マスターズ・トーナメント

アメリカのジョージア州で開催されるゴルフトーナメント

マスターズ・トーナメント英語: Masters Tournament)は、アメリカ合衆国ジョージア州オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブを会場に開かれている、ゴルフメジャー選手権のひとつ。

マスターズ・トーナメント
Masters Tournament
トーナメント情報
創設 1934年
開催地 アメリカ合衆国の旗ジョージア州オーガスタ
マスターズ・トーナメントの位置(アメリカ合衆国内)
マスターズ・トーナメント
オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ
基準打数 Par72(2021年)
ヤーデージ 7,475ヤード (6,835 m) (2021年)[1]
主催 オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ
ツアー PGAツアー
ヨーロピアンツアー
日本ゴルフツアー
競技方法 ストロークプレー
賞金総額 2000万ドル(2024年)
開催月 4月
最高記録
最少打数 268 アメリカ合衆国の旗 ダスティン・ジョンソン(2020年)
通算スコア -20 同上
最新優勝者
アメリカ合衆国の旗 スコッティ・シェフラー
大会の最新回
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概要

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1934年にボビー・ジョーンズと友人で実業家のクリフォード・ロバーツの企画により"Augusta National Invitation Tournament"と題して開幕したが、1939年に当初ロバーツが考えていたものの、ジョーンズが嫌っていたマスターズというタイトルに変更された[2]

毎年4月2週目の日曜日に最終日となることを基準に開催される[2]。出場選手は前年度の世界各地のツアーでの賞金ランキング上位者、メジャー優勝者など。招待資格を満たす名手(マスター)たちしか出場できないことから「ゴルフの祭典」として敬愛されている。

1960年から本戦の前日の水曜日に「パー3コンテスト」が開催されている。オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブに隣接する9ホール(パー27)の特設コースで行われ、歴代最少スコアは19。過去の優勝者にはサム・スニード(1960年・1974年)、アーノルド・パーマー(1967年)、青木功(1975年・1981年)、トム・ワトソン(1982年・2018年)、中嶋常幸(1988年)、ビジェイ・シン(1994年)などがいる。出場選手の子供がキャディーを務めるなど和やかな雰囲気で行われる伝統のイベントであるが、優勝するとその年の本選では優勝できないというジンクスがあることでも知られる(ただし、後述の記録にあるように連覇を果たした選手はいる)。2017年は雨のため初めて中止された。

優勝賞金は開幕当初は特に定めないで、3日間の入場収入などを基に決定する。優勝者には優勝賞金に加えて緑色のブレザー、通称「グリーンジャケット」が贈られる。グリーンジャケットは通常ゴルフクラブのロッカーに保管され、優勝者は基本として本トーナメント期間中のみロッカーから出して着用することが許される。また優勝者はもれなくオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブの名誉会員となり、当大会への生涯出場権が与えられる。「ゴルフの祭典」という大会の性格上、この生涯出場権により、2000年代までは年齢が70代や80代に達した往年の名プレーヤーが出場を続けていた。しかし、2002年に大会を主催するマスターズ委員会が、一定水準のスコアでラウンドできなくなった選手に対して出場辞退を要請する手紙を送るようになったこと[3]や、コース改造(全長を約300ヤード延長)を契機として、ダグ・フォード英語版ビリー・キャスパーゲイ・ブリュワー英語版などが出場を取りやめるようになった。その後、BIG3と呼ばれたアーノルド・パーマーは2004年(当時74歳)、ジャック・ニクラスは2005年(当時65歳)、ゲーリー・プレーヤーは2009年(当時73歳)に引退を表明し、競技者としての出場を終えている(この3人は2012年から名誉スターターとして大会初日に始球式を行っているが、2016年はパーマーが辞退を表明した)。

