水冷(すいれい)
エンジンをかけると、熱を持ってくる。走っていないのに、すぐに「熱い」と感じるまでになる。もちろん走り始めたらどんどん温度は上がっていく。そこで、上昇する温度を下げる必要がある。 では、身近なことに置き換えて考えてみると、人間が運動して熱くなった体を冷やすのにどうするか? (1)風に当たる (2)水をかぶる 実はバイクも同じだ。これをバイクに当てはめると、(1)が空冷、(2)が水冷となる。実際の水冷エンジンは、水をかぶるというより、水の入った服を着ているというイメージに近い。その服にはホースが付いていて、ラジエターというパーツにつながっている。水がラジエターを通る間に、風によって水が冷やされる。冷やされた水は、別のホースを通ってまた水の入っている服に戻っていく。水はずっと循環し続ける。 四輪の世界では当たり前のように採用されている水冷。エンジンが露出している二輪ではエンジンの造形が美しい空冷も高い人気がある。
【関連用語】ラジエター クーラント 空冷
水冷
水冷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 08:28 UTC 版)
「オートバイ用エンジン」の記事における「水冷」の解説
詳細は「水冷エンジン」を参照 水冷エンジンを搭載するオートバイの中にはラジエータファンを搭載しないものも少なくない。特に車体重量の軽いオフロードバイクなどではラジエータファンや駆動のため電源であるバッテリーを搭載するには、それらの重量や大きさなどがデメリットとして比較的大きく影響するためである。サーモスタットを持たないものも存在する。 近年では排ガス規制への対応のために燃焼室の温度制御は重要な要素となってきており、制御しやすい水冷エンジンの採用率が高くなっている。また、冷却水を循環させるためシリンダーブロックが二重構造となっている水冷エンジンは空冷に比べると騒音を抑えやすく、日本など一部の国で自動車騒音規制が厳しい事情には対応しやすい。
※この「水冷」の解説は、「オートバイ用エンジン」の解説の一部です。
「水冷」を含む「オートバイ用エンジン」の記事については、「オートバイ用エンジン」の概要を参照ください。
水冷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 14:39 UTC 版)
空気よりも熱容量が大きい水(冷却液)を冷却に用いる方法。CPUに水を循環させるヘッドを接触させて、熱を水で持ち去り、外部のラジエータで放散させる。ラジエータには空冷ファンを付け、冷却能力を高めることが多い。CPU以外にGPUの冷却のためのキットも市販されている。 大型汎用機では普及している方法であるが、一般的なパソコンに用いるには構成部品が多く大がかりになりすぎ、また定期的なメンテナンスも必要であり、水漏れなどが発生すれば高価なパーツを破壊するリスクもある。 一般に空冷式より高価かつ複雑になることなどから簡便に用いることのできるものではなかった。技術の熟成により信頼性が上がり、値段も空冷クーラーと遜色ない製品が流通するようになり、冷却性能の高さに加え、ファンによる騒音を嫌って静粛性を求めるユーザーが水冷式を用いることが多い。 パソコン分野での水冷は「本格水冷」と「簡易水冷」に大別される。 本格水冷 対象の熱を冷却液(クーラント)に伝える水枕(ウォーターブロック)、冷却液を送り出す電動のポンプ、冷却液を貯めておくリザーバータンク、熱交換を行うラジエーター、各パーツを繋げるホース(チューブ)及びその継手(フィッティング)を基本の構成要素とする。組み立ての際にはホースを各部に適した長さで切断して各構成機材を繋いで水冷経路を作り、エア抜きも行う必要があるなど手間が掛かる。その分、各構成機材の配置場所の自由度が高く、ホースをケース外に伸ばし、ラジエーター等を外付けにすることも可能。