新しいスピリチュアリティとは? わかりやすく解説

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新しいスピリチュアリティ(新霊性運動)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/24 05:18 UTC 版)

スピリチュアリティ」の記事における「新しいスピリチュアリティ(新霊性運動)」の解説

イギリスの宗教社会学者ジェームズ・アーサー・ベックフォード(James A. Beckford)は、宗教組織とどまらず医療教育などの分野にも浸透し発展しているこの「ホリスティック世界観を持つ文化現象」を「新しいスピリチュアリティ」として考察したランカスター大学宗教学教授C.パートリッジは、西洋伸張し新たなスピリチュアリティ多くは、オカルトニューエイジ、またUFOイルカ東洋伝統への指向を示すと説明している。またポストモダン・スピリチュアリティは、ニューエイジだけでなくクラブカルチャー音楽映画にも等しく見出すことが可能とする。 日本の宗教でも、1970年代後半から90年代前半なされた新宗教研究90年代半ばなされた精神世界ニューエイジ研究続き現代宗教研究第三波として「スピリチュアリティ」が位置しており、東京大学名誉教授島薗進などがその分にあたっている。島薗進は、従来伝統的なキリスト教における霊性と、現在興隆しているスピリチュアリティはかなり形を変えており、欧米ニューエイジ、エソテリスム、日本精神世界などと呼ばれることが多かったこの「新しいスピリチュアリティ」は「新霊性運動」 または「ニューエイジ宗教」 と呼称できるといっている。また島薗進は、日本スピリチュアリティという語が盛んに用いられるようになったのは1990年代以降アメリカでは1980年代以降で、それ以前霊性追求はあったが、内からの自己解放という潮流の急速は普及目に見える運動となって若者中心に深い影響を及ぼすようになったのはこの頃であるとしている。この潮流には、ニューサイエンス癒やしホスピス緩和ケア、またビジネスとしても、ヨーガ気功気づきセミナー意識変容セラピーエコロジーアルコール中毒患者のアルコホリクス・アノニマスのようなセルフヘルプ(メンタルヘルスにおける自助グループ)運動などが含まれるとしている。 島薗進によれば新しいスピリチュアリティストは既存宗教に対して悪印象持っており、その理由として、集団への帰属集団内の権威服するよう要求したり、自己の宗教のみが正しく他の宗教無価値とする独善的排他的な姿勢や、信仰しない者は罰せられることなどを好ましくない性格みなしているとしている。 上山弓子説明によれば新しいスピリチュアリティストはキリストブッダばかりかマリアマイトレーヤソロモン王大天使ミカエルなどあらゆる最高存在が「指導霊」や「守護霊」になりうると考えられいずれの至高存在もけっして絶対的ではなく聖なるパワー発信者とみなされて、心より帰依すべき義務生じないまた上山は、既存宗教代替する存在としてのスピリチュアリティ全般にみられる特徴として、 現実的な「今このとき」を主眼に置き、今生での気づき重視する目的は「救いではなく癒しや幸福である。 重要なのは気づき(アウェアネス)という「知」であり、信仰に至る必要はない。 の三つ挙げている。 教育においても、1995年阪神・淡路大震災オウム真理教による地下鉄サリン事件背景にして日本文教行政においてもスピリチユアルな側面強調されるようになり、「生きる力」の涵養主張されるようになった2002年中央教育審議会中間報告案では「科学物質万能風潮の中で、日に見えないもの大切にするという観点から、あらゆる宗教共通する普遍的な宗教心教え必要があると書かれた。しかし、各界からの反発受けて、「国公立学校における特定の宗教のための宗教教育宗教活動禁止が適当」とした上で宗教情操道徳教育の中で取り組み進められていると結論づけた。この2002年度には「ゆとり教育」が本格始動し、文科省より「心のノート」が全国小中学校配布された。

※この「新しいスピリチュアリティ(新霊性運動)」の解説は、「スピリチュアリティ」の解説の一部です。
「新しいスピリチュアリティ(新霊性運動)」を含む「スピリチュアリティ」の記事については、「スピリチュアリティ」の概要を参照ください。

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