膀胱尿管逆流症とは? わかりやすく解説

膀胱尿管逆流症

1,膀胱尿管逆流症とは
腎臓作られた尿は尿管通って膀胱に貯められますが,尿管膀胱つなぎ目接合部)の異常のため膀胱に貯まった尿が再び尿管さらには腎臓逆戻りする現象膀胱尿管逆流呼びます.人の場合には新生児でも膀胱尿管逆流が見つかれば,これは病的考えられています.
膀胱尿管逆流症

2,膀胱尿管逆流原因
尿管膀胱接合部生まれつき先天的弱く逆流防止する「弁」の働きない場合と,膀胱尿道の異常のため尿管膀胱接合部二次的に弱くなり逆流発生する場合とに分けられています.しかし,この2つ原因がはっきりと分けられない場合珍しくはありません.

3,膀胱尿管逆流症の発見きっかけ
最も多いのは尿路感染症と言って尿の通り道腎臓細菌入り込んで起き症状で,腎臓細菌感染起これば高熱側腹部背部痛が見られます(急性腎盂腎炎).子供小さなときには高熱の他に下痢嘔吐不機嫌といった,一見腎臓とは関係のない症状を伴うこともあります年長児では高熱を出す前に排尿時痛や頻尿といった膀胱炎症状見られることもあります風邪症状がないのに何回高熱繰り返す場合には,尿に異常がないかを小児科の先生相談してみて下さい尿路感染症以外には,排尿自立できる4〜5歳越えて昼間に尿もらしが続いたり,尿回数多かったり,あるいは尿回数異常に少ないといった排尿異常の子供にも,検査をすれば逆流症が見つかることがありますまた,学校検尿蛋白尿指摘され精査加えるとすでに進行した腎障害を伴う逆流症が発見されることもあります
最近では妊娠中に産科行われる超音波検査や,新生児・乳児対す超音波検査腎臓腫れ水腎症)が見つけられその後検査で本疾患診断つけられることも珍しくなくなりました

4,膀胱尿管逆流症の治療
どのような治療をいつ行うかについては,子供年齢と性別男女),逆流程度腎臓の傷の有無尿路感染症頻度程度などを総合的に考えて判断することになります専門先生相談されることをお勧めします.
治療尿路感染予防のため少量抗生物質あるいは抗菌薬継続的に服用する方法と,逆流そのもの手術止める方法とに分かれます手術治療はおなかを切開して行う方法と,内視鏡用い方法とがありますが,内視鏡による手術現在のところ厚生労働省認めていないため保険による治療はできません.

5,膀胱尿管逆流症による長期的な合併症
膀胱尿管逆流のために腎機能低下し腎不全陥ることがあります腎不全生まれた直後からすで始まっていることもありますが,身体成長著しくなる思春期明らかになることがあります.もう1つ合併症高血圧があり,これは日本人には頻度少ないのですが,やはり思春期前後から明らかになることがありますいずれも腎臓発育両側とも悪かったり,腎臓に傷がついていることが原因考えられており,このような腎臓病変をもつ子供さんでは注意が必要です.


膀胱尿管逆流

(膀胱尿管逆流症 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/10 19:54 UTC 版)

尿管膀胱逆流(にょうかんぼうこうぎゃくりゅう、Vesicoureteral reflux、VUR)は、膀胱内の尿が腎盂、腎実質に逆流する状態である[1]


  1. ^ a b c d e f 病気がみえる 〈vol.8〉 腎・泌尿器 メディックメディア社発行 ISBN 978-4896324143
  2. ^ a b c d 南山堂医学大辞典 第12版 ISBN 978-4525010294
  3. ^ 病気がみえる 〈vol.8〉 腎・泌尿器 メディックメディア社発行 P48 ISBN 978-4896324143


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