細菌の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/31 02:47 UTC 版)
さまざまな細菌で、細胞間に接触を生じて互いの遺伝子の一部をやり取りする現象が知られており、これを細菌の接合(bacterial conjugation)という。細菌の接合は、多剤耐性細菌の出現を説明する上で極めて重要な現象である。 細菌の接合で伝達されるのはプラスミドであり、プラスミドDNAには薬剤耐性遺伝子がコードされていることがある。このようなプラスミドが接合により薬剤耐性のある個体(供与菌or宿主, donor)から薬剤感受性の個体(受容菌, recipient)に複製されると、受容菌にも新たに当該薬剤の耐性が付与される。 また、難分解性有機化合物(カルバゾールなど)に対する分解能を付与させるプラスミドも存在し、接合によって同様に伝播する。 このように、細菌の接合は遺伝子の水平伝播の大きな要因となっていることが分かっている。
※この「細菌の場合」の解説は、「接合 (生物)」の解説の一部です。
「細菌の場合」を含む「接合 (生物)」の記事については、「接合 (生物)」の概要を参照ください。
- 細菌の場合のページへのリンク