複製品とは? わかりやすく解説

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レプリカ

(複製品 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/15 02:36 UTC 版)

韓国博物館に展示されている七支刀のレプリカ
サイエンス・ミュージアムに展示されている階差機関2号のレプリカ

レプリカ英語: Replicaフランス語: Réplique)とは複製品のこと。 本来は「オリジナルの製作者自身によって作られたコピー複製品)」を指していたが、現在では製作者が同じかどうかは問わないことが多い。オリジナルの製作者が公式に安価に大量生産した物はレプリカではなく「マルティプル」(マルチプル ,multiples)とさらに区別する場合がある[1]

ローマ帝国では、ハドリアヌス帝の時代には職業的な複製業が成立し、ギリシア時代のほとんどの作品のレプリカが作られた[2]。原作が失われてしまった場合は、レプリカが学術的・芸術的に重要な価値を持つ[3]

概要

レプリカは、彫刻金属製品の場合には、シリコーン樹脂を用いて細部の凹凸に至るまで正確にを取り、原資料に忠実な彩色を施して製作される。古文書絵画資料の場合は、連続階調で精緻な複製が可能なコロタイプなどの印刷が用いられるほか、絵画などでは模写も行われる。レプリカで再現する資料の状態は使用目的によって異なり、後補の汚れや彩色、破損や欠損状態なども忠実に再現されることもあるが、場合によっては、それらを補って製作当初の姿が再現されることもある。

用途

博物館における展示

レプリカは、しばしば博物館の展示用などの歴史学的な目的のために製作される。時には、オリジナルが存在しない場合もある。一例をあげると、19世紀バベッジによって設計された階差機関2号は実機が製作されなかったが、1980年代に計算機史研究者のアラン・ジョージ・ブロムリー英語版によって設計図を元に復元され、現在はロンドンサイエンス・ミュージアムで展示されている。

博物館展示においては、文化財などの展示物は、温度湿度照明空気質振動など資料に与える影響を考慮し展示環境を整え、木製品や金属製品などは合成樹脂などを用いた保存処理を施した上で展示が行われるが、資料の遺存状態が悪く、博物館施設への移動が状態に悪影響を及ぼす懸念がある場合や、博物館施設への借用が困難な場合などには、レプリカを製作して代用展示を行う。

研究用

化石レプリカ

古生物を研究する場合、標本化石)は貴重なため、レプリカを作成してから研究することがある。採集が困難な場合も、レプリカを作成すれば、持ち帰って詳しく調べることができる。

コレクション用

現代では商品として生産されるレプリカも人気がある。上述のような美術品・工芸品や、プロサッカープロ野球などプロフェッショナルスポーツ選手のレプリカユニフォーム映画小道具を模したプロップレプリカなどである。 前述の通り公式でも安価に大量複製される作品は『マルチプル』とされ、レプリカとは区別される。明和電機は一般販売される美術品をマルチプルと呼んでいる[4]

ブレーキ無しの固定ギアバイクに乗るサイクリスト

レース仕様のバイクの要素を公道仕様に落とし込んだレーサーレプリカバイク、戦闘機の外観を模したレプリカ機、競輪仕様のバイクを公道仕様にしたトラックレーサーレプリカなどは、公道を走行するうえで、法規制の関係で保安部品の取り付けが必須となり、欠けている場合は“違法改造”扱いになることや、コストの関係で仕様を変えることもあり、全てが本物と同じであるとは限らない。第二次世界大戦中の戦闘機の縮小レプリカを専門とするウォー・エアクラフト・レプリカズ・インターナショナルのような愛好家向けの会社も存在する。

美術ヒストリック・カーの分野では、レプリカはオリジナルではない再製作品(リプロダクション)をさす。この場合には、レプリカであることが明らかにされていないこともある。

一方で公式にライセンス生産されたレプリカは、実物と全く同じ工程で生産された本物に忠実なものもある(スポーツユニフォームの場合の違いは背番号や登録名の有無のみ)。スポーツ選手が着用しているものと同等品である場合、一般的なレプリカと区別するためオーセンティックまたはプロコレクションと呼ばれる[5][6]

違法行為

一方で、レプリカは違法な偽造、模倣をさして用いられることも多い。特に紙幣や硬貨の偽造について使われるが、ブランド物の衣類、高級バッグアクセサリー、そして、高級腕時計といった商品の模倣に対しても使われる。これらは、海賊版偽ブランド品などと呼ばれて然るべきである。

脚注

  1. ^ 現代美術用語辞典1.0
  2. ^ 複製 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 コトバンク
  3. ^ 複製 日本大百科全書 コトバンク
  4. ^ GM魚器販売のお知らせ
  5. ^ 春川正明 (2009年3月1日). “JAPAN”. 読売テレビ解説委員室. 讀賣テレビ放送. 2015年5月20日閲覧。
  6. ^ ビバ (2012年4月6日). “祝!プロ野球開幕。阪神タイガースグッズを探しに野球用品売り場に潜入”. ミズノ発見隊. ミズノ. 2015年5月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年5月20日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク


複製品

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/06 14:45 UTC 版)

