くさびがた‐もじ【×楔形文字】
読み方:くさびがたもじ
古代の小アジア世界で、粘土板に刻まれた楔に似た形の文字。表意文字から表音文字に移行する段階にあり、一般に1字が1音節を表す。アッカド語・ヒッタイト語・古代ペルシア語などに使用された。楔状(けつじょう)文字。けっけいもじ。せっけいもじ。
けっけい‐もじ【×楔形文字】
読み方:けっけいもじ
せっけい‐もじ【×楔形文字】
読み方:せっけいもじ
楔形文字
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/08 03:24 UTC 版)
楔形文字(くさびがたもじ、せっけいもじ、シュメル語:gu-šúm)とは、メソポタミア文明で使用されていた古代文字である。
- ^ a b 前田(2000) 5ページ
- ^ Kaempfer, Engelbert (1712). Amoenitatum exoticarum. pp. 331-334 . "Inscriptionem exhibet, expressam characteribus peregrinis, formam habentibus cuneolorum;" (hathitrust)
- ^ Khačikjan, Margaret. 1998. "The Elamite Language". Documenta Asiana IV, Consiglio Nazionale delle Ricerche Istituto per gli Studi Micenei ed Egeo-Anatolici. ISBN 88-87345-01-5
楔形文字
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/07 02:27 UTC 版)
ウルク古拙文字は、少しずつ簡略化されていった。ウルク古拙文字は、その後90度回転した状態で楔のような、楔形文字に変化していった。
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楔形文字
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 22:08 UTC 版)
詳細は「楔形文字」を参照 楔形文字(英: cuneiform)は、現在知られている文字体系で最古のもののひとつである。紀元前3500年頃にメソポタミアで誕生した。粘土の板に葦の尖筆を押し当ててくぼみをつけることによって文字を記す。尖筆を粘土に押し当てて引くと、ちょうど楔のような形のくぼみができるので、この名がある。粘土に書いた文字は簡単に書き直すことができるし、いっぽうで乾かせば書いたものをかなりの期間保存できる。長期の保存が必要な場合は焼くこともある。現在残っている楔形文字資料の多くは、火災や戦災によって焼かれたものである。 現在までに発見されている楔形文字のうち、初期のものが表記している言語はシュメール語と呼ばれ、シュメール人の言語である。しかし、楔形文字そのものをシュメール人が作ったというたしかな証拠はいまのところ発見されていない。もっとも古いものはウルク文字(古拙文字とも)で、イラク中部のウルク(現ワルカ)遺跡第4層から出土し、紀元前3100-3000年頃のものである。また、少し後の時代のものとしてジャムダド・ナスル(ジェムデド・ナスル)でも同系統の文字を記した粘土板が発見されている。ほとんどは商取引の記録や目録のような経済文書であり、事物や職名、都市名を表す文字とともに数字を記している。また、書記の養成のためと見られる文字リストも発見されている。一方、ジャムダド・ナスルと同時期の文字資料がスーサで出土しているが、これはエラム語の一種を表記したもので、原エラム文字と呼ばれる。 当初の書字方向は上から下の縦書きで、文字はある程度単純化された線画であり、まだ楔形になっていない。紀元前2600年頃から、書字方向が縦書きから横書き(左から右)に変わり、その結果、すべての文字が左に90度回転した。その後、筆画が直線化し、最終的には楔形の組み合わせで文字を表すようになる(#図4を参照)。 図4 「頭」[SAG] を表す文字の変化 1: 紀元前3000年頃。2: 紀元前2800年頃。左に90度回転。3: 紀元前2600年頃の碑文。筆画の単純化。4: 粘土板。楔形の特徴が現れる。5: 紀元前第3千年紀後半。6: 紀元前第2千年紀前半。7: 紀元前第1千年紀前半。出典は画像の説明を参照。 ウルク文字は、事物そのものを表す表語文字であるが、紀元前2800年頃から、文字を音節を表すものとしても使うようになる。たとえば、「牛」を表す文字を [gu] の音節を表すのに使う。ところが、「糸」を表す文字でも [gu] を表せる。同じ音の語は複数あるから、ある音節を表せる文字も複数ある。これを同音異字性(英: homophony、ホモフォニーとも)と呼ぶ。また、「口」を表す語は [ka] なので、「口」を表す文字は [ka] の音節を表す。ところが、この文字は「叫ぶ」[gù]、「歯」[zú]、「話す」[du] などの語も表すから、それらの音節を表すのにも使う。これを多音性(英: polyphony。ポリフォニーとも)と呼ぶ。同音異字性や多音性は、シュメールの楔形文字を借用した他の楔形文字にも引き継がれる。 シュメール語の楔形文字は、アッカド語(バビロニア語やアッシリア語を含む)の表記に借用された。しかしシュメール語が膠着語であったのに対し、アッカド語は屈折語のセム系言語であった。セム系言語では語根を3子音(ときに4子音)で表すから、ひとつの語を音声表記するのには複数の文字が必要になる。表記を短縮するためにシュメール語の表語文字を併用することもあった。バビロニア人やアッシリア人の楔形文字は、さらにヒッタイト語、フルリ語(ミタンニ語)、ウラルトゥ語(いずれもインドヨーロッパ語族の言語)などの言語の表記に借用された。 シリアのウガリット(ラス・シャムラ)で発見されたウガリト文字は、紀元前14世紀頃の文字体系である。シュメール起源の楔形文字では文字の数が600あまりに達したのに対し、ウガリト文字は字母がわずか30個のアブジャド(子音文字)になっている。字母の一覧を記した資料では、フェニキア文字やヘブライ文字などの伝統的な順序との一致が見られることから、文字体系の組織は他のアブジャドの影響を受けたと考えられている。 また、古代ペルシア楔形文字は、アケメネス朝ペルシアのダレイオス1世が作らせた楔形文字で、36個の開音節文字(子音-母音の組み合わせを表す文字。ただしうち3個は母音のみの文字)を含む。楔形文字の中では最初に解読された文字体系である。これは紀元前4世紀には使われなくなった。 今日では、楔形文字を表記に使う言語はない。現在までに知られているもっとも新しい楔形文字の資料は、紀元後1世紀のシュメール語表語文字によるものである。
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