都市から田舎へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/03 12:04 UTC 版)
ヨーロッパ(なかでもフランスなどでは)昔から、夏季の長期休暇(バカンス)で、都市住民は田舎で暮らすということが定着している。 日本でもようやく1980年代後半頃から、価値観の多様化が急速に進展し、それまで否定的な面ばかりが強調されていた田舎暮らしの良さを見直す人々が現れた。それが具現化したのは、日本で1990年代後半頃から顕著となったグリーンツーリズムの動きである。これは、田舎の生活を「一時的に体験」する旅行を指しており、都会に流れた人口を、「移住」という形ではなく、観光という形で一時的に田舎へ呼び返そうという試みである。このような交流によって、変化に乏しく閉鎖的な田舎へ刺激を与えようという意図も含まれている。都市住民においても、多忙な都市生活から抜け出して、田舎を指向する傾向が強まってきており、十分に需要が存在している。 ヨーロッパでは昔から都市住民が夏季に長期休暇(バカンス)を取得し、田舎で暮らすという生活様式が定着しているわけで、日本のグリーン・ツーリズムは、こうしたヨーロッパの生活様式をおくればせながら導入しようという動きである。 日本では1980年代頃より、都市から田舎へ回帰するUターン現象が現れた。 また、都市部で生活している人々が、自分の出身地とは別の田舎に移り暮らそうという動き(「Iターン現象」)も現れた。例えば、定年退職する人で、田舎を永住地とするつもりで本格的に農業を営みつつ暮らす人や、30~50代のうちに田舎で林業の仕事を始めつつ暮らす人、漁師の仕事を始める人、農業を始める人などがいる。近年では、人口減に悩む地方自治体が、全国のIターン希望者を視野に入れつつ、都市部での生活では受けられない様々な好条件(新築で現代的な鉄筋コンクリートの町営住宅などの格安提供や数年間の無料提供、医療の無償提供、学校・教育費などの無料化、子育て支援費など)を付加価値として提示しつつ、そのような生活を希望する人を募集することが行われるようになっており、成果が出ている市町村も多い。 「田舎暮らし」も参照
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