的場昭弘
日本の経済学者
的場 昭弘(まとば あきひろ、1952年〈昭和27年〉10月25日[1] - )は、日本の経済学者(社会思想史専門)[2]。神奈川大学経済学部教授。元神奈川大学図書館長。元アソシエ21事務局長。日本のマルクス経済学者[3]。
マルクス経済学 | |
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生誕 |
1952年10月25日(72歳) 日本 宮崎県宮崎市 |
研究機関 | 神奈川大学経済学部 |
研究分野 | 社会史、社会思想史、マルクス学 |
母校 | 慶應義塾大学 |
学位 | 経済学博士(慶應義塾大学) |
博士課程 指導教員 | 飯田裕康 |
他の指導教員 | 遊部久蔵 |
影響を 受けた人物 | マルクス、スピノザ |
来歴
編集宮崎県宮崎市生まれ[1]。小-中学校は広島県広島市で育ち[4]、広島市立戸坂小学校と広島市立牛田中学校に通う[4]。1984年、慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程満期退学し、一橋大学社会科学古典資料センター助手[5]。
1987年、東京造形大学助教授[5]。1988年、『トリーアの社会史 カール・マルクスとその背景』で慶大経済学博士。1991年、神奈川大学短期大学部助教授。1994年、神奈川大学短期大学部教授。2000年、短大廃止により経済学部教授。
新MEGA[6]の編集作業に携わる。新MEGA編集の第4部第29巻をベルリン、モスクワ、アムステルダムの編集者たちと共に担当する日本編集委員会・歴史グループ代表。
学生時代
編集大学3年時に遊部久蔵ゼミに入る。ゼミでは『経済学批判』の輪読が行われた。この頃、ドイツ語の『マルクス・エンゲルス全集(通称:Werke)』を全巻購入する。卒論のテーマは「ソ連における一九六五年の経済改革」であった。
大学院には経済理論専攻で入学し、飯田裕康のゼミに入る。修士課程2年目に、エルネスト・マンデルの『後期資本主義』を飯田と共に翻訳する。修士論文は『ソヴィエトにおける信用・貨幣制度』である。博士課程4年目の1981年、ザグレブ大学に留学する。そこで、マルクスとトリーアの関係を調べる。
主張
編集著書
編集単著
編集- 『トリーアの社会史——カール・マルクスとその背景』(未來社、1986年。ISBN 978-4624110970)
- 『「フォアヴェルツ」とドイツ人亡命者達——パリのマルクスに関連して』(一橋大学社会科学古典資料センター、1987年。)
- 『パリの中のマルクス——1840年代のマルクスとパリ』(御茶の水書房、1995年。ISBN 978-4275015822)
- 『フランスの中のドイツ人——1848年革命前後の移民、亡命者、遍歴職人と社会主義運動』(御茶の水書房、1995年。ISBN 978-4275015914)
- 『ポスト現代のマルクス——マルクス像の再構成をめぐって』(御茶の水書房、2001年。ISBN 978-4275018786)
- 『未完のマルクス——全集プロジェクトと20世紀』(平凡社選書、2002年。ISBN 978-4582842173)
- 『マルクスだったらこう考える』(光文社新書、2004年。ISBN 978-4334032814)
- 『マルクスを再読する——「帝国」とどう戦うか』(五月書房、2005年。ISBN 978-4772704083)
- 『近代と反近代との相克——社会思想史入門』(御茶の水書房、2006年。ISBN 978-4275004178)
- 『マルクスに誘われて——みずみずしい思想を追う』(亜紀書房、2006年。ISBN 978-4750506029)
- 『ネオ共産主義論』(光文社新書、2006年。ISBN 978-4334033491)
- 『超訳『資本論』』全3巻(祥伝社新書、2008 - 2009年。ISBN 978-4396111113 他)
- 『もうひとつの世界がやってくる——危機の時代に新しい可能性を見る』(世界書院、2009年。ISBN 978-4792720988)
- 『とっさのマルクス——あなたを守る名言集』(幻冬舎、2009年。ISBN 978-4344016873)
