神経の機能とは? わかりやすく解説

神経の機能

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 00:54 UTC 版)

自律神経系」の記事における「神経の機能」の解説

随意神経系である体神経系対照して不随意である「自律神経系」は循環呼吸消化発汗体温調節内分泌機能生殖機能、および代謝のような不随意機能制御する自律神経系ホルモンによる調節機構である内分泌系協調しながら、種々の生理的パラメータ調節しホメオスタシスの維持貢献している。近年では、自律神経系内分泌系免疫系加えホメオスタシスの三角形」として扱われることもあり、古典的な生理学神経学としての自律神経のみならず学際領域のひとつである神経免疫学精神神経免疫学における研究なされている。 交感神経副交感神経2つ神経系からなり双方がひとつの臓器支配することも多く二重支配)、またひとつの臓器に及ぼす両者作用一般に拮抗的に働く(相反支配)。交感神経系機能は、闘争逃走か(fight or flight)と総称されるような、身体的活動侵害刺激恐怖といった広義ストレスの多い状況において重要となる。 以下に運動時の生体反応を例にして、交感神経系機能述べる。 交感神経系亢進により血管収縮し心拍数増加する。この結果血圧上昇し末梢組織還流量が増加するこのような作用結果消化管皮膚への血液量が減少するが、一方で骨格筋への血液供給量が増加する。これは骨格筋運動に伴う局所因子影響加えて、筋血管では血管拡張関与するβ受容体豊富なことも一因である。気管支平滑筋弛緩するがこれは気管径の増加もたらし結果として一回換気量増加つまりガス交換効率向上させることとなる。 一方代謝系視点を移す。 運動時には骨格筋において多量エネルギー基質グルコース)を消費するため血糖維持が重要である。なかでも肝臓からのグルコース放出は重要である。交感神経肝臓でのグリコーゲン分解脂肪組織での脂肪分解促し血液中に必要なエネルギー与える。加えて交感神経骨格筋グルコース取り込み直接的に促進することも報告されている。交感神経内分泌器官にも作用し副腎髄質ホルモン分泌グルカゴン分泌刺激しやはり末梢組織へのエネルギー供給促進的作用する結果として骨格筋中心とした組織において豊富な酸素グルコース供給される一方で皮膚消化管へは供給乏しくなるこのように自律神経系は各臓器機能統合的調節することで、結果として個体内部環境合目的にする。 心機亢進気管支の拡張、肝グリコーゲン分解脂肪分解等が交感神経系支配下にある一方で、主に安静時に重要となる消化管機能消化管運動消化液分泌)、排尿機能亢進副交感神経系コントロール下にある。心拍数減少させ、血圧下げて皮膚胃腸への血液戻し瞳孔細気管支収縮させて、唾液腺分泌刺激して蠕動加速する副交感神経系代謝においては同化傾向に働く。 交感神経系、及び副交感神経系個々臓器器官に及ぼす効果についてそれぞれの項目を参照されたい。

※この「神経の機能」の解説は、「自律神経系」の解説の一部です。
「神経の機能」を含む「自律神経系」の記事については、「自律神経系」の概要を参照ください。

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