他のメジャーは毎回開催コースが異なるが、マスターズは毎年同じオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブで開催される。このコースはとりわけグリーンの難度が高く、別名「ガラスのグリーン」とも呼ばれるほどアプローチショットやパットでのボールコントロールが難しく、それゆえに「オーガスタのグリーンには“魔女”が棲(す)む」とよく言われる。更にINのコース南側の角にある11番・12番・13番の3つのホールはスポーツライターのハーバート・ウォーレン・ウィンドがジャズの曲「Shoutin' in that Amen Corner」から命名した《アーメンコーナー》の別名で恐れられている。フェアウェイもアンジュレーションが大きく、バーディを狙うにはティショットを正確に理想的なセカンドショットのポジションに運ぶ必要がある。また、谷と森が作り出す気まぐれな風も起こる。こうした環境が、トーナメント名の通り、名手に相応しい技術の持ち手を選ぶことになる。一方、ラフはセカンドカットまでとなっており、長いラフのセットとなる全米オープンとの違いが顕著に表れる部分である。

1961年南アフリカゲーリー・プレーヤーが優勝し、初のアメリカ人以外の優勝者となった。1975年にはリー・エルダー英語版が黒人選手として初めて出場した。2000年フィジービジェイ・シンがオセアニア勢初、2009年アルゼンチンアンヘル・カブレラが南米勢初優勝を果たした。

グレッグ・ノーマンら世界的強豪選手の多いオーストラリア勢は、マスターズでは1996年の大会でノーマンがニック・ファルドに最終日に大逆転負けを喫するなどなかなか勝てなかったが、2013年の大会でアダム・スコットがオーストラリア勢として初の優勝を果たした。

2014年には、1982年大会優勝者のクレイグ・スタドラーと息子のケビン・スタドラー英語版が史上初の親子同時出場を果たした。

意外な伏兵が優勝することが多い他のメジャーと違い、ビッグネームが順当に優勝することの多いトーナメントとして有名だった。これは毎年同じゴルフコースで開催されるという特性から、ベテランほどこのコースの経験を多く持っていることが原因と考えられる。だが、1979年大会はファジー・ゼラーが優勝し、史上唯一の初出場選手による優勝となった[4]。また、2007年大会は世界ランキング56位(当時)でツアー1勝しかしていないザック・ジョンソンが優勝し、伏兵の優勝となった。近年はコースの長距離化などの影響で若手プロの初優勝が相次いでおり、ベテランに有利とは限らなくなっている。

予選通過ラインは、予選カットができた1957年以降「上位40位タイまで」だったが、1962年に「44位タイまで」と「首位から10打差以内」に変更、2013年には約半世紀ぶりに「50位タイまで」と「首位から10打差以内」に変更された。しかし2020年は「50位タイまで」のみとした。

4日間終了時点で1位が2人以上いた場合、プレーオフはサドンデスによって争われる。以前は、翌日に18ホールのストローク・プレーや、4ホールのストロークで争っていた。プレーオフは18番と10番ホールで行われる。

例年4月に開催しているが、世界規模で新型コロナウイルスへの感染が拡大している2020年には、11月9日から15日にかけて無観客で開催された[5]。本大会の4月開催が見送られたのは、第二次世界大戦中以来であった[6]

開催の時期を4月に戻した2021年には、松山英樹が10回目の出場を果たした末に、アジア出身選手として初めて優勝した。この優勝は、PGAレギュラーツアーにおける日本男子史上初の海外メジャー大会制覇にも当たる[7][注 1]

招待条件

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招待条件は下記の通りであるが[8]、カテゴリー7から11までについてはアマチュア選手は大会初日時点でアマチュアでなければならない。

  1. 歴代優勝者(生涯)
  2. 全米オープン優勝者(過去5年間)
  3. 全英オープン優勝者(過去5年間)
  4. 全米プロゴルフ選手権(PGA選手権)優勝者(過去5年間)
  5. ザ・プレーヤーズ選手権優勝者(過去3年間)
  6. オリンピックにおけるゴルフ競技優勝者(オリンピックの翌年のみ・直近の場合は2022年が該当)
  7. 前年全米アマ優勝者および2位
  8. 前年全英アマ優勝者
  9. 前年アジアパシフィックアマチュア選手権優勝者
  10. 当年ラテンアメリカアマチュア選手権優勝者
  11. 前年全米ミッド・アマ優勝者
  12. 前年マスターズ大会12位以内(タイを含む)入賞者
  13. 前年全米オープン4位以内(タイを含む)入賞者
  14. 前年全英オープン4位以内(タイを含む)入賞者
  15. 前年PGA選手権4位以内(タイを含む)入賞者
  16. 前年マスターズ大会翌週から、本大会前週までのPGAツアー(フェデックスカップポイントに加算される試合、ただしチューリッヒクラシック除く)優勝者
  17. 前年ザ・ツアーチャンピオンシップ出場者
  18. 前年最終週の公式世界ランキング50位以内
  19. 同年公式世界ランキング50位以内(マスターズ大会開催前週に発表のもの)

