トポグラフィー 技術

トポグラフィー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/25 07:48 UTC 版)

技術

トポグラフィー研究には様々なやり方がある。どの手法を使うかは、調査対象地域の規模、近接性、既存調査の質によって変わってくる。

現地測量

ドイツの測量基準点

測量では、セオドライト水準器クリノメーターなどの水平測量機器を使用し、これらは各地点の地勢位置または3次元空間位置であったり地点間の距離や角度を正確に決定するのに有用である。

初めての地形図の仕事の一つは、イタリアの天文学者ジョヴァンニ・カッシーニによってフランスで開始された。

後述のリモートセンシングは、情報収集プロセスを大幅に高速化して長距離での精度統御を可能にしたが、依然として直接測量が全てのトポグラフィー作業のための基準点と枠組を提供している。

大規模な直接測量と地図作成事業がある地域では、集積されたデータがUSGS DEMなどの基本的な数値標高データ群の基礎を形成する。多くの場合このデータは調査間の不整合を排除するため「洗い出し」される必要があるが、大規模解析にとって貴重な一連の情報が生み出される。

当初のアメリカの地形測量(またはイギリスの陸地測量)には、起伏の記録だけでなくランドマークの特徴識別や土地の植生識別も含まれていた。

リモートセンシング

リモートセンシングは、対象地域から離れて行なう地理データ収集の総称である。

受動型の手法

航空写真と衛星画像は、写真測量法の役割に加えて、地勢や土地被覆の特徴を識別したり描写するのに使われることがある。これらは地図であれGISであれ確実に地理視覚化の一部となっている。偽色および不可視スペクトルの画像は、植生ほかの土地利用情報をより明確に描写することにより、土地の隠れた性質を特定するのにも役立ちうる。画像は、可視色や他のスペクトルにすることも可能である。

写真測量法

写真測量法は、対象物の3次元座標点が(通常は航空写真の異なる飛行経路からの)2つ以上の異なる位置から撮影した写真画像を用いて行われる測定技法である。この技法では、各画像上で共通点が識別される。観測線が、カメラ位置から対象地点まで構築される。その観測線の交点(三角測量)によって、対象地点の相対的な3次元位置を決定する[13]。既知の基準点は、これらの相対位置に絶対値を付与するために使われている。より洗練されたアルゴリズムでは、先験的に知られている場面上の他の情報を活用することができる(例えば、場合によっては対称性が1ヵ所のカメラ位置に基づいた次元座標の再構築を可能にする)。

能動型の手法

衛星レーダーのマッピングが、数値標高モデル(下記参照)を生成する主な手法の1つである。同様の手法は、海底の地勢を決定するのにソナーを使う水深測量にも適用されている。近年は、電波の代わりにレーザーを使用するリモートセンシングのLIDAR(LIght Detection And Ranging)が、林冠氷河といった複雑なマッピング需要にますます採用されている。


  1. ^ 日本電子「トポグラフィー」2022年5月20日閲覧。
  2. ^ コトバンクトポグラフィー世界大百科事典内の言及より。
  3. ^ WikiDiff,"Geomorphology vs Topography - What's the difference?,accessdate=2022-05-20
  4. ^ What is topography? - Center for Geographic Information
  5. ^ Definition from WordNet Search - princeton.edu
  6. ^ Definition from Federal Citizen Information Center - pueblo.gsa.gov
  7. ^ Online Etymology Dictionary - etymonline.com
  8. ^ For example, see the websites of the Victoria County History and London Topographical Society
  9. ^ Oxford English Dictionary - "Ordnance Survey"
  10. ^ Topographical Engineers ? History and Personnel Archived 2014-09-26 at the Wayback Machine.
  11. ^ Charting the Inland Seas: A History of the U.S. Lake Survey, Arthur M. Woodford, 1991
  12. ^ 西村幸香編集・福田正人監修『精神疾患の光トポグラフィー検査ガイドブック: NIRS波形の臨床判読』中山書店、2017年、ISBN:4521745407,9784521745404
  13. ^ esriジャパン「GIS基礎解説|写真測量」2022年5月20日閲覧。
  14. ^ See for example the publications of National Geographic Trails Illustrated Maps Archived 2006-11-16 at the Wayback Machine. and DeLorme products.
  15. ^ 加藤 公太「超天才ダ・ヴィンチに「解剖学」が必要だったワケ東洋経済オンライン、2021年11月17日





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