オリベッティとは? わかりやすく解説

オリベッティ

(Olivetti から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/30 23:49 UTC 版)

Olivetti S.p.A.
本社
本社所在地 イタリア
ピエモンテ州トリノ県イヴレーア
設立 1908年
業種 情報・通信業
事業内容 システムソリューション事業
代表者 Patrizia Grieco (CEO)
主要株主 テレコム・イタリア
外部リンク http://www.olivetti.com/
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Olivetti Buildings in Frankfurt(デザイン:Egon Eiermann
オリベッティ社のマニフェスト

オリベッティOlivetti)は、イタリアピエモンテ州イヴレーアタイプライターの製造・販売会社として創業された会社である。

かつては大型コンピューター開発生産事業を行っていた。現在はテレコム・イタリアに買収されて傘下に入り、主にシステムソリューション事業を運営している。フィアットなどと共にイタリアを代表する歴史的会社である。現在の本社は、ピエモンテ州トリノにある。

概説

タイプライターの製造・販売で成功したオリベッティは、計算機の分野にも進出し、世界初の電動式記録卓上計算機の発売や、大型電子計算機「エレア9003(Elea 9003)」の発表を行なったこともあった。

現在の主な生産品目は、以下の通り(Olivettiの公開しているページを基に記述)。

  • プリンタ(インクジェット型の多機能プリンタ、および写真印刷用プリンタ)
  • ファックス装置
  • 卓上計算機
  • SOHO向けの極小型システム(PCなどを核とした事務処理システムの意か?)
  • 写真複写機、および、レーザープリンタ
  • 業務用専用プリンタ
  • 以下の分野向けの専用装置
    • 銀行業務
    • 小売業
    • 郵便局
    • チケットの移動販売
    • 宝くじ販売店舗
    • サービスオートメーション(人気などの投票,MAAF)

沿革

エットレ・ソットサスのデザインしたポータブルタイプライター『ヴァレンタイン』(1969年)
ミケーレ・デ・ルッキのデザインしたパソコン、Olivetti Echos 44 Color(1994年)
  • 1908年 - カミッロ・オリベッティ英語版により創業される
  • 1933年 - カミッロの長男アドリアーノ・オリベッティ英語版が事業を継承する
  • 1930年 - 最初の海外工場をアルゼンチンに設立した
  • 1930年半ば - 製品輸出先が20数ヶ国に拡大するまで事業が拡大する
  • 1940年代 - 計算機の分野に進出
  • 第二次世界大戦中 - 経営者のアドリアーノ・オリベッティなどがユダヤ人迫害の対象となり、スイスに身を隠す。大戦終了後に再び積極的活動を再開する
  • 1948年 - 世界最初の電動式記録卓上計算機を発売する(ディビィジュマ(Divisumma))
  • 1954年 - コンピュータの開発を始める
  • 1959年 - 大型コンピュータ「エレア9003英語版」を発表
  • 1959年 - アメリカのアンダーウッド・タイプライター英語版を買収する
  • 1960年 - アドリアーノ・オリベッティ死去。コンピュータの開発費、アンダーウッドの経営不振、オリベッティ一族の不和が一度に噴き出し、次第にオリベッティ自体も経営危機に陥る
  • 1964年 - イタリア財界によるオリベッティの救済再建が実施される
  • 1966年 - マリオ・ベリーニにより、ビデオディスプレー端末TCV-250が設計され、現在でもニューヨーク近代美術館デザイン収蔵品として保存されている
  • 1982年 - 最初のオリベッティ製パソコンM20が発表される(ザイログ社製プロセッサZ8000搭載)
  • 1985年 - イギリスのエイコーン・コンピュータ(英:Acorn Computers Ltd.)社、および、フランスのトムソン(Thomson SA)社と、資本提携を結ぶ。以降、エイコーンおよびトムソンの製品を、オリベッティの商標で販売
  • 1999年 - ルクセンブルクに拠点を置くベル社に買収される
  • 1999年 - パソコン事業を売却する
  • 2001年 - ベル社が経営支配権を、ピレリおよびベネトングループを含むコンソーシアムへ売却
  • 2003年 - テレコム・イタリアグループの一員に吸収される

日本における事業の沿革

[1]

  • 1961年9月 - オリベッティ全額出資による日本法人「日本オリベッティ株式会社」として設立。その後親会社が「ワング・グローバル」(1998年3月)→「ジェトロニクス」(1999年7月)に変更されている。
  • 2000年1月 - 社名をジェトロニクス・オリベッティ株式会社に改める。
  • 2002年4月 - ジェトロニクス株式会社となる。
  • 2007年5月 - NTTデータがジェトロニクスとの戦略的パートナーシップを結び、NTTデータが株式の7割を保有する合弁会社・NTTデータジェトロニクス株式会社となる。
  • 2020年3月 - ジェトロニクスが保有する当社株式をNTTデータに譲渡。これによりNTTデータの完全子会社となる。
  • 2021年10月 - NTTデータルウィーブ株式会社に社名変更。

オリベッティの救済再建

1964年に実施された、イタリア財界の助力によるオリベッティの再建救済の内容は、以下のようなものである。

  • オリベッティ一族の持ち株比率を75%から35%に減らし、経営の実権も事実上一族から離れる
  • 大型コンピュータ部門をGEの支配に委ねる

脚注

関連項目

参考文献

  • 『大日本百科事典 ジャポニカ 第3巻(えいき-おん)』(株)小学館 (昭和50年2月20日第2版13刷)

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