黄金の角」の記事における「複製品」の解説

2007年9月17日午前4時30分、銀に金めっき施した複製品が展示されていた王立イェリン博物館から盗まれたが、2007年9月19日2号複製回収された。また、1993年にはモースゴー先史博物館 (en:Moesgaard_Museum) に収蔵されていた別の複製品(真鍮金めっき施したもの)が盗まれたが、こちらは間もなくハセルエーヤ(Hasselager)近く水路遺棄されているのが発見された。

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複製品

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/08 14:21 UTC 版)

セカンドソース」の記事における「複製品」の解説

同一仕様他社製品を指すが、オリジナル製品の開発製造会社側と正式な契約結ばず無断作られコピーというニュアンスが強い。

※この「複製品」の解説は、「セカンドソース」の解説の一部です。
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複製品

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/13 06:41 UTC 版)

A-2フライトジャケット」の記事における「複製品」の解説

家内産業第二次大戦中A-2ジャケット需要満たすべく登場したように、現在もそういったメーカー未だに存在するA-2はそのスタイルから全く逸脱しなかったため、生産は終わる事は全く無かった長期渡り、それは原型である戦時デザイン比較してスタイル正確さにおいて異なっていた。しかし、その外観1950年代から1960年代の、著名な映画とテレビ番組のままだった。1970年代中期いくつかの小さな会社では、オリジナル主義者満足するような、可能な限り原型の、戦時A-2に近づいた、非常に本物らしい複製品をデザインして製作する事を開始した戦時型複製にあたり、しばしばオリジナル解剖から「リバース・エンジニアリング」を通じて知識得て正しく選ばれた革、全て綿糸本物第二次大戦時在庫である古いタロンジッパーを使用し、彼らは価値あるオリジナル痛める危険性なしに、毎日着られる戦時ジャケット効果的に再現したいくつかの生産会社は、特定の第二次大戦A-2生産縮小されると、細部詳細さのためならば遠方でも訪ねたこのような詳細さ対す対価安くはなく、これらのジャケット800ドル上の価値があるこうした高品質製品製造会社には以下のようなのであるEastman Leather ClothingデボンイギリスAero Leather ClothingスコットランドBuzz Rickson's (東京日本) The Real McCoy's (日本Good Wear Leather Coat Companyシアトルワシントンアメリカ再現されA-2日本において最も人気があり、再現されアメリカ物のビンテージ衣類コレクター市場存在する。それらの多く限定版であり、西側諸国受け入れられず、価格は最高で他国でのハイエンドな複製品の二倍はする。吊りあげられ値段限定品有効性日本コレクターにはプレステージ性を増幅させている。 通常の値段つけられた(約200ドル以下)A-2ジャケットは、今日ではただ本物スタイルに近いというだけのもので、下にゆったりした服を着用することを意図しオーバーサイズ肩幅と袖をつけ、機能のない袖口とペンポケット、そして羊革のように柔らかい素材使われている。今日アメリカ空軍契約している、クーパー社のような製造会社作るA-2は、より若者向けにウエストシェイプにカッティングされた型紙使用し一部の元操縦士たちは、もはや旧来のA-2が彼らの体型合わないことを発見したギブソン&バーンズ社は、戦時オリジナルよりも、気前良く大きさ設定するという誠実な正確でないものの)複製品で知られるL・L・ビーン市場では、一種ジャケットを「フライング・タイガー・ジャケット」と呼んでいるが、これはA-2原型デザイン近似させたもので、しかしサイズはもっと太った体型男性合わせており、同じく痩せた男性にも合わせられる。これらのジャケットは、クーパー社や、他の普通の大きさA-2が、サイズ合わずつけられない人々重宝している。もしクーパーA社のA-2が、あまりに肩幅大きくあまりにウエストきつければ、フライング・タイガージャケットはよく合うかもしれない。これはヤギ革でできており、裏身頃にはアセテートレーヨンサテン織布地が使用されている。 これは編んだ袖口腰帯びがつけられ防風用に革の比翼ジッパー部分隠している。パッチポケットの上部にスナップボタンのフラップついている。更に、手の温められるポケット追加されている。またフリース裏身頃の、断熱されたバージョンレーヨン裏身頃のものと同様に)も購入できる。これらのジャケットヤギ革で作られ耐水性有するアヴィレックスA-2ジャケット復刻版製造するため1975年設立された。ニール・クーパーUSA近年オハイオ拠点を置くU.Sウイングス買収された)は、第二次大戦時にあったクーパー・スポーツウェアー社と同じ会社ではない。ただ、ニール・クーパーの祖父初期会社率いていた。また二つ会社それぞれ当時アメリカ軍A-2ジャケット供給するという契約結んでいた。 1990年代活動していたウィリス&ガイガー・アウトフィッターズは現在消滅しているが、オリジナルの1930-31 A-2供給したという売り文句クレームがついた。これは陸軍航空隊軍とこの会社契約結ばれた事実発見できず、またこの会社オリジナルA-2持ってなかったことによる。ただしウィリス&ガイガー社は、第二次世界大戦当時海軍かなりの量の飛行ジャケット供給している。 初心者コレクターは、第二次世界大戦時オリジナルA-2供給したというような、企業歪めて宣伝するジャケット買わないよう、情報注意する必要があるいくつかのハイエンドな複製品は驚くほど出来がよく、人工加えられ若干経年劣化、または時代を示す標章などに対しコレクター自分潜在的に買っているものを確かめるように注意しなければならない

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