関数形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/12 10:00 UTC 版)
「モース長距離ポテンシャル」の記事における「関数形」の解説
一般的なモース長距離ポテンシャルは次のような関数形を持つ。 V ( r ) = D e ( 1 − u ( r ) u ( r e ) e − β ( r ) y p e q ( r ) ) 2 − D e + V l i m {\displaystyle V(r)={\mathfrak {D}}_{e}\left(1-{\frac {u(r)}{u(r_{e})}}e^{-\beta (r)y_{p}^{\rm {eq}}(r)}\right)^{2}-{\mathfrak {D}}_{e}+V_{\rm {lim}}} ここで D e {\displaystyle {\mathfrak {D}}_{e}} はポテンシャルの深さ、 V l i m {\displaystyle V_{\rm {lim}}} はポテンシャルの漸近値を意味する。指数の y p e q ( r ) {\displaystyle y_{p}^{\rm {eq}}(r)} は以下のように定義され、長距離の極限で y p e q ( r ) → 1 {\displaystyle y_{p}^{\rm {eq}}(r)\rightarrow 1} となる。 y p e q ( r ) = r p − r e q p r p + r e q p {\displaystyle y_{p}^{\rm {eq}}(r)={\frac {r^{p}-r_{\rm {eq}}^{p}}{r^{p}+r_{\rm {eq}}^{p}}}} r e q {\displaystyle r_{\rm {eq}}} は平衡距離である。 β ( r ) {\displaystyle \beta (r)} は y p e q ( r ) {\displaystyle y_{p}^{\rm {eq}}(r)} と同形の関数 y q r e f ( r ) {\displaystyle y_{q}^{\rm {ref}}(r)} によって以下のように級数展開される(指数 p {\displaystyle p} は q {\displaystyle q} に、平衡距離 r e q {\displaystyle r_{\rm {eq}}} は任意に定義された参照距離 r r e f {\displaystyle r_{\rm {ref}}} に置き換えられる)。 β ( r ) = [ 1 − y p r e f ( r ) ] ∑ i = 0 N β β i y q r e f ( r ) i + y p r e f ( r ) β ∞ {\displaystyle \beta (r)=\left[1-y_{p}^{\rm {ref}}(r)\right]\sum _{i=0}^{N_{\beta }}\beta _{i}y_{q}^{\rm {ref}}(r)^{i}+y_{p}^{\rm {ref}}(r)\beta _{\infty }} 長距離の極限では、 y p e q ( r ) → 1 {\displaystyle y_{p}^{\rm {eq}}(r)\rightarrow 1} により lim r → ∞ β ( r ) ≡ β ∞ = ln [ 2 D e u ( r e q ) ] {\displaystyle \lim _{r\rightarrow \infty }\beta (r)\equiv \beta _{\infty }=\ln \left[{\frac {2{\mathfrak {D}}_{e}}{u(r_{\rm {eq}})}}\right]} となる。以上より lim r → ∞ V ( r ) = − u ( r ) + u ( r ) 2 4 D e + V l i m {\displaystyle \lim _{r\rightarrow \infty }V(r)=-u(r)+{\frac {u(r)^{2}}{4{\mathfrak {D}}_{e}}}+V_{\rm {lim}}} であり、 u ( r ) {\displaystyle u(r)} が長距離ポテンシャルのふるまいを支配する。この項は理論的に要請されるポテンシャル形状に従って定義されることになる。
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関数形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/25 06:58 UTC 版)
原子間ポテンシャルは1つの原子位置の関数、もしくは2つ、3つ…の原子位置の組の関数を項とする級数展開で表すことができる。このとき系のポテンシャルの総和 VTOT は以下のように書ける。 V T O T = ∑ i N V 1 ( r → i ) + ∑ i , j N V 2 ( r → i , r → j ) + ∑ i , j , k N V 3 ( r → i , r → j , r → k ) + ⋯ {\displaystyle V_{\mathrm {TOT} }=\sum _{i}^{N}V_{1}({\vec {r}}_{i})+\sum _{i,j}^{N}V_{2}({\vec {r}}_{i},{\vec {r}}_{j})+\sum _{i,j,k}^{N}V_{3}({\vec {r}}_{i},{\vec {r}}_{j},{\vec {r}}_{k})+\cdots } ここで V1 は一体項、V2 は二体項、V3 は三体項を表し、N は系に含まれる原子の数、 r → i {\displaystyle {\vec {r}}_{i}} は i 番目の原子の位置である。指標 i, j, k …の総和はすべての原子(の組)について行う。 対ポテンシャルが原子対ごとに与えられているなら、それに1/2をかけたものが級数展開の二体項となることに注意が必要である。さもなければ一つの対のポテンシャルが2回数えられてしまう。同じように三体項には1/6の係数がかかる。あるいは、ポテンシャルの関数形が指標 i, j, k …の交換に対して対称である場合には、二体項の総和を i < j の場合のみに、三体項の総和を i < j < k の場合のみに限定する方法もある(原子の種類が複数ある場合にはこのような対称性が存在しないこともある)。 一体項は原子が外場(電場など)の中にある場合にのみ意味を持つ。外場がなければ、ポテンシャル V は個々の原子の絶対位置ではなく原子間の相対位置にのみ依存するはずである。それはつまり、ポテンシャルの表式を原子間距離 r i j = | r → i − r → j | {\displaystyle \textstyle r_{ij}=|{\vec {r}}_{i}-{\vec {r}}_{j}|} および結合角(ある原子から隣接する複数の原子に向けて引いたベクトルの間の角度)θijk の関数として書き換えられるということである。よって外力がない場合の一般形は以下のようになる。 V T O T = ∑ i , j N V 2 ( r i j ) + ∑ i , j , k N V 3 ( r i j , r i k , θ i j k ) + ⋯ {\displaystyle V_{\mathrm {TOT} }=\sum _{i,j}^{N}V_{2}(r_{ij})+\sum _{i,j,k}^{N}V_{3}(r_{ij},r_{ik},\theta _{ijk})+\cdots } 3次元空間においてi, j, kの3原子の相対位置を確定するには rij, rjk, θijk の3項のみで十分であるため、上式の三体項 V3 に原子間距離 r j k {\displaystyle \textstyle r_{jk}} は含まれない。3次以上の全ての項は多体ポテンシャルとも呼ばれる。ある種の原子間ポテンシャルでは対アポテンシャルの中に多体相互作用が埋め込まれている(埋め込み原子型ポテンシャルおよび結合次数ポテンシャルについては後に論じる)。 原理的には、これらの数式に含まれる総和は N 個の原子すべてについて取る。しかし、原子間相互作用が及ぶ範囲が有限であるならば(すなわち、あるカットオフ距離 rcut より大きい r に対してポテンシャルが V(r) ≡ 0 なら)、総和はカットオフ距離より近い原子の組だけに限られる。またセル法によって隣接原子を選び出すことで、MDシミュレーションの計算アルゴリズムのオーダーを O(N) にできる。ポテンシャルが無限の範囲ではたらく場合でも、エバルトの方法やその発展型によって総和を効率化することは可能である。
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