洞爺丸事件後の安全対策とは? わかりやすく解説

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洞爺丸事件後の安全対策

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 08:15 UTC 版)

大雪丸 (初代)」の記事における「洞爺丸事件後の安全対策」の解説

洞爺丸事件重大さ考慮し運輸省1954年昭和29年10月学識経験者による“造船技術審議会船舶全部会・連絡船臨時分科会”を、国鉄総裁同年11月にやはり学識経験者による“青函連絡船設計委員会”を設置した。これらの審議会では、青函連絡船沈没原因と、その対策等が審議検討され答申書出された。それらに従って沈没免れた連絡船にも種々の改良工事施された。 1955年昭和30年12月には下部遊歩甲板の角窓を水密丸窓として完全な予備浮力とし、照明蛍光灯とした。 救命艇吊り下げるボートダビットは、端艇甲板から救命艇海面降ろすとき、まず救命艇手動で舷外へ振り出す操作が必要で、これでは人手時間がかかり、非常時間に合わないため、ブレーキを外すだけで、救命艇自重で舷外へ振り出される重力型ボートダビットに交換され救命艇木製から軽合金製のものに交換された。 非常時に、車両甲板第二甲板3等船室から、上部遊歩甲板への脱出路となる階段は、従来は最も面積とらないよう、各階とも同一場所に同一方向設置されていたため、各階ごとに後ろ回りまなけれ上がれなかったものを、階段配置直線になるよう改造された。 車両甲板上の石炭積込口を含む開口部敷居の高さを61cm以上とし、それらを水密鋼製のふたや扉で閉鎖できるようにし、車両甲板上に大量海水浸入しても、機械室ボイラー室流れ込まないようにし、これらの部屋換気口閉鎖し電動換気とした。また主発電機(500kVA 2台)故障時に推進補機、主要航海通信機器非常灯電源確保するため、蒸気タービン駆動の200kVA補助発電機1台を追加設置した。これは通常出入時に無負荷運転して非常事態備えたが、主発電機との並列運転はできなかった。また、従来機械室床下にあった発電機床上上げて機械室内に海水多少溜まっても浸からないようにした。 洞爺丸型では船内交流電化進められ電動油圧式操舵機を動かす油圧ポンプ動力や、車両甲板下の水密隔壁間を船艙レベル交通する水密辷戸の動力にも交流電動機用いられていた。このため交流電源故障時にも、これらの使用継続できるよう、蓄電池容量増大のうえ、操舵機に直流電動機追加設置し手動クラッチベルトを介して、この直流電動機からも油圧ポンプ駆動できるよう改造した水密辷戸については、1955年昭和30年5月11日発生した宇高連絡船紫雲丸事件後の同船の対応にならい、3ヵ所の交流電動機直接駆動方式辷戸のうち、1ヵ所が直流電動機直接駆動方式改造された。 1960年昭和35年3月には、1957年昭和32年建造十和田丸(初代)同構造の船尾水密扉設置された。この工事では、船尾設置位置できるだけ船尾側へ寄せるため、甲板室後部端から船尾に至る船内軌道の“屋外部分鋼製トンネル”で覆いその後端に船尾扉が設置された。このため車両甲板後端エプロン甲板との段差)から船尾下端まで約2mと、十和田丸(初代)より約4m船尾側に船尾扉を設置できたため、ワム換算積載車両数19両が維持できた。これに伴い端艇甲板船尾側を“トンネルの上張り出し、“トンネル”上に組んだでこの部分支え後部操縦室ポンプ操縦室)をその上に移した。 この工事では、さらにボイラー石炭焚きからC重油専燃に改造され、これにより石炭積込口廃止による車両甲板面の一層の水密性向上と、無煙化による旅客サービス向上が図られた。重油焚き石炭焚き比べ、1缶当たりの蒸発量増大し、5缶で石炭焚き6缶と同等性能確保されるため、右舷最後部のボイラー1缶を撤去しそのあと燃料常用自動燃焼制御装置設置された。このとき外舷色は黒から十和田丸(初代)似たとくさ色”(10GY5/4)に変更された。船尾水密扉設置により車両格納容積加算されて5,855.01総トンとなった1961年昭和36年6月には、十和田丸(初代)羊蹄丸摩周丸とともに、第2レーダー装備され当時車載客船全船がレーダー2台装備となった

※この「洞爺丸事件後の安全対策」の解説は、「大雪丸 (初代)」の解説の一部です。
「洞爺丸事件後の安全対策」を含む「大雪丸 (初代)」の記事については、「大雪丸 (初代)」の概要を参照ください。

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