その他、特別招待枠がある。

記録

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大会歴代2位の優勝回数は5回、タイガー・ウッズ1997年2001年2002年2005年、2019年)。歴代3位は4回優勝、アーノルド・パーマー1958年1960年1962年1964年

歴代優勝者

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優勝者 合計スコア 合計パー 優勝賞金 ($)
1934   アメリカ合衆国 ホートン・スミス 284 -4 1,500
1935   アメリカ合衆国 ジーン・サラゼン 282 -6 1,500
1936   アメリカ合衆国 ホートン・スミス(2) 285 -3 1,500
1937   アメリカ合衆国 バイロン・ネルソン 283 -5 1,500
1938   アメリカ合衆国 ヘンリー・ピカード 285 -3 1,500
1939   アメリカ合衆国 ラルフ・ガルダール 279 -9 1,500
1940   アメリカ合衆国 ジミー・デマレー 280 -8 1,500
1941   アメリカ合衆国 クレイグ・ウッド英語版 280 -8 1,500
1942   アメリカ合衆国 バイロン・ネルソン(2) 280 -8 1,500
1943-45: 第二次世界大戦のため中止
1946   アメリカ合衆国 ハーマン・カイザー 282 -6 2,500
1947   アメリカ合衆国 ジミー・デマレー(2) 281 -7 2,500
1948   アメリカ合衆国 クロード・ハーモン 279 -9 2,500
1949   アメリカ合衆国 サム・スニード 282 -6 2,750
1950   アメリカ合衆国 ジミー・デマレー(3) 283 -5 2,400
1951   アメリカ合衆国 ベン・ホーガン 280 -8 3,000
1952   アメリカ合衆国 サム・スニード(2) 286 -2 4,000
1953   アメリカ合衆国 ベン・ホーガン(2) 274 -14 4,000
1954   アメリカ合衆国 サム・スニード(3) 289 +1 5,000
1955   アメリカ合衆国 ケリー・ミドルコフ 279 -9 5,000
1956   アメリカ合衆国 ジャック・バーク・ジュニア 289 +1 6,000
1957   アメリカ合衆国 ダグ・フォード 283 -5 8,750
1958   アメリカ合衆国 アーノルド・パーマー 284 -4 11,250
1959   アメリカ合衆国 アート・ウォール・ジュニア 284 -4 15,000
1960   アメリカ合衆国 アーノルド・パーマー(2) 282 -6 17,500
1961   南アフリカ連邦 ゲーリー・プレーヤー 280 -8 20,000
1962   アメリカ合衆国 アーノルド・パーマー(3) 280 -8 20,000
1963   アメリカ合衆国 ジャック・ニクラス 286 -2 20,000
1964   アメリカ合衆国 アーノルド・パーマー(4) 276 -12 20,000
1965   アメリカ合衆国 ジャック・ニクラス(2) 271 -17 20,000
1966   アメリカ合衆国 ジャック・ニクラス(3) 288 0 20,000
1967   アメリカ合衆国 ゲイ・ブリュワー 280 -8 20,000
1968   アメリカ合衆国 ボブ・ゴールビー 277 -11 20,000
1969   アメリカ合衆国 ジョージ・アーチャー 281 -7 20,000
1970   アメリカ合衆国 ビリー・キャスパー 279 -9 25,000
1971   アメリカ合衆国 チャールズ・クーディー 279 -9 25,000
1972   アメリカ合衆国 ジャック・ニクラス(4) 286 -2 25,000
1973   アメリカ合衆国 トミー・アーロン 283 -5 30,000
1974   南アフリカ共和国 ゲーリー・プレーヤー(2) 278 -10 35,000
1975   アメリカ合衆国 ジャック・ニクラス(5) 276 -12 40,000
1976   アメリカ合衆国 レイモンド・フロイド英語版 271 -17 40,000
1977   アメリカ合衆国 トム・ワトソン 276 -12 40,000
1978   南アフリカ共和国 ゲーリー・プレーヤー(3) 277 -11 45,000
1979   アメリカ合衆国 ファジー・ゼラー 280 -8 50,000
