視覚系
視覚系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/06 04:31 UTC 版)
視覚系での受容野は、視空間における空間である。たとえば、ある光受容器の受容野は、その細胞の応答を変化する光の全ての視方向からなり、これは円錐形の空間となる。この円錐の頂点はレンズの中心であり、底面は視空間のなかで無限大の面積を持つ。伝統的に、視覚系の受容野は2次元(例えば円形、正方形、四角形など)で表現される。このような受容野は、刺激が細胞を活性化する提示位置のなかで、研究者が刺激を提示したスクリーン上に沿った断面である。視覚野の両眼性ニューロンでは、受容野は無限遠にまでは広がらない。受容野は、観察者からある距離だけ離れた位置にあるか、固視点からある距離だけ離れた位置にある(パナムの融合域を参考)。 受容野を、光がニューロンの応答を変化できる網膜上の領域として表すことも多い。網膜神経節細胞では、網膜のこのような領域は、片方の目の光受容体すなわち錐体と桿体から構成され、これらは双極細胞、水平細胞、アマクリン細胞を経て神経節細胞へ接続する。視覚皮質の両眼性細胞では、双方の目で対応する領域を決定することが必要である。単眼での受容野は、片方の目を閉じて網膜ごとに特定することはできるが、そのニューロンの完全な応答特性は両方の目を開いたときにのみ明らかになる。 ヒューベルとウィーセルは、視覚系のある階層におけるニューロンの受容野は、それよりも下位の階層におけるニューロンからの入力により構成されるという理論を発展させた。このように、小さくて単純な受容野が組み合わさることによって、大きくて複雑な受容野が構成される。後の理論家は、視覚系のある階層におけるニューロンが、それよりも高次の階層のニューロンからフィードバック入力を受けることを取り入れて、こうした単純な階層構造をより発展させた。 受容野は、光受容器から網膜神経節細胞、外側膝状体ニューロン、一次視覚野ニューロン、外線条野ニューロンと、視覚系のあらゆる階層のニューロンについてマッピングされてきた。
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