治療形態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 15:28 UTC 版)
「化学療法 (悪性腫瘍)」の記事における「治療形態」の解説
今日においては化学療法剤を管理する方法は数多く存在する。集学的治療 (combined modality chemotherapy) は薬剤のほかに(放射線療法や外科手術など)他のがん療法を併用する。今日では多くの腫瘍がこの方法で治療されている。 多剤併用療法 (combination chemotherapy) はいくつもの薬剤を同時に患者に投与する同様な治療法である。薬剤は異なる作用機序と副作用のものが選択される。1つの薬剤の場合と異なり、がんが耐性化を獲得する機会が最小になるのがこの方法の最大の利点である。 (術後)補助化学療法 (アジュバント療法adjuvant chemotherapy)、 は、外科手術などによりがんが取り除かれた後に一定期間行われるもので、がんが存在する証拠がほとんどない場合に使用される。この療法によって再発のリスクが減少する。この療法は腫瘍が増殖する際に耐性を獲得する機会を減少させる手助けになる。体の他の組織に転移した腫瘍細胞を殺すのにも有効であり、新たに増殖し盛んに分裂する腫瘍はとても感受性が高いので、しばしば効果的でもある。 術前化学療法 (ネオアジュバント療法、neoadjuvant chemotherapy) は、手術の前に化学療法を行う治療法で、乳癌等を中心に行われている。完全切除の困難な腫瘍を縮小させて完全切除可能となる事や切除範囲を小さくすることを期待する。 一般に抗がん剤の投与量は、その効果を最大限に引き出すため、患者が耐えうる最大の投与量(最大耐用量 : MTD)で設定されている事が多い。そのため、化学療法の治療計画は、使用する抗がん剤の組み合わせはもちろん、治療を受ける患者の背景(全身状態、臨床症状、合併症、既往歴など)に応じて慎重に決定される。また、治療中も患者の臨床症状や臨床検査値などを定期的に確認し、治療効果と副作用のバランスを鑑みながら治療計画を修正していく。
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