1980   スペイン セベ・バレステロス 275 -13 55,000
1981   アメリカ合衆国 トム・ワトソン(2) 280 -8 60,000
1982   アメリカ合衆国 クレイグ・スタドラー 284 -4 64,000
1983   スペイン セベ・バレステロス(2) 280 -8 90,000
1984   アメリカ合衆国 ベン・クレンショー英語版 277 -11 108,000
1985   西ドイツ ベルンハルト・ランガー 282 -6 126,000
1986   アメリカ合衆国 ジャック・ニクラス(6) 279 -9 144,000
1987   アメリカ合衆国 ラリー・マイズ 285 -3 162,000
1988   スコットランド サンディ・ライル 281 -7 183,800
1989   イングランド ニック・ファルド 283 -5 200,000
1990   イングランド ニック・ファルド(2) 278 -10 225,000
1991   ウェールズ イアン・ウーズナム 277 -11 243,000
1992   アメリカ合衆国 フレッド・カプルス 275 -13 270,000
1993   ドイツ ベルンハルト・ランガー(2) 277 -11 306,000
1994   スペイン ホセ・マリア・オラサバル 279 -9 360,000
1995   アメリカ合衆国 ベン・クレンショー(2) 274 -14 396,000
1996   イングランド ニック・ファルド(3) 276 -12 450,000
1997   アメリカ合衆国 タイガー・ウッズ 270 -18 486,000
1998   アメリカ合衆国 マーク・オメーラ 279 -9 576,000
1999   スペイン ホセ・マリア・オラサバル(2) 280 -8 720,000
2000   フィジー ビジェイ・シン 278 -10 828,000
2001   アメリカ合衆国 タイガー・ウッズ(2) 272 -16 1,080,000
2002   アメリカ合衆国 タイガー・ウッズ(3) 276 -12 1,080,000
2003   カナダ マイク・ウェア 281 -7 1,080,000
2004   アメリカ合衆国 フィル・ミケルソン 279 -9 1,117,000
2005   アメリカ合衆国 タイガー・ウッズ(4) 276 -12 1,260,000
2006   アメリカ合衆国 フィル・ミケルソン(2) 281 -7 1,260,000
2007   アメリカ合衆国 ザック・ジョンソン 289 +1 1,305,000
2008   南アフリカ共和国 トレバー・イメルマン 280 -8 1,350,000
2009   アルゼンチン アンヘル・カブレラ 276 -12 1,350,000
2010   アメリカ合衆国 フィル・ミケルソン(3) 272 -16 1,350,000
2011   南アフリカ共和国 シャール・シュワーツェル 274 -14 1,440,000
2012   アメリカ合衆国 バッバ・ワトソン 278 -10 1,440,000
2013   オーストラリア アダム・スコット 279 -9 1,440,000
2014   アメリカ合衆国 バッバ・ワトソン(2) 280 -8 1,620,000
2015   アメリカ合衆国 ジョーダン・スピース[10] 270 -18 1,800,000
2016   イングランド ダニー・ウィレット 283 -5 1,800,000
2017   スペイン セルヒオ・ガルシア 279 -9 1,980,000
2018   アメリカ合衆国 パトリック・リード 273 -15 1,980,000
2019   アメリカ合衆国 タイガー・ウッズ [11](5) 275 -13 2,070,000
2020   アメリカ合衆国 ダスティン・ジョンソン 268 -20 2,070,000
2021   日本 松山英樹[12] 278 -10 2,070,000
2022   アメリカ合衆国 スコッティ・シェフラー 278 -10 2,700,000
2023   スペイン ジョン・ラーム 276 -12 3,240,000
2024   アメリカ合衆国 スコッティ・シェフラー(2) 277 -11 3,600,000

ローアマチュア

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1952年から4ラウンド完了しかつ最少スコアのアマチュアにシルバーカップが贈呈される。

