神の王国
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神の王国(かみのおうこく、ギリシア語: βασιλεία τοῦ Θεοῦ[2], 英語: kingdom of God[3])または神の国、神の帝国[4][5](英語: empire of God[6][7])は、ユダヤ教とキリスト教での唯一神が支配する王国・天国[8]。「旧約聖書,新約聖書,教会史を通じてのキリスト教の根本的信仰」とされている[9]。日本語の『口語訳聖書』や『新共同訳聖書』では「神の国」と訳されている。岩波書店発行の佐藤研らが日本語訳した『新約聖書』では神の王国と訳されている[10]。学術論文では「神の帝国」とも表記されている[4][5](英語では"empire of God"[6][7], "God's Empire"[11])。
注釈
- ^ 他にアポクリファの『エズラ記』(ラテン語)2章37節の1か所に現れる(『新共同訳聖書 旧約聖書続編つき』)。
- ^ 文語訳『マタイ傳福音書』(『舊新約聖書』)では「てんこく」と振り仮名を付けている。
- ^ 他の日本語訳聖書の訳語については「マタイ福音書の比較」を参照。
- ^ ここ13節の「あなた」は、直前の10節「主よ、あなたの…」(『詩篇』145:10〈『口語訳聖書』〉)とある部分の続きで「主」すなわち神ヤハウェを指す(参照:関根正雄訳『詩篇』岩波文庫、351頁、「ヤㇵウェよ、あなたの…」。Interlinear Bible Psalm 145 "יְ֭הוָה / Yah·weh / O LORD")。
- ^ 『新共同訳聖書』では「洗礼」に限り亀甲括弧に入れて「〔バプテスマ〕」と振り仮名を付けている。『口語訳聖書』では訳語として「洗礼」を採用せず「バプテスマ」と訳している。参照:鈴木範久『聖書の日本語 翻訳の歴史』岩波書店、2006年、174頁。
- ^ 『ヨハネによる福音書』では洗礼者ヨハネがイエスの事を指して「わたしよりもすぐれたかた」(『口語訳聖書』1:30)と言ったと明示的に書いてある。
- ^ 『きたるべきかた』とは「終末に出現するはずの預言者(ないし預言者的メシア)」(橋本磁男「マタイによる福音書」『新共同訳 新約聖書注解 1』84頁上段)。
出典
- ^ 『新共同訳聖書』日本聖書協会、1987年。
- ^ Interlinear Bible Mark 1:15
- ^ Authorized (King James) Version Mark 1:15.
- ^ a b 直江 2004, p. 239(473).
- ^ a b 川上 2006, pp. 140–141.
- ^ a b Sugirtharajah 2005, p. 132.
- ^ a b Shoemaker 2014, p. 529.
- ^ https://kotobank.jp/word/%E7%A5%9E%E3%81%AE%E5%9B%BD-46714#E7.B2.BE.E9.81.B8.E7.89.88.20.E6.97.A5.E6.9C.AC.E5.9B.BD.E8.AA.9E.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E5.85.B8
- ^ https://kotobank.jp/word/%E7%A5%9E%E3%81%AE%E5%9B%BD-46714#E3.83.96.E3.83.AA.E3.82.BF.E3.83.8B.E3.82.AB.E5.9B.BD.E9.9A.9B.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E4.BA.8B.E5.85.B8.20.E5.B0.8F.E9.A0.85.E7.9B.AE.E4.BA.8B.E5.85.B8
- ^ a b c d 佐藤研 『新約聖書 I』岩波書店、1995年、補注2-3頁。ISBN 4000039261。
- ^ Carey 2011, p. 6.
- ^ a b 小河陽「天の国」『岩波キリスト教辞典』785頁。
- ^ ペトロ・ネメシェギ「天国」(【聖書における 「天」】〔新約聖書〕)『新カトリック大事典 3』1191頁。
- ^ Interlinear Bible Matthew 4:17
- ^ ペトロ・ネメシェギ「天国」『新カトリック大事典 3』1191頁。
- ^ 『マタイによる福音書』6:33, 12:28, 19:24, 21:31, 21:43.
- ^ 「天の国」『新共同訳 聖書辞典』346頁。
- ^ 『マルコによる福音書』1:15(『口語訳聖書』)
- ^ 『マタイによる福音書』4:17(『口語訳聖書』)
- ^ 聖句検索 新日本聖書刊行会。
- ^ 岩波書店版の訳(参照:佐藤研『新約聖書 1』補注2-3頁)
- ^ Luther Bibel (1545) Matthaeus 4:17
- ^ W. G. キュンメル『新約聖書神学』山内真 訳、49頁。
- ^ Authorized (King James) Version Matthew 4:17.
- ^ 『バルク書』3:24(『新共同訳聖書 旧約聖書続編つき』)
- ^ a b 佐藤研「神の国」『岩波キリスト教辞典』231頁。
- ^ 『口語訳聖書』
- ^ George Eldon Ladd, The Presence of the Future: The Eschatology of Biblical Realism, Eerdmans (Grand Rapids: 1974), 130.
