湿り空気h -x 線図
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/10 13:49 UTC 版)
「湿り空気線図」の記事における「湿り空気h -x 線図」の解説
比エンタルピーh と絶対湿度x を座標軸にとって斜交座標系としたもの。乾球温度と絶対湿度を直交座標系としたようにも見えるが、乾球温度一定の線は場所によって角度が異なるため、これは正しくない。 右に示した線図の構成要素は以下の通りである(括弧内は線の色)。 乾球温度 垂直に伸びた直線(緑)。一般的な温度計が示す空気の温度。 湿球温度 斜め(右下がり)に伸びた直線(青)。湿球温度計が示す空気の温度。 相対湿度 放射状(右上がり)に伸びた曲線(赤)。水蒸気分圧÷飽和水蒸気圧で表され、単位は %RH。 絶対湿度 水平に伸びた直線(濃紺)。乾き空気1 kgに含まれる水蒸気量の重量で、単位は kg/kg(DA)。DAは dry air の意。 比エンタルピー 斜めに伸びた直線(黒)。乾き空気1 kgあたりのエンタルピーを表したもので、単位は kJ/kg(DA)。 比体積 斜めに伸びた直線(緑)。空気 1kgの体積で、単位は m3。 気温、湿度が高ければ比エンタルピーは高い。例えば、 気温25℃、湿度50 %の比エンタルピーは約50 J/g DA 気温35℃、湿度50 %の比エンタルピーは約80 J/g DA 気温35℃、湿度70 %の比エンタルピーは約100 J/g DA と読み取ることができる。(気温、湿度) = (35℃, 50 %)から温度だけを下げ(25℃, 50 %)に冷却するために必要なエネルギーはこれら空気の比エンタルピーの差であり約30 J/g DAである。一方、気温(35℃, 70 %)から温度と湿度を両方下げ同じ(25℃, 50 %)にするときの比エンタルピーの差は約50 J/g DAとなり、湿度を下げながら温度を下げる方がより大きなエネルギーが必要なことがわかる。
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