年度 受賞者 出身国 パー 最終順位
1934年 チャールズ・イエーツ   アメリカ合衆国 +9 21
1935年 ローソン・リトル   アメリカ合衆国 E 6
1936年 ジョニー・ドーソン   アメリカ合衆国 +6 9
1937年 チャールズ・イエーツ(2)   アメリカ合衆国 +13 27
1938年 トミー・テイラー   アメリカ合衆国 +10 19
1939年 チック・ハーバート
チャールズ・イエーツ(3)
  アメリカ合衆国
  アメリカ合衆国
+8 18
1940年 チャールズ・イエーツ(4)   アメリカ合衆国 +5 17
1941年 ディック・チャプマン   アメリカ合衆国 +9 19
1942年 チャールズ・イエーツ(5)   アメリカ合衆国 +16 28
1943–45 第二次世界大戦のため中止
1946 ケリー・ミドルコフ   アメリカ合衆国 +5 12
1947 フランク・ストラナハン   アメリカ合衆国 −5 2
1948 スキー・リーゲル   アメリカ合衆国 +5 13
1949 チャールズ・コー
ジョニー・ドーソン(2)
  アメリカ合衆国
  アメリカ合衆国
+7 16
1950 フランク・ストラナハン(2)   アメリカ合衆国 +9 14
1951 チャールズ・コー(2)   アメリカ合衆国 +5 12
1952 チャック・コチシュ   アメリカ合衆国 +9 14
1953 フランク・ストラナハン(3)
ハービー・ワード
  アメリカ合衆国
  アメリカ合衆国
+3 14
1954 ビリー・ジョー・パットン   アメリカ合衆国 +2 3
1955 ハービー・ワード(2)   アメリカ合衆国 +2 7
1956 ケン・ベンチュリー   アメリカ合衆国 +2 2
1957 ハービー・ワード (3)   アメリカ合衆国 E 4
1958 ビリー・ジョー・パットン(2)   アメリカ合衆国 E 8
1959 チャールズ・コー(3)   アメリカ合衆国 E 6
1960 ジャック・ニクラス
ビリー・ジョー・パットン(3)
  アメリカ合衆国
  アメリカ合衆国
+5 13
1961 チャールズ・コー(4)   アメリカ合衆国 −7 2
1962 チャールズ・コー(5)   アメリカ合衆国 E 9
1963 ラブロン・ハリス・ジュニア   アメリカ合衆国 +10 32
1964 ディーン・ビーマン   アメリカ合衆国 E 13
1965 ダウニング・グレー   アメリカ合衆国 +6 31
1966 ジミー・グラント   アメリカ合衆国 +11 28
1967 ダウニング・グレー(2)   アメリカ合衆国 +9 36
1968 ビニー・ジャイルズ   アメリカ合衆国 E 22
1969 ブルース・フライシャー   アメリカ合衆国 +12 44
1970 チャールズ・コー(6)   アメリカ合衆国 +4 23
1971 スティーブ・メルニック   アメリカ合衆国 +4 24
1972 ベン・クレンショー   アメリカ合衆国 +7 19
1973 ベン・クレンショー(2)   アメリカ合衆国 +7 24
1974 全員予選落ちのため該当者なし
1975 ジョージ・バーンズ   アメリカ合衆国 +4 30
1976 カーティス・ストレンジ   アメリカ合衆国 +3 15
1977 ビル・サンダー   アメリカ合衆国 +11 49
1978 リンディ・ミラー   アメリカ合衆国 −2 16
1979 ボビー・クランペット   アメリカ合衆国 +2 23
1980 ジェイ・シーゲル   アメリカ合衆国 +1 26
1981 ジェイ・シーゲル(2)   アメリカ合衆国 +6 35
1982 Jodie Mudd   アメリカ合衆国 +6 20
1983 ジム・ハレット   アメリカ合衆国 +9 40
1984 Rick Fehr   アメリカ合衆国 E 25
1985 サム・ランドルフ   アメリカ合衆国 +2 18
1986 サム・ランドルフ(2)   アメリカ合衆国 +5 36
1987 ボブ・ルイス   アメリカ合衆国 +21 54
1988 ジェイ・シーゲル(3)   アメリカ合衆国 +12 39
1989 全員予選落ちのため該当者なし
1990 クリス・パットン   アメリカ合衆国 +9 39
1991 フィル・ミケルソン   アメリカ合衆国 +2 46
1992 Manny Zerman   南アフリカ共和国 +6 59
1993 全員予選落ちのため該当者なし
1994 ジョン・ハリス   アメリカ合衆国 +17 50
1995 タイガー・ウッズ   アメリカ合衆国 +5 41
1996 全員予選落ちのため該当者なし
1997 全員予選落ちのため該当者なし
1998 マット・クーチャー   アメリカ合衆国 E 21
1999 セルヒオ・ガルシア   スペイン +7 38
2000 デビッド・ゴセット   アメリカ合衆国 +15 54
2001 全員予選落ちのため該当者なし
2002 全員予選落ちのため該当者なし
2003 リッキー・バーンズ   アメリカ合衆国 +3 21
2004 ケイシー・ヴィッテンベルク   アメリカ合衆国 E 13
2005 ライアン・ムーア   アメリカ合衆国 −1 15
2006 全員予選落ちのため該当者なし
2007 全員予選落ちのため該当者なし
2008 全員予選落ちのため該当者なし
2009 全員予選落ちのため該当者なし
2010 マッテオ・マナセロ   イタリア +4 36
2011 松山英樹   日本 −1 27
2012 パトリック・カントレー   アメリカ合衆国 +7 47
2013 関天朗   中国 +12 58
2014 オリバー・ゴス   オーストラリア +10 49
2015 全員予選落ちのため該当者なし
2016 ブライソン・デシャンボー   アメリカ合衆国 +5 21
2017 スチュワート・ヘイグスタッド   アメリカ合衆国 +6 36
2018 ダグ・ギム   アメリカ合衆国 +8 50
2019 ビクトル・ホブラン   ノルウェー −3 T32
2020 アンディ・オグルトゥリー   アメリカ合衆国 −2 T34
2021 全員予選落ちのため該当者なし
2022 全員予選落ちのため該当者なし
2023 サム・ベネット   アメリカ合衆国 −2 T16
2024 ニール・シプリー   アメリカ合衆国 +12 T53

