熱エネルギー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/13 23:10 UTC 版)
熱エネルギー(ねつエネルギー、英: Thermal energy)とは、物質の内部エネルギーのうち物質を構成する原子や分子の熱運動によるエネルギーを指し[1]、ある温度での物質の内部エネルギーから絶対零度における内部エネルギーを差し引いたもの、或いは原子や分子の温度によるエネルギーを指すことになる[2]。この概念は物理学や熱力学において明確に定義されておらず、幅広く受け入れられていない。これは、内部エネルギーは温度を変化させることなく変化させることができ、系の内部エネルギーのどの部分が「熱」に由来するのかを区別する方法がないためである。英語の "thermal energy" は系の(全)内部エネルギーといったより厳密な熱力学量、熱、エネルギーの「伝達」の一種として定義される顕熱(仕事がエネルギーの伝達の一種であるのと同じ)の同義語として大ざっぱに使われることがある。熱と仕事はエネルギー伝達の手段に依存するが、内部エネルギーは系の状態の性質であり、したがってエネルギーがどのようにしてそこに着いたかを知らなくても理解することができる。
- ^ 大辞林
- ^ a b 三省堂編修所(編修) 編 『物理小事典』宮島龍興(監修)(第4版)、三省堂、2008年 (原著1994年4月)、261頁。ASIN 4385240167。ISBN 978-4385240169。 NCID BN10774805。OCLC 675375379。全国書誌番号:94041161。
- ^ a b Robert F. Speyer (2012) [September 16, 1993]. Thermal Analysis of Materials. Materials Engineering. Marcel Dekker, Inc.. p. 2. ASIN 0824789636. ISBN 0-8247-8963-6. NCID BA2367314X. OCLC 700434612
- ^ Thomas W. Leland, Jr., G. A. Mansoori, ed. (PDF), Basic Principles of Classical and Statistical Thermodynamics
- ^ J. P. Joule (1884). “Matter, Living Force, and Heat” (PDF). The Scientific Papers of James Prescott Joule. 2. The Physical Society of London. p. 274 . "I am inclined to believe that both of these hypotheses will be found to hold good,—that in some instances, particularly in the case of sensible heat, or such as is indicated by the thermometer, heat will be found to consist in the living force of the particles of the bodies in which it is induced; whilst in others, particularly in the case of latent heat, the phenomena are produced by the separation of particle from particle, so as to cause them to attract one another through a greater space."
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- 2 熱エネルギーの概要
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