植生態と栽培
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/18 14:02 UTC 版)
最も重要な商業種は、インドネシアのモルッカ諸島(別名、香料諸島)中のバンダ諸島原産のニクズク Myristica fragrans(ニクズク科)である。マレーシアのペナン島や、カリブ海(特にグレナダ)、南インドのケーララ州(古代の書物では香辛料貿易の中継地として記述されており、以前はマラバルと呼ばれていた)でも栽培されている。17世紀の著作『ホルトゥス・マラバリクス(英語版)(マラバル植物園)』において、ヘンドリック・ファン・レーデ(英語版)は、インド人が古代の交易路を通じてインドネシア人からナツメグの用法を学んだことを記録している。 ナツメグ(ニクズク)の木は雌雄異株であり、有性的(種子)および無性的(挿し木または接ぎ木)に繁殖する。実生(有性)繁殖は50%の確率で雄株が得られるが、これらは実りが少ない。6-8年後に開花することを確認する以外には信頼性をもって性を判別できる手法が存在しないため、有性生殖では収穫量が安定しないことから、接ぎ木が繁殖の方法として好まれる。上胚軸接ぎ(苗木を使った割り接ぎの一種)、寄接ぎ、継ぎ芽接ぎが成功すると証明されており、上胚軸接ぎが最も広く採用されている。取り木も代替手法であるものの、成功率が低い(35–40%)ため好ましい方法ではない。 ナツメグの木からは植付け後7-9年後にようやく収穫でき、20年後には生産量が最大に達する。 ニクズクの果実 果実内部の赤色の仮種皮と種子 種子を覆う仮種皮
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