放送

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アメリカ

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アメリカでは、テレビが本戦がCBS系列の局で放送されている。予選ラウンドについては、それまでUSAネットワークで放送されていたが[13]2008年からはESPNで中継されている[14]。そのためCBSはザ・レイト・ショー放映前に15分のハイライトを放送されている。さらに、本戦前日に行われる恒例のパー3コンテストもESPN2008年から放送されている。

また表彰式はバトラーキャビンにおいてCBSスポーツアナウンサーのジム・ナンツとの優勝者インタビューの後グリーンジャケット贈呈式を行い、バトラーキャビン前で正式な表彰式が実施される。

CBSとオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブはアメリカにおける放送パートナーとして毎年放映権を更新している[15]。CBSは番組のテーマ曲としてデイヴ・ロギンスの「オーガスタ」を使用している。TBSの中継も同様である。

テレビ中継のスポンサーはIBMエクソンモービルAT&Tであるが、2014年はエクソンモービルに代わってメルセデス・ベンツが勤めた。またオフィシャルタイムキーパーのロレックスUPSもスポンサーとして名乗っている。

ラジオではウェストウッド・ワンが4日間中継されている。

アメリカ以外の国・地域

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イギリスでは、1986年から放映権を保有している公共放送局のBBCが、CMを入れずにテレビ・ラジオ(BBC Radio Five Live)で中継を放送している。

アイルランドはSetanta Irelandで4日間放送。2017年以降は前半をEir Sport、RTÉが後半の2日間放送[16]。カナダ国内ではグラハム・サンボーン・メディアがマーケティングセールスを行い[17]、英語は前半の2日間はTSN、後半の2日間はグローバルで放送されている。フランス語はTVAで放送。

日本では、TBSテレビ東京放送時代の1967年から、CBSとの業務提携を背景に地上波テレビでの放送を開始。1975年までは生中継ではなく、CBSが制作した中継の映像をアメリカ国内で録画したうえで、大会翌週のゴールデンタイムに日本国内で放送していた。アメリカ国内からの衛星中継は1964年大会から可能な状況にあったが、当時は中継回線の使用料が非常に高額であったため、TBSでは大会が開催されるたびにスタッフをアメリカに派遣。中継映像を録画した2インチVTR2本を、スタッフが日本へ帰国する際に、手荷物扱いで飛行機へ持ち込みながら輸送していたという。

