じょうぞう‐しゅ〔ヂヤウザウ‐〕【醸造酒】
醸造酒
醸造酒(じょうぞうしゅ)
原料をアルコール発酵させて、そのまま、あるいはこれをろ過などで精製したものを飲用に供する酒。蒸留酒に対する酒類分類名。醸造酒は発酵法によって、(1)並行複発酵酒(清酒など)、(2)単発酵酒(ワインなど)、(3)単行複発酵酒(ビールなど)に分類される。(1)は東洋に独特なものであり、わが国の伝統的な醸造酒である清酒や中国の紹興酒(しゃおしんちゅう)などはこの発酵型式をとっている。この発酵法の利点は発酵容器が一つですみ、かつ糖化とアルコール発酵が並行して進行するために原料の仕込濃度を非常に高くすることができ、その結果、発酵醪(もろみ)の最終的なアルコール度数も高くなる。一方(2)や(3)の発酵型式は、西洋の醸造法に採られており、この場合、原料の仕込濃度に限界がある。最終アルコール度数も12度以下の酒となり、(1)の清酒の原酒のようにアルコール度数が20度にも達するようなことはない。東洋と西洋とではこれら発酵型式が異なるほかに、デンプン質原料から酒をつくる場合の糖化剤として、東洋では麹(こうじ)を使うのに対して西洋では麦芽が使われ、酒文化の世界においては東洋の「カビ文化圏」に対して西洋は「麦芽文化圏」と呼ばれている。醸造酒は一般にアルコール分、エキス分ともに比較的低く、舌感的に柔らかい感じの酒が多い。低アルコールの酒として、ビールが4度程度であり、中くらいのワインが12度以下、醸造酒としては最もアルコール度数の高い清酒が16度以下である。蒸留酒に比べてその歴史は古く、有史以前から人間とのかかわりを持つ酒が多い。
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