CPUだけではなくGPU、マザーボード、メインメモリ、珍しいものではSSDや電源ユニットの水冷化など適合する水枕さえ用意できればほぼ全ての発熱源に対応する。設置場所のスペースとポンプの能力の許す限りラジエーターの増設・拡張が可能なため、冷却性能を高めファン速度を下げる事により静音化も可能。 黎明期は自動車やバイクの水冷システムやアクアリウム、水道管など先行していた各分野のパーツを流用・改造していたが、2019年現在は専用に販売されているパーツを利用することが多い。各パーツの接続部分は管用平行ねじのG 1/4インチがデファクトスタンダードとして広く採用されているため、継手を流用することでパーツの交換を容易に行える。また、特定のマザーボードやGPU専用の水枕を除きパーツの汎用性が高く、一度購入すれば適切なメンテナンスによって数世代にわたって使用できる。空冷CPUクーラーと同様、Socket AM4やLGA1700などの寸法に互換性の無いソケットが登場した際には各メーカーから無償もしくは低価格でアップグレードパーツが供給されている。 簡易水冷 2009年頃からはチューブ素材などの進化によりメンテナンスフリー化が進み、水枕、ホース、ポンプ、ラジエーターなどが一体化して冷却水が封入済みで簡単に取り付けられる1万円前後の簡易型水冷クーラーのキットが自作パソコン用途向けに販売されている。2010年代以降はこれら簡易水冷型クーラーが1万円以上のハイエンド・CPUクーラー市場において一定の市場を形成している。CPUヘッドと呼ばれる水枕部分を固定した後、ラジエーター部分をケースに固定すればいいためパソコンケース内のみで水冷経路が完成し、ユーザーは水冷経路を組み立てる必要もなく冷却液そのものを扱わずに済む。ただし多くの簡易水冷にはリザーバータンクがないのでCPUの発熱量次第では、冷却液全体の温度が上がってしまうと熱飽和で放熱が追い付かなくなるので、PCの環境や構成に合わせたラジエーターサイズの製品が望ましい。大半の製品がメンテナンスフリーを謳っているが、冷却液の交換ができない場合がほとんどで冷却液の揮発や内部の腐食などで性能が低下した場合は機材を交換及び廃棄せざるを得ない。 2019年現在市場に出回っている製品のほぼ全てがデンマークに本社を置くAsetek製のOEMであり、各社はAsetekの基本設計に独自のカスタマイズを施して販売している。同社は簡易水冷に関する特許を取得しており、競合であるカナダのCoolItや台湾のCooler masterなどを特許侵害で提訴しており、いずれも勝訴している。2013年には本格水冷メーカーの米国Swiftechの製品にも警告を行い、同社は米国での販売を停止した。CPUの水枕とポンプを一体化させる構造が特許の対象となっているため、AsetekとのOEM契約を結んでいないメーカーはラジエーター側にポンプを装着するか、わざと複雑な構造をとり内部的に一体化していない構造とすることで特許を回避している。 2020年代からはホワイトボックスパソコンメーカーの中にもBTO用パーツやハイエンドモデルとして用意するところが現れるなど、普及が進んでいる。 GPUの冷却にCPU用の簡易水冷を利用することもある。 水冷型のクーラーは、強制空冷式のCPUクーラーでは存在したファンによる風の流れが発生しないため、その設置の状況によってはマザーボード上のチップセットやメインメモリーなどの他のパーツ機材の冷却ができなくなる可能性があり、導入する際には、ほかの冷却機構との兼ね合いを考慮する必要がある。 ノートパソコンにおいても水冷を採用した製品が存在する(例:日立製作所・FLORA 270W サイレントモデル、2002年発売)。
※この「水冷」の解説は、「CPUの冷却装置」の解説の一部です。
「水冷」を含む「CPUの冷却装置」の記事については、「CPUの冷却装置」の概要を参照ください。
「水冷」の例文・使い方・用例・文例
水冷と同じ種類の言葉
- >> 「水冷」を含む用語の索引
- 水冷のページへのリンク