしも関係ない。なお、そのような人たちを「トランスヴェスタイト(Transvestite)」と表現する場合もあるが、この言葉は蔑称とみなされることがある。
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性自認
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/09 18:40 UTC 版)
「グレゴリー・ヘミングウェイ」の記事における「性自認」の解説
グレゴリーは長年に渡り、自分は性同一性障害であると主張していた。何度も女性の服を着ていた。妻のヴァレリーは次のように書いている。 グレッグは生涯、この厄介な病気との負け戦を続けました。両親が彼の病状を受け入れることができなかったため、早期に重要な援助を受けることができませんでした。また、長い間、自分自身でも病状を受け入れることができなかったため、治療法、あるいは少なくとも慰めを見つけることを願って医学の研究を始めました。それに失敗すると、彼は別の人格を作りました。つまり、父の息子であるという耐え難い責任や、期待されていることや自分自身に期待していることに決して応えられないことから逃れるための人格です。 グレゴリーは1973年には性別適合手術を検討していた。1995年に手術を受け、グロリアという女性名を時々使うようになった。手術を受けたにもかかわらず、グレゴリーは男性として生活し、1997年にワシントン州でギャリアーと再婚した。 グレゴリーの公的な人格は男性のままであった。その年の7月には、イリノイ州オークパークで開催されたアーネスト・ヘミングウェイ生誕100周年記念イベントに出席している。また、アーカンソー州ピゴットの母の実家にあるヘミングウェイ・ファイファー博物館が1999年7月4日にオープンした際には、その落成式でスピーチを行っている。 グレゴリーの男性から女性への移行は、死の前に叶えたかった長い道のりだった。一旦片方の乳房に豊胸手術を受けたが、それを元に戻した。時々女性の服装をしていたが、男性の格好で地元の酒場に通い、常連客からも完全な男性だと見られていた。死の数日前に逮捕されたとき、警察には当初はグレッグ・ヘミングウェイと名乗り、その後、グロリアと名乗った。
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