2016年 - 2020年:品質の欠如から改善
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「Macintosh」の記事における「2016年 - 2020年:品質の欠如から改善」の解説
第4世代のMacBook Proは、2016年10月に開催されたApple Special Eventで発表されたもので、デザインの薄型化、ヘッドフォンジャックを除くすべてのポートがUSB Type-Cポートに変更され、MacBookに搭載されていたバタフライキーボード、P3広色域ディスプレイ、そしてMacBook Proの一部モデルでファンクションキーとEscキーに代わるタッチスクリーンの有機ELディスプレイ「Touch Bar」が搭載され、使用するアプリケーションに応じて変化・適応するUIが採用された。また、Touch Bar搭載モデルでは、電源ボタンをTouch IDセンサーに置き換えた。Apple T1チップも搭載しており、インテルのCPUを採用したまま、アーキテクチャは刷新され、Touch BarやTouch IDを含むハードウェアを制御しセキュリティを司るbridgeOSが採用されている。発売後の評価は賛否両論だった。また、USB-Cポートは、多くのユーザ、特にMacBook Proのプロフェッショナル層にとって不満の種となっており、USB Type-AやSDメモリーカードを接続するためのアダプタなどを購入する必要があった。 数か月後、MacBookおよびMacBook Proに搭載されているバタフライキーボードが動作しなくなるという報告が多くのユーザから寄せられた。この問題は、キーボードの下に砂や食べかすなどの小さな異物やほこりが入り込み、キーボードが詰まってしまったため、Apple Storeまたは正規サービスセンターに持ち込んで修理してもらうことになった。 2013年のMac Proがアップデートを受けることなく数年が経過した後、マーケティング担当上級副社長のフィリップ・シラーとソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長のクレイグ・フェデリギは2017年に現行のMac Proが期待に応えられていないことを認めた。iMac Proは、WWDC2017でジョン・ターナスによって、 最大18コアのIntel XeonプロセッサとRadeon Pro Vega GPUを搭載して発表された。次世代Mac Proが登場するまでのプロユーザ向けの応急処置という側面もあった。 2018年、Appleはより高速なプロセッサと第3世代のバタフライキーボードを搭載したMacBook Proを更新し、同年に発売されたRetinaディスプレイ搭載のMacBook Airのデザインを一新して、埃や小さな物体の侵入を防ぐシリコンガスケットを追加し、影響を受けたキーボードを無償で修理するプログラムを開始したが、ユーザは引き続きキーボード問題に悩まされていた。 2019年のMacBook ProとMacBook Airの刷新では、いずれもバタフライキーボードが廃止され、Appleが「Magic Keyboard」と呼ぶ、2016年以前のMacBookで採用されていたシザースイッチ機構の改良版に変更された。また、Touch BarとTouch IDがすべてのMacBook Proに標準装備され、Touch ID・電源ボタンが分離されてより右側に移動し、Escキーも物理的になりTouch Barから切り離された。WWDC2019で、ハードウェアエンジニアリング担当副社長のジョン・ターナスが発表した新しいMac Proは、従来の円筒形デザインよりも前のMac Proに近いように見えるが全く新しい設計の筐体デザインで、Apple独自のカスタムデザインのPCI Express拡張スロット「MPX Module」によるアップグレード性が格段に向上しており、AMDグラフィックスカードなどの標準的なPCI Expressも動作する仕様になった。ほとんどの部品がユーザによる交換が可能で、iFixitによる修理可能性の評価は9/10となっている。レビューでは、モジュール化やアップグレード性、静音性などが評価され、前世代のMac Proに不満を持っていたプロの要望にも応えていると評価された。」
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