とり‐もの【採(り)物】
採り物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/04 15:09 UTC 版)
踊るときに用いる道具のことを、採り物という。大分県の盆踊りは、手踊りが最も多いものの扇子や銭太鼓などといった採り物を使う踊りもかなり多い。ここでは、手踊りも含めて紹介することにする。 手踊り 何も持たずに踊るもので、別府湾沿岸部近辺では大部分の踊りが手踊りである。派手ではないが、指先にまで神経を使って科(しな)を作ることができる。団扇を持って踊る場合もあるが、別に団扇なしで踊っても構わない場合は手踊りに含める。 団扇踊り 必ず団扇を用いる踊りのことで、中津市、豊後高田市、宇佐市、日田市、玖珠郡の大部分の踊りがこれにあたる。踊りの所作の都合上団扇が必要な場合もあれば、拍子をとる目的で団扇が必要な場合もある。手踊りとは違うのは、必ず団扇を持って踊るという点である。 手ぬぐい踊り 手ぬぐいを用いる踊りのことである。手ぬぐいを片手に持って振り回しながら踊るものや、当て振りで手ぬぐいを肩にかけたり回したりしながら踊るものなどがある。 ハンカチ踊り ハンカチを片手でつまみ、ひらひらと振り回して踊るものである。手ぬぐいやタオルで代用する場合もある。 扇子踊り 扇子を用いる踊りで、県内には数多くの扇子踊りが残っている。通常は1本の扇子を右手で持って踊るが、稀に2本の扇子を両手に持って踊るものもあり、概して難しい踊りである。 提灯踊り 細長い棒の先に提灯を提げたものを用いる踊りのことである。提灯を提げた棒のみを持つ場合もあれば、左手に提灯を提げた棒を持ち右手に扇子を持つというふうに、他の採り物と組み合わせる場合もある。 銭太鼓踊り 銭太鼓という、片手で持てる小さな道具を用いる踊りのことである。銭太鼓は穴開き銭がたくさんついており、良い音が鳴る。両手に銭太鼓を持って踊る場合もあれば、提灯踊りのように他の採り物と組み合わせる場合もある。 棒踊り 綾棒という、長さ30cmくらいの棒を用いる踊りのことである。通常2本1組であり、両手に持って打ち鳴らしながら踊る。綾棒には紅白のテープが巻かれていたり、先端に派手な飾り(造花など)がついていたりする場合も多い。綾棒の先に提灯をつければ提灯踊りになる。綾踊りとの違いは、棒を打ち鳴らさないという点である。 団七踊り 竹刀を用いる踊りのことである。通常3人1組で縦に並んで踊る。志賀団七の仇討ちを模したものであり、先頭から順に姉の宮城野、志賀団七、妹の信夫に扮装して踊ることもある。先頭および後尾の者は竹刀1本を両手で持ち、竹刀を2本持った中央の者と打ち合いながら踊る。元来、女性が男性を挟むようにして踊ったが、近年では性別を問わずに好きな位地で踊る場合が多い。ただし3人1組に揃えたり組数×4本の竹刀を準備するのが大変なので、急速に廃れてきている。
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