溶媒としての性質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 09:58 UTC 版)
液体フッ化水素は、様々な物質に対し大きな溶解能を有する。プロトン性極性溶媒であり、水などと同様に自己解離が存在するが、フッ素の高い陰性により、フッ化物イオンは更に一分子のHFと結合して溶媒和する。0℃でのイオン積は以下のようになる。 3 HF ↽ − − ⇀ H 2 F + + HF 2 − {\displaystyle {\ce {3HF<=>{H2F^{+}}+HF_{2}{^{-}}}}} K = [ H 2 F + ] [ H F 2 − ] = 10 − 9.7 mol 2 dm − 6 {\displaystyle K=\left[{\mbox{H}}_{2}{\mbox{F}}^{+}\right]\left[{\mbox{H}}{\mbox{F}}_{2}^{-}\right]=10^{-9.7}{\mbox{mol}}^{2}{\mbox{dm}}^{-6}\,} フッ化水素の水溶液(フッ化水素酸、弗酸)は濃度により酸性度は著しく変化し、純粋なフッ化水素ではハメットの酸度関数は H0 = −11.03 を示し、純硫酸に近い強酸性媒体である。さらに純フッ化水素に1mol%の五フッ化アンチモンを加えたものは H0 = −20.5 という超酸としての性質が現れる。 0℃における比誘電率は83.6と、水の87.74(0℃)に近く、イオン解離に有利な溶媒としての性質を持つが、強い酸性度のためフッ化水素中で強酸としてはたらく物質は少なく、水、アルコールなど多くの分子がプロトン化を受け強塩基として振る舞う。
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