- ^ George Eldon Ladd, The Presence of the Future: The Eschatology of Biblical Realism, Eerdmans (Grand Rapids: 1974), 131.
- ^ Encyclopedia of Theology: A Concise Sacramentum Mundi by Karl Rahner (2004) ISBN 0860120066 p. 1351
- ^ 『マタイによる福音書』3:2(『新共同訳聖書』)
- ^ 『マタイによる福音書』3章(『新共同訳聖書』)
- ^ 佐藤研「イエス」『岩波キリスト教辞典』66-67頁。
- ^ 『マタイによる福音書』4:17(『新共同訳聖書』)
- ^ 「…洗礼者と呼ばれたヨアンネス…」(18:116)、「…彼のこの大きな影響力…」(18:118)(フラウィウス・ヨセフス『ユダヤ古代誌』6、ちくま学芸文庫、50-51頁、第18巻116-119節)。
- ^ 『マタイによる福音書』3:11(『口語訳聖書』)
- ^ 『マタイによる福音書』3:14(『新共同訳聖書』)
- ^ 『マタイによる福音書』11:3(『口語訳聖書』)
- ^ W. G. キュンメル『新約聖書神学』山内真 訳、43頁。
- ^ 参照:『マタイによる福音書』11:6(『新共同訳聖書』)
- ^ 橋本磁男「マタイによる福音書」『新共同訳 新約聖書注解 1』84頁下段。
- ^ 『マタイによる福音書』11:9(『新共同訳聖書』)
- ^ a b 『マタイによる福音書』11:11(『新共同訳聖書』)
- ^ "まことに、あなたがたに告げます。女から生まれた者の中で、バプテスマのヨハネよりすぐれた人は出ませんでした。しかも、天の御国の一番小さい者でも、彼より偉大です。 「すぐれている」とか、「偉大である」というのは、メシヤをさらに深く知っているという意味で使われています。ヨハネはメシヤに直にお会いしました。けれども、彼の説教は、神のさばきが下るから悔い改めなさい、というものでした。罪を犯す人間に、神がどれほど愛されているかをヨハネは知らなかったのです。なぜなら、彼は、イエスの十字架を見ていなかったからです。今、私たちはイエスの十字架を見て、神の愛がどれほど大きいものか知っています。それゆえ、私たちはヨハネよりも偉大な者なのです。" http://www.logos-ministries.org/new_b/mt11.html#:~:text=%E3%81%BE%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%AB%E3%80%81%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%9F%E3%81%8C%E3%81%9F%E3%81%AB%E5%91%8A,%E3%81%AA%E8%80%85%E3%81%AA%E3%81%AE%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82
- ^ 『マタイによる福音書』11:12(『新共同訳聖書』)
- ^ a b c d e 橋本磁男「マタイによる福音書」『新共同訳 新約聖書注解 1』85頁上段。
- ^ 渋谷治「「神の国」と「天の国」と「天国」との比較」『カトリック神学』1968年6月、上智大学神学会、84頁。
- ^ 参照:橋本磁男「マタイによる福音書」『新共同訳 新約聖書注解 1』85頁上段。
- ^ 『マタイによる福音書』7:19(『新共同訳聖書』)
- ^ 参照:『マタイによる福音書』3:10(『新共同訳聖書』)
- ^ J.H. チャールズワース『これだけは知っておきたい史的イエス』230-231頁。
- ^ 参照:橋本磁男「マタイによる福音書」『新共同訳 新約聖書注解 1』43頁上段、66頁下段。
- ^ a b 『マタイによる福音書』5章(『口語訳聖書』)
- ^ 『マタイによる福音書』6:10(『口語訳聖書』)
- ^ 『マタイによる福音書』6:9(『口語訳聖書』)
- ^ 『新共同訳聖書』の小見出し。
- ^ 参照:川中子義勝、國府田武「千年王国」『岩波キリスト教辞典』691-692頁。
神の王国
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「神の王国」および「ハルマゲドン」も参照 神の王国は、イエス・キリストの宣教における中心的な概念で、『新約聖書』所収の4つの『福音書』に合計50回以上現れる用語である。エホバの証人のいう神の王国は主に千年王国説(至福千年説)に依っている。千年王国説は、旧約聖書の終末論に由来し、新約聖書の『ヨハネ黙示録』第20章「千年間の支配」「サタンの敗北」「最後の裁き」がその主な根拠になっている。 エホバの証人は神の王国について次のように説明している。ダニエル4章の預言に基づく年代計算から、神の王国は1914年に、天でイエス・キリストを王として設立されたことが分かる 。そのキリストの再臨は「しるし」であり目には見えないが、予告された社会現象により識別できる(マタイによる福音書24章3節から25章46節およびルカによる福音書21章5節から36節参照)。新しい社会を実現する政府である。ハルマゲドン後、地上は千年の時を経てかつて創世記に記述されているような楽園に回復される。楽園を回復する作業を行うのは、ハルマゲドンを生き残った者と復活させられた者たちである。
※この「神の王国」の解説は、「エホバの証人」の解説の一部です。
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