本書の価値観
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/04 00:37 UTC 版)
本書に描かれたエコトピア人たちによって体現された価値観は、著者が推奨する価値観を反映していた。カレンバックは、エコトピア人は多様性が開花できる環境・社会の安定の基本的な重要性にこだわると言う。彼らは創造性を重視し、男女平等を保証し、自然システムの保護と回復を行い、都市内における食料生産を奨励し、さらに健康、友情、有意義な会話や遊びなどの生活の質の価値を大切にする。 カレンバックは、エコトピアの社会による貴重な素材や物質のリサイクルに関しても本書で描いている。彼はあらゆる種類のリサイクルにより広い役割を見い出し、これがエコトピアの基盤となる様々な概念の基調をなすものと見ている。 後年、カレンバックはポスター用に次のような「地球の十戎」を生み出した。『エコトピア』の中に表された価値観を最もよく体現していると見られる。 『地球の十戎』 アーネスト・カレンバック作 汝、そなたの生命を祝福し、そなたの生存を左右する地球を愛したまえ。 汝、日々を地球に捧げ、その季節の移ろいを祝うべし。 汝、他の生物の上に自らを置き、彼らを絶滅に追いやることなかれ。 汝、そなたを育めし動物や植物に食前の祈りをささげよ。 汝、大勢の人は地球の重荷になる故に、子を制限せよ。 汝、地球の豊かさを奪ったり、戦争の武器のために浪費するなかれ。 汝、地球の犠牲のもとに、利益を追求したりせず、地球の傷ついた尊厳を回復するよう努めよ。 汝、地球に対するそなたの行動の結果から、自ら目をそむけたり、それを他人に隠そうとするなかれ。 汝、地球を不毛にしたり、汚染させたりして、来るべき世代から地球を奪うことなかれ。 汝、地球の恵みをあらゆるものが分かちあえるよう、控えめに物を消費せよ。
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