能因本
能因本
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 08:57 UTC 版)
詳細は「能因本」を参照 これも雑纂形態の伝本で通常上下二巻として伝わるが、その章段の順序は同じ雑纂形態の三巻本とはかなり相違し、また内容にも相互に出入りがある。清少納言と姻戚関係にあった能因法師(その姉妹の一人が清少納言の実子橘則長の妻)が所持していた本であるという奥書があることにより、能因本と呼ばれる。 学習院大学蔵本 - もと三条西家蔵で上下二巻の冊子本。室町時代の書写本で筆者は三条西実隆とも、またはその子公条ともいわれる。 野坂元定蔵本 - これも室町期の伝本。下巻のみの零本であるが、ほかの能因本にはない観応元年(1350年)の奥書があり、能因本の存在がこの時期にまでさかのぼることのできるものとして貴重とされる。 古活字本 - 慶長から慶安にかけて出版されたもので4種類あり、冊数は5冊または7冊となっている。ただしその本文は三巻本も用いて改めたり、また版に写す際に誤刻したりしたところが多くあり、本来の能因本の本文から見れば不純なものであるという。
※この「能因本」の解説は、「枕草子」の解説の一部です。
「能因本」を含む「枕草子」の記事については、「枕草子」の概要を参照ください。
- 能因本のページへのリンク