登山の装備
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/12 08:47 UTC 版)
登山というのは主に歩くのであり(自分で荷物を背負わなければならないので)多くの用具や食料を携行することはできない。また、登山では危険に直面することもあるので、十分な安全対策を検討したものである必要もある。「安全」「堅牢(けんろう、=丈夫であること)」「軽量」「扱いやすさ」は登山用具の必要条件である。 基本装備品 方位磁針(コンパス) ヘルメット : 落石あるいは滑落したときに頭を守る。JISマーク製品などの規格品が望ましい 防寒具(必携) : フリースジャケットやダウンジャケットなどの防寒着(夏でも北アルプスや富士山などの夜間には氷点下になる)や懐炉。遭難時の対策にエマージェンシーブランケットも有用。 雨具(必携): レインウェア(雨合羽)。防寒具も兼ねる。山は風が強く基本的に傘は使えない。 靴 : 数百m程度の低山に登るのならスニーカーでも足りる。中程度以上の山では底材がしっかりしていて様々な工夫がこらしてある登山靴が望ましい。 手袋 : 怪我防止と防寒。夏山では基本的には軍手で足りる。登山用の機能的でおしゃれなものもありはする。冬季は下記参照。 地形図(必携) : 登山の行程ごとの時間や交通機関の問い合わせ等の登山に必要な情報を書き込んだ登山地図がある。国土地理院発行の地図も使える。登山ガイドブックなどに付属することもある。現代ではスマートフォンのアプリやグローバル・ポジショニング・システム(GPS)受信機で代替する場合もあるが、電池の消耗には注意が必要である。 光源(必携) : 基本は懐中電灯。最近はLEDのもの。山は日暮れが早く、日が暮れると街とは異なり基本的に明かりがなくなる。懐中電灯などを持っていないと遭難を招く。行動時は両手が自由になることからヘッドランプが好まれ、野営時にはランタンが好まれる。 携行食(必携) : チョコレート、飴玉、おにぎり 、一口ようかん等。 非常食(必携):上記の行動食とは別に、体を温めるための粉末スープやフリーズドライ食品を少量携行することが勧められる。 飲料(必携) : 基本は水。水筒やペットボトルに入れたもの。 マルチツールナイフ(必携) : (ここは基本を説明する節なので通常の登山について説明するが)通常の登山であれば大型のナイフではなく、マルチツールナイフが推奨される。調理を行う予定がない場合でも携行食の開封やその他装備品のトラブルなどが発生した場合の修理に使える事がある。 時計(必携) : 腕時計や携帯電話の時計など。時刻・時間が判らないと、様々な判断が困難になり、遭難の可能性が高まる。 ツェルト : 必携ではなく、持たない人のほうが多いが、テントを持参した場合はビバークに使え、もしもの時に命を救うことがある エスビット等の小型固形燃料ストーブ : 必携ではないが、万が一の遭難時やビバークを行う際に調理や暖房として利用が可能なため持ち込むユーザーも多い。 熊鈴 : 登山中に熊による事故も起きている。熊よけスプレーもあるとよい 使い捨てカイロ : 3000m以上の高地は夏でも冬である。低体温症を防ぐためにカイロは必須である 衛星電話 : 遭難するような奥地はスマホの電波が届かないことも多いが衛星電話ならどこでも救助を呼べる。 テント泊の場合 基本装備に比べ、宿泊および食事に必要な道具と消耗品が増える。 テント一式、寝袋(シュラフ)。山用マットレス。 食事の道具。「ストーブ」と呼ばれるきわめて小型の登山用焜炉。コッヘル、カトラリー類(スプーン・フォーク・箸など) 食料。調理しやすく、比較的軽く、しかも体力の回復に役立つものが中心になる。缶詰、インスタント食品、レトルト食品、フリーズドライ食品、アルファ化米など調理が簡便な物も多用される。 岩登り クライミングロープ(ザイル)、カラビナ、カムディバイス、スリング、シューズ、ハーケン、ハンマー、確保器、ザイル用中型ナイフ(登山ナイフ) 冬季 防寒着や手袋などは冬季専用の充分な保温性能のものを用いる。手先や足先の防寒が足りないと凍傷を起こし指を失ってしまうことがある。 アイゼン、ピッケル、ワカン、スノーシュー、スキー、ストック (トレッキング)
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