アテローム性動脈硬化
粥状動脈硬化症
【概要】 動脈硬化症の1つで、粥腫(アテローマ)の形成を特徴とする。アテローマは解剖で開いた血管の内側にある黄色斑。大動脈や冠状動脈にできる。病変の基本構造は、血管内皮細胞の下側にコレステロールを食べて膨らんだマクロファージ、取り巻く平滑筋細胞などで、血管内腔が狭くなる。このアテローマが血管の内側に向かって壊れ、血小板血栓が付着して梗塞や血栓の原因になる。
【詳しく】 年齢・性・家族歴など個人の努力では変えられない危険因子と、高脂血症・高血圧症・喫煙・糖尿病といった修正可能な危険因子がある。修正可能な因子を取り除いていくことにより、動脈硬化が軽くなり、心臓病の発生率が低下することが多くの研究で示されてきた。 抗HIV療法を行っている患者で、コレステロールの増加が起こる。心筋梗塞の発生率は抗HIV療法をしていない感染者に比べて、年率で26%も高い。HIV感染者はエイズで死亡するのではなく、心筋梗塞で死亡するという時代の到来かも。HIVだけではなく総合的な対策が必要になってきている
【文献】 N Engl J Med 2003;349:1993
《参照》
アテローム性動脈硬化
アテローム性動脈硬化 | |
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別称 | Arteriosclerotic vascular disease (ASVD) |
アテローム性動脈硬化の進行 (狭窄の拡張図) | |
概要 | |
診療科 | 心臓科、循環器科 |
症状 | なし[1] |
発症時期 | 若年 (加齢とともに悪化)[2] |
原因 | 飽和脂肪の蓄積、喫煙、高血圧、糖尿病 |
危険因子 | 異常なコレステロール値、高血圧、糖尿病、喫煙、肥満、家系、不健康な食事など[3] |
合併症 | 虚血性心疾患、脳卒中、末梢動脈疾患, 腎不全[1] |
予防 | 健康的な食事、運動、喫煙をしない、正常な体重を維持[4] |
使用する医薬品 | スタチン, 降圧薬, アスピリン[5] |
頻度 | ≈100% (>65歳)[6] |
分類および外部参照情報 | |
Patient UK | アテローム性動脈硬化 |
アテローム性動脈硬化(アテロームせいどうみゃくこうか)は、プラークの蓄積により動脈内が狭くなる疾患である[7]。
一般的に初期は無症状である[1]が、重症化すると、影響を受ける動脈箇所によって、虚血性心疾患、脳卒中、閉塞性動脈硬化症、腎臓障害を発症する場合がある[1]。アテローム性動脈硬化は発症しても、中年まで症状が発現しないのが一般的である[1]。
正確な原因は不明である[1]が、危険因子には異常なコレステロール値、高血圧、糖尿病、喫煙、肥満、家系、不健康な食事などがあげられる[3]。
プラークは、脂肪、コレステロール、カルシウム、血液中に含まれるその他の成分で構成されている[7]。動脈が狭くなると、体の一部への酸素の供給が制限される[7]。診断は、身体診察、心電図、運動負荷テストに基づいて行われる[8]。
予防は一般的に、健康的な食事をとること、運動をすること、喫煙をしないこと、正常な体重を維持することである[4]。
治療には、スタチンなどのコレステロール値を下げる薬、血圧治療薬、アスピリンなどの凝固を低下させる薬などが用いられる[5]。経皮的冠動脈形成術、冠状動脈バイパス移植、頸動脈内膜剥離術などの外科的治療が行われる場合もある[5]。
アテローム性動脈硬化は、一般に若年時期に発症し、年齢とともに悪化する[2]。ほとんどの人が65歳までにある程度の影響を受ける[6]。
アテローム性動脈硬化は、先進国において最も多い死因と障害の一つである[9]。アテローム性動脈硬化が最初に説明されたのは1575年であるが[10]、5千年以上前に発症した証拠がある[10]。
出典
- ^ a b c d e f “What Are the Signs and Symptoms of Atherosclerosis? - NHLBI, NIH” (英語). www.nhlbi.nih.gov (2016年6月22日). 2017年11月5日閲覧。
- ^ a b “What Causes Atherosclerosis? - NHLBI, NIH” (英語). www.nhlbi.nih.gov (2016年6月22日). 2017年11月6日閲覧。
- ^ a b “Who Is at Risk for Atherosclerosis?” (英語). www.nhlbi.nih.gov (2016年6月22日). 2017年11月5日閲覧。
- ^ a b “How Can Atherosclerosis Be Prevented or Delayed? - NHLBI, NIH” (英語). www.nhlbi.nih.gov (2016年6月22日). 2017年11月6日閲覧。
- ^ a b c “How Is Atherosclerosis Treated? - NHLBI, NIH” (英語). www.nhlbi.nih.gov (2016年6月22日). 2017年11月6日閲覧。
- ^ a b Aronow, Wilbert S.; Fleg, Jerome L.; Rich, Michael W. (2013) (英語). Tresch and Aronow's Cardiovascular Disease in the Elderly, Fifth Edition. CRC Press. p. 171. ISBN 9781842145449
- ^ a b c “What Is Atherosclerosis? - NHLBI, NIH” (英語). www.nhlbi.nih.gov (2016年6月22日). 2017年11月6日閲覧。
- ^ “How Is Atherosclerosis Diagnosed? - NHLBI, NIH” (英語). www.nhlbi.nih.gov (2016年6月22日). 2017年11月6日閲覧。
- ^ Topol, Eric J.; Califf, Robert M. (2007) (英語). Textbook of Cardiovascular Medicine. Lippincott Williams & Wilkins. p. 2. ISBN 9780781770125
- ^ a b Shor, Allan (2008) (英語). Chlamydia Atherosclerosis Lesion: Discovery, Diagnosis and Treatment. Springer Science & Business Media. p. 8. ISBN 9781846288104
外部リンク
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