TBSでは1976年から、自社制作によるJNN系列全国ネットの生中継に移行[注 2]。メイン実況の担当アナウンサーは石井智1995年まで)→ 松下賢次1996年 - 2008年)→ 林正浩2009年 - 2015年)→ 小笠原亘2016年以降)・佐藤文康2024年以降、いずれも担当期間中はTBS→TBSテレビに在籍)で、1981年大会からラウンドリポーターとして中継に参加していた松下は、人事異動でアナウンス職から退いていた2010年に『語りつくせぬ“夢” マスターズ放送物語』という著書(ISBN 978-4904345092)をTBSサービスから出している[18]。また、解説にゴルフジャーナリストの岩田禎夫が長年携わっていたことでも知られる[19]

TBSが制作する中継のオープニングでは、過去の名場面と前年度王者によるグリーンジャケットの着用シーンを編集した映像を、デイヴ・ロギンスが歌う「Augasta」とともに流している。1982年までは、決勝ラウンド(2日間)の生中継と当日のハイライトのみ放送していた。1983年から予選ラウンド(2日間)の生中継、1988年から大会終了後のゴールデンウィークに(一部の系列局を除いて)総集編、後に予選ラウンドの当日ダイジェストの放送も始めている。2014年は4日間合計で24時間の放送を実施。特に最終日は中断無しで約8時間生放送した。現在は地上波に加えて、BSデジタル放送のBS-TBSでも放送。また、CS放送(2時間のダイジェスト版のみ)では当初はJNNニュースバード(現・TBS NEWS)で放送されていたが後にTBSチャンネルでの放送に移行した(TBSチャンネルでの放送素材は地上波のものでなくBS-TBSでの放送素材が使われている)。そのため、地上波放送分とBS・CS放送分で実況・解説の担当者が異なっている。

TBSでは2007年大会のダイジェストからリアルタイム字幕放送、BS-TBSは2013年まで2ヶ国語放送(英語副音声 ステレオ2音声)を実施。セールスはテレ・プランニング・インターナショナルとビデオプロモーションが担当しており、全米オープンテニスと同様、アナウンサーによる提供コメントなしで放送している。一方、BS-TBSでは提供クレジットは前クレのみで提供コメントはしている。TBSチャンネルでは有料放送であるためスポンサーそのものは一切なく、提供クレジットの表示も提供コメントもまったくない。その影響のため、朝の報道番組が休止になったり、繰り下げ放送になることがある。

なお、パー3コンテストについては、日本でもBS-TBSで録画放送された。2014年は初めてインターネットによる生中継を行い、アーメンコーナー、15・16番ホール、注目組のプレーを配信した(日本以外は視聴不可、CBS・マスターズ公式サイトでも米国のみでライブ配信されている)。2022年以降はU-NEXT独占。2017年はアニメサタデー630開始前の4月1日6:30 - 7:30に大会直前スペシャルを編成し[注 3]、過去の名場面などが放送される。

2018年大会では、大会の放映権を保有していない国・地域に向けて、大会の公式YouTubeチャンネルで全ラウンドのライブ配信を実施した。

チケット

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マスターズの入場券はライダーカップと並び、世界で一番取れにくいゴルフトーナメントとしても知られており、通称「パトロン」と呼ばれている、スポンサーや関係者、オーガスタの地元住民だけしか入場できない。2012年以降の一般入場券はインターネットで抽選販売されている。また2008年以降、パトロン保持者の8~16歳のジュニアにつき1名無料入場している[20]

