演目の東西交流
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/16 20:10 UTC 版)
古典落語には上方から江戸に移植されたものばかりではなく、その逆もあり、同じ筋立てでも演題が異なる場合や同じ演題でも「饅頭こわい」のように東西で内容が異なる場合がある。以下に、演目の東西交流の事例を掲げる。 上方→江戸:「らくだ」、「二番煎じ」、「かぜうどん」(東京では「うどん屋」)、「猫の災難」、「二階ぞめき」、「碁どろ」、「不動坊」、「高砂や」、「青菜」、「みかん屋」(同「かぼちゃ屋」)、「時うどん」(同「時そば」)、「三十石」、「貧乏花見」(同「長屋の花見」)、「禁酒関所」(同「禁酒番屋」)、「子ほめ」、「牛ほめ」、「地獄八景亡者戯」(同「地獄めぐり」)、「宿屋仇」(同「宿屋の仇討」)、「高津の富」(同「宿屋の富」)、「いらちの愛宕詣り」(同「堀の内」)、「鴻池の犬」(同「大どこの犬」)、「阿弥陀池」(同「新聞記事」)、「菊江仏壇」(同「白ざつま」)、「けんげしゃ茶屋」(同「かつぎ茶屋」)、「米揚げ笊」(同「ざる屋」)、「借家借り」(同「小言幸兵衛」)、「立ち切れ線香」(同「たちきり」)、「くっしゃみ講釈」(同「くしゃみ講釈」)、「蔵丁稚」(同「四段目」)、「佐々木裁き」(同「佐々木政談」「池田大助」)、「高倉狐」(同「王子の狐」)、「百人坊主」(同「大山詣り」)、「祝いのし」(同「鮑のし」)、「親子茶屋」(同「夜桜」)、「始末の極意」(同「しわい屋」)、「ん廻し(寄合酒、田楽喰い)」、「口入屋」(同「引越の夢」)、「鹿政談」、「初天神」、「天狗裁き」、「寝床」、「近日息子」、「愛宕山」、「代書(代書屋)」、「饅頭こわい」、「景清」、「笠碁」、「三枚起請」、「仔猫」、「百年目」、「浮世床」など。 江戸→上方:「酢豆腐」(上方では「ちりとてちん」)、「花見の仇討」(同「桜の宮」)、「反魂香」(同「高尾」)、「締めこみ」(同「盗人の仲裁」)、「唐茄子屋政談」(同「南京屋政談」または「なんきん政談」)、「芝浜」(同「夢の革財布」)など。 なお、上方から江戸へ導入されたものに演者の「出囃子」がある。それ以前の江戸落語では太鼓のみが演じられたものが、上方から寄席囃子として三味線が採用されたのである。
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