すみ‐わけ【×棲み分け】
棲み分け(すみわけ、英: habitat segregation, interactive habitat segregation)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/13 06:02 UTC 版)
「魚類用語」の記事における「棲み分け(すみわけ、英: habitat segregation, interactive habitat segregation)」の解説
似た生活様式を持つ2種以上が同じところに棲むこともできるのに生息場所を分け合っている現象。例えばイワナとヤマメは夏季の水温13℃の付近を境にして分かれて棲むことが多い。しかし他種のいない場合はヤマメは13℃より水温の低い上流にも、イワナは13℃より水温の高い下流にも生息する。
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棲み分け
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/16 01:56 UTC 版)
生物を見れば、同じ場所で同じものを食べているように見えても、種類が違えば何かしら違ったやり方で食べたり、時間をずらしたりして、互いの活動が完全にぶつからないようになっていることが多い。これは、一見同じニッチに見えても、それぞれ少し異なるニッチを占めていると見ることができる。 同じようなニッチを占める2種が、少し場所をずらせることで共存する場合がある。たとえば、渓流釣りの対象となる魚であるヤマメとイワナはいずれも上流域に生息するが、イワナの方がやや冷水を好む。それぞれが単独で生息する川ではどちらの魚も上流域を占有するが、両者が生息する川では混在することなく、最上流域をイワナが、そして上流域のある地点を境に、それより下流をヤマメが占有する。 このように、時間・空間的に活動範囲を分けることで2種が共存することを棲み分け(Habitat segregation)という。 生態学者の今西錦司は、河川の水生昆虫の分布からこのような生物種間で生息域をずらせる現象を指摘して棲み分けと呼び、独自の棲み分け理論を展開した。これは今西の生物社会論と結びついており、必ずしも自然科学との折り合いが良いわけではない。今西によると、生物は同種個体によって組織された一つの種社会を作っており、同様に近縁種間には社会関係があるとする。互いに共通の資源を求めるものは近縁なものであるので、それらは同位社会を構成し、競争が避けられるならば棲み分けが成立するという。したがって、後年考えられているような単純な意味での非競争的棲み分けだけを考えているわけではなく、明示的な競争・競争排除・棲み分けがありえる中で、生物のニッチ分化を考察したのが棲み分け理論である。 自然科学の立場からも棲み分けの事実は認められているが、その現象の説明はまったく異なった形で与えられている。多くの場合、そのような2種は競争関係にあると見なし、それぞれの種には最適環境やさまざまな耐性に差があることから、その説明をおこなう。たとえば、先のヤマメとイワナの場合では、イワナがやや冷水を好むため、水温の低い最上流ではイワナが競争に勝ち、ある程度水温が高くなるとヤマメが有利になるために棲み分けが起きるという風に説明する。 今西の説と現在の一般的な棲み分け現象についての説明の違いは、最初から競争・非競争的な種間関係両方がありえるとするのか、競争関係から進化的にさまざまなバリエーションが派生したと見るかである。
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