脚注

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注釈

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  1. ^ PGAシニアツアーにおいては、2013年に全米プロシニアゴルフ選手権において井戸木鴻樹が優勝を果たしている。
  2. ^ 実際には、日本テレビの系列局である秋田放送南海放送でも、1992年まで番販ネット扱いで放送していた。放送対象地域にTBS系列のフルネット局がないことを背景に、中継の時間帯と重なる平日の早朝にTBS系列の情報番組を放送していたことによる。ただし、南海放送の放送対象地域である愛媛県内では1992年10月1日にあいテレビ(TBS系列のフルネット局)が開局したことによって、翌1993年から大会の中継をあいテレビで放送。秋田放送の放送対象地域である秋田県では、1993年大会から(同局を含む)県内の地上波テレビ局による中継の放送が途絶えている。秋田放送が1992年9月30日で上記の情報番組(当時は『ビッグモーニング』)のネットから離脱したことに加えて、同日以降もTBS系列のフルネット局が県内に開局していないことによる。
  3. ^ 大会の中継と異なり全編ローカルセールス枠。このため一部系列局は別番組に差し替え。

出典

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  1. ^ 松山英樹「マスターズ」制覇 最終日ドキュメント”. ゴルフダイジェスト・オンライン (2021年4月11日). 2021年4月12日閲覧。
  2. ^ a b History”. www.masters.com. 2014年6月20日閲覧。
  3. ^ The Masters: Augusta bows to change with a pompous flourish”. 2015年7月21日閲覧。
  4. ^ “マスターズが特別”は過去の話!?ミケルソンと松山英樹の温度差。”. Number Web (2014年4月9日). 2021年11月15日閲覧。
  5. ^ 2020 Masters to be Conducted Without Patrons or Guests”. www.masters.com (2020年8月12日). 2020年9月22日閲覧。
  6. ^ 延期の「マスターズ」放送局TBSはどうする ゴルフ中継の難題とは”. ゴルフダイジェスト・オンライン (2020年4月1日). 2020年4月1日閲覧。
  7. ^ "やったぞ松山英樹 試練乗り越え日本人男子初のメジャー制覇 12カ国54人目優勝". デイリースポーツ. 神戸新聞社. 12 April 2021. 2021年4月12日閲覧
  8. ^ Invitees - 2017 Masters Tournament” (英語). 2017年8月18日閲覧。
  9. ^ “オーガスタを沸かせた謙虚な神童”. ニューズウィーク日本版(2013年4月30日/5月7日号). 阪急コミュニケーションズ. (2013-04-23). p. 21. 
  10. ^ 21歳スピースが最少スコアタイで完全優勝 松山英樹5位”. ゴルフダイジェスト・オンライン (2015年4月13日). 2015年4月13日閲覧。
  11. ^ タイガー・ウッズがマスターズ優勝 11年ぶりメジャー制覇 ゴルフダイジェスト・オンライン 2019年4月15日
  12. ^ 松山英樹、マスターズ優勝 メジャー日本男子で初”. 日本経済新聞 (2021年4月12日). 2021年4月12日閲覧。
  13. ^ Ratings For Each Round of The Masters Since '82 (First/Second Rounds Since '99)
  14. ^ ESPN will show first two rounds of 2008 Masters tournament”. ESPN (2007年10月10日). 2008年3月23日閲覧。
  15. ^ McDonald, Tim. “Is the Masters really the most prestigious sporting event in America?”. WorldGolf.com. 2008年12月23日閲覧。
  16. ^ CEO Setanta Ireland (2007年8月12日). “We are fully committed to providing a public service – without public funding”. Independent.ie. http://www.independent.ie/sport/gaelic-football/we-are-fully-committed-to-providing-a-public-service--without-public-funding-1241227.html 2008年12月23日閲覧。 
  17. ^ William Houston (2008年4月10日). “As usual, Woods is the star of Masters coverage”. The Globe and Mail (Toronto). http://sports.theglobeandmail.com/servlet/story/RTGAM.20080410.wspttruth10/GSStory/GlobeSportsGolf/home 2009年4月10日閲覧。 
  18. ^ “<夢のマスターズ 日本人初V!!>マスターズの“語り部”松下賢次さん 偉業の歴史的背景語る”. 日刊スポーツ. (2021年4月19日). https://www.nikkansports.com/sports/golf/news/202104180000636.html 2021年5月7日閲覧。 
  19. ^ 世界を伝えたゴルフジャーナリスト 岩田禎夫氏逝去”. Back 9 the WEB. ゴルフダイジェスト社 (2016年11月15日). 2021年5月8日閲覧。
  20. ^ Ticket Information”. Masters.org. 2008年4月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年4月12日閲覧。

外部リンク

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