精神的な負担
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 15:18 UTC 版)
身体的な労働の側面も強いセックスワークであるが、実際は感情労働としての側面も大きいことが指摘されている。特に、対面式のセックスワーカーには、肉体的な快感だけでなく、精神的な安堵を求める客も多い。性そのものがスティグマ化されている社会で、顧客にとってセックスワーカーが唯一解放的になれる相手である場合もある。しかし、そのような感情労働の従事者は、相手の強い感情に常に面しながらも、自身の感情をコントロールする必要性があり、そのことによる精神的な負担は大きいとされている。 しかし、セックスワーカーの被る精神的負担の多くは、職業的なものでなく、スティグマによる社会的なものである。セックスワーカーは抑圧された性の解放の場を提供する事で、強く求められる一方、同時に社会的に非難、卑下されるという二重規範に晒されている。根強いスティグマによって引き起こされる客や第三者による誹謗中傷や、継続的な社会における差別や偏見は、メンタルヘルスに悪影響を及ぼし、自尊心の低下を起こすことがある。また、自身の職業を家族や友人から隠す場合も多く、精神的負担に対して適切な支援を受けれない場合がある。自身の職業を隠す事や、身バレの恐れ自体が大きなストレスである場合も多い。スティグマから自身を守るため、セックスワーカーの人格を本来の自分とは別に認識するなどの対処を取っている場合もある。また、安全な労働環境が保障されている地域は少なく、多くのセックスワーカーが暴力や嫌がらせにあった事があると報告しており、そのような日常的な自衛意識も多大な精神労働となる。 このようなスティグマによる精神的な負担は、本質的なセックスワークの特徴ではない為、スティグマの解消などで緩和する事ができるとされている。
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