リヒ 地理

リヒ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/27 15:41 UTC 版)

地理

位置

リヒ市は、ヴェッター川ドイツ語版英語版の渡渉地に位置している。この川はタウヌス山地フォーゲルスベルク山地との間にあたるヴェッテラウドイツ語版英語版の由来となった。中核市区と北部および東部の市区は自然環境上フォルデラー・フォーゲルスベルク(フォーゲルスベルク山地の前山地方)に属し、南部と西部の市区はヴェッテラウに属す。

隣接する市町村

リヒ市は、北はフェルンヴァルトおよびライスキルヒェン、東はラウバッハ、東と南はフンゲン(以上いずれもギーセン郡)、南西はミュンツェンベルクヴェッテラウ郡)、西はポールハイム(ギーセン郡)と境を接している。

市の構成

リヒ市には、中核市区の他に以下の市区が属している。

  • ベッテンハウゼン
  • ビルクラー
  • エーバーシュタット
  • クロスター・アルンスブルク
  • ラングスドルフ
  • ムッシェンハイム
  • ニーダー=ベッシンゲン
  • オーバー=ベッシンゲン

歴史

1655年出版のマテウス・メーリアンの銅版画に描かれたリヒ

ネアンデルタール人(紀元前10万年頃)の道具が、森のスイミングプール近くのフックスレーヒェルンで発見された。コルンホイザー・ホーフ付近では、これより5万年ほど新しいオーリニャック型の道具が見つかっている。新石器時代の最も古い農耕文明の一つである線帯文土器文化が、ヴェッター川の黄土が豊富な岸辺にあるリヒ付近に、紀元前4000年頃に定着した。さらに新しい時代の発掘物としては、青銅器時代ハルシュタット時代ラテーヌ時代のものがある。リヒ付近の地域にケルト人が住んでいたかどうかは、現在もまだ確定していない。確かなことは、紀元前49年以降ローマ人ライン川周辺に住み(ここにローマ帝国の国境が設けられた)、この頃ヘッセンにはカッティ族ドイツ語版英語版が住んでいたことである。

紀元後83年から85年にローマ人によってリメスが建設され、これに伴って現在のアルンスブルク市区付近にアルンスブルク要塞が設けられた。これは、ヴェッテラウリメスで最も北に位置する要塞であった。

リヒは、790年ロルシュ文書ドイツ語版英語版に初めて記録されている。9世紀ロルシュ修道院はヴェッテラウから撤退し、マインツ大司教がこの地を治めたが、フルダ修道院ドイツ語版英語版もリヒに所領を保持していた。12世紀にクーノ1世フォン・ミュンツェンベルクは、シトー会が運営するアルンスブルク修道院を創設した。1300年皇帝アルブレヒト1世は、フィリップ3世フォン・ファルケンシュタインに対する好意の徴としてリヒに都市権を授けた。この地は14世紀後半までファルケンシュタイン家が治めていたが、その後ゾルムス伯家ドイツ語版の所領となった。リヒは、三十年戦争第二次世界大戦も、大きな被害を受けることなく切り抜けた。

1703年に薬局が設けられた。1993年にリヒはヘッセンの日の開催地となった。

市町村合併

ヘッセン州の地域再編に伴って、1970年12月31日にビルクラー、ムッシェンハイム、ニーダー=ベッシンゲンが、1971年2月1日にエーバーシュタットが、1971年12月31日にベッテンハウゼンがリヒ市に合併した[2]1977年1月1日に「ディル郡、ギーセン郡、ヴェッツラー郡とギーセン市の新設に関する法律」に従ってアルンスブルクとラングスドルフがリヒ市に合併した[3]

行政

リヒ市庁舎

議会

2011年3月27日以降、リヒ市の市議会は、37議席で構成されている[4]

市長

SPDのユリエン・ノイベルトが2020年からリヒの市長を務めている。ノイベルトは2019年9月29日の決選投票で 58.9 % の票を獲得して当選した。この選挙の投票率は 47.6 % であった[5]

ノイベルトの前任者ベルント・クライン (SPD) は、2007年9月30日の選挙で 60.2 % の票を獲得して対立候補のミヒャエル・ノル (CDU) に勝利して市長に選出された。この選挙の投票率は 56.7 % であった[6]。ベルント・クラインは、2013年9月22日の選挙で 64.0 % の票を獲得して再選された。この選挙の投票率は 74.3 % であった[7]

紋章

1928年5月1日、リヒは以下に記述する紋章の使用を許された[8]

図柄: 銀地に、4本の塔を持つ赤い城館。その上に赤と金に上下二分割されたミュンツェンベルク=ファルケンシュタイン家の紋章が描かれている。

この紋章は、すでに1309年の市の印章に類似した形の物が用いられている[9]

姉妹都市

リヒ市は、以下の都市と姉妹都市協定を結んでいる[10]

また、タタ英語版モロッコゲルミン=エス・スマラ地方)と友好都市関係にある。


  1. ^ Bevölkerung in Hessen am 31.12.2020 nach Gemeinden
  2. ^ K.-H. Gerstenmeier: Hessen. Gemeinden und Landkreise nach der Gebietsreform. Eine Dokumentation. Melsungen 1977, p. 303
  3. ^ Gesetz zur Neugliederung des Dillkreises, der Landkreise Gießen und Wetzlar und der Stadt Gießen(2015年6月25日 閲覧)
  4. ^ ヘッセン州統計局: 2011年3月27日のリヒ市市議会議員選挙結果(2015年6月25日 閲覧)
  5. ^ Bürgermeisterwahl in Lich, Stadt am 29.09.2019”. 2020年3月10日閲覧。
  6. ^ ヘッセン州統計局: 2007年9月30日のリヒ市市長選挙結果(2015年6月25日 閲覧)
  7. ^ 2013年9月22日のリヒ市市長選挙結果(2015年6月25日 閲覧)
  8. ^ Lich - Steckbrief Lich - Das Stadtwappen(2015年6月25日 閲覧)
  9. ^ F. Hauptmann, Das Wappenrecht, Bonn 1896, p. 125
  10. ^ Lich - Städtepartnerschaften(2015年6月25日 閲覧)
  11. ^ Museen in Hessen - Heimatmuseum Lich(2015年6月26日 閲覧)
  12. ^ Kino Traumstern(2015年6月26日 閲覧)
  13. ^ Licher Basket Bären(2015年6月27日 閲覧)
  14. ^ VfR 1920 Lich(2015年6月27日 閲覧)
  15. ^ TV 1860 Lich(2015年6月27日 閲覧)
  16. ^ Karate Dojo Kich e.V.(2015年6月27日 閲覧)





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