有職織物
有職織物
名称: | 有職織物 |
ふりがな: | |
芸能工芸区分: | 工芸技術 |
種別: | 染織 |
認定区分: | 各個認定 |
指定年月日: | 1999.06.21(平成11.06.21) |
解除年月日: | |
指定要件: | |
備考: | |
解説文: | 有職織物の技術は、奈良時代に唐より伝わり、平安時代以降和様化したものである。 それは、主として宮廷を中心とした公卿階級の間に用いられた錦、綾、浮織物、二陪【ふたえ】織物、紗等を含む技術である。抑えられた色数、織物の特色を示して繰り返される単位文様は、品格の高い、清潔な美を作り出す。この技術は、幾多の曲折を経ながら、宮廷の儀式用服飾・神宮式服・神宝等により伝えられ、今日に至っている。 戦後、社会情勢の推移や、経済事情の変化により、しだいにその用途を失いつつあるとはいえ、有職織物は、わが国の織物美の原点といえるものであり、わが国染織史上きわめて重要な工芸技術である。 |
有職織物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/01 21:03 UTC 版)
この時代に作られた染織品に有職織物がある。有職織物とは、和様化、定型化した文様を表す公家様式の織物を指す用語として後世に名付けられたものである。こうした織物の技法としては浮織、固地綾(かたじあや)、二陪織(ふたえおり)などがある。浮織とは文様部分の糸を浮かせた織物のことだが、有職織物の浮織とは、地を経三枚綾、文様を地と異なる色の緯糸(絵緯、紋緯)で表したものを指す。これに対し固地綾とは、地、文様ともに綾組織で表したもので、地を経の三枚綾、文様を緯の六枚綾とする。二陪織は、二重織とも書き、綾組織で地文を表した布に縫取織(文様を表す緯糸が織幅一杯に渡らず、文様部分のみを往復するもので、文様が刺繡のように立体的にみえる。)で主文となる別の文様を表したものである。これらの織物の平安・鎌倉時代の実物はほとんど残っておらず、わずかに残っているのは神社の神宝として伝えられたもの、すなわち実用品ではなく神服として作られたものである。鶴岡八幡宮に古神宝として伝わる5領の袿は鎌倉時代の作で、この種の遺品として最古のものである。こうした公家の装束や調度品に付けられた、定型化した文様を有職文様といい、桐竹鳳凰文、窠に霰文(かにあられもん)、小葵文、浮線綾文(ふせんりょうもん)などがある。 律令制の形骸化とともに官営の織物工房であった織部司の業務独占が崩れていった。13世紀半ばの寛元4年(1246年)には織部町が火災に遭い、織部司は衰退して、織物生産は官業から民業へ大きく方向転換した。
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