- 『一週間de資本論』(日本放送出版協会、2010年。ISBN 978-4140814383)
- 『NHKカルチャーラジオ 歴史再発見 21世紀から見る『資本論』―マルクスとその時代』(NHK出版、2011年。ISBN 978-4149107783)
- 『待ち望む力——ブロッホ、スピノザ、ヴェイユ、アーレント、マルクスが語る希望』(晶文社、2013年。ISBN 978-4794969019)
- 『マルクスとともに資本主義の終わりを考える』(亜紀書房、2014年。ISBN 978-4750514161)
- 『大学生に語る 資本主義の200年』(祥伝社新書、2015年。ISBN 978-4396114022)
- 『「革命」再考——資本主義後の世界を想う』(角川新書、2017年。ISBN 978-4040821214)
- 『マルクスを再読する』(KADOKAWA、2017年。ISBN 978-4041053683)
- 『最強の思考法 「抽象化する力」の講義』(日本実業出版社、2018年。ISBN 978-4534055668)
- 『カール・マルクス入門』(作品社、2018年。ISBN 978-4861826832)
- 『未来のプルードン』(亜紀書房、2020年。ISBN 978-4750516448)
- 『資本主義全史』(SBクリエイティブ、2022年。ISBN 978-4815615277)
- 『「19世紀」でわかる世界史講義』(日本実業出版社、2022年。ISBN 978-4534059321)
- 『20歳の自分に教えたい資本論』(SBクリエイティブ、2022年。ISBN 978-4815617516)
- 『マルクスで読み解く世界史』(教育評論社、2022年。ISBN 978-4866240671)
- 『資本主義がわかる「20世紀」世界史講義』(日本実業出版社、2023年。ISBN 978-4534060402)
- 『21世紀世界史講義 恐慌・パンデミック・戦争』(日本実業出版社、2024年。ISBN 978-4534061317)
共編著
編集- 『都市と思想家』全2巻(共編:石塚正英・柴田隆行・村上俊介、法政大学出版局、1996年。ISBN 978-4588600265 他)
- 『一八四八年革命の射程』(共編:高草木光一、御茶の水書房、1998年。ISBN 978-4275017277)
- 『感性の歴史学ー社会史の方法と未来ー』(共著:アラン・コルバン・橘川俊忠、御茶の水書房、2000年。ISBN 978-4275017925)
- 『新マルクス学事典』(共編:石塚正英・内田弘・柴田隆行、弘文堂、2000年。ISBN 978-4335150449)
- 『〈帝国〉を考える——アメリカ、東アジア、そして日本』(双風舎、2004年。ISBN 978-4902465020) ※編著
- 『マルクスから見たロシア、ロシアから見たマルクス——レーニンの革命論、オリエンタリズム、国家イデオロギー装置論をめぐって』(五月書房、2007年。ISBN 978-4772704595)
- 『「アメリカ覇権」という信仰』(共著:エマニュエル・トッド・加藤出他、藤原書店、2009年。ISBN 978-4894346949)
- 『国家の危機』(共著:佐藤優、KKベストセラーズ、2011年。ISBN 978-4584133194)
- 『復権するマルクス』(共著:佐藤優、KADOKAWA、2016年。ISBN 978-4040820613)
- 『基本書を読む』(共著:本村凌二他、毎日新聞出版、2017年。ASIN B07547LWVJ)
- 『いまこそ「社会主義」』(共著:池上彰、朝日新聞出版、2020年。ISBN 978-4022951076)
- 『希望と絶望の世界史 ― 転換期の思想を問う』(共著・前田朗、三一書房、2024年。ISBN 978-4-380-24003-4)
監修
編集- 『知識ゼロからのマルクス経済学入門』(弘兼憲史著、幻冬舎、2009年。ISBN 978-4344901452)
- 『漫画 資本論』(作画:阿部はるき、サンガ、2009年。ISBN 978-4904507476)
- 『まんが図解 まるかじり! 資本論』(青春出版社、2014年。ISBN 978-4413039345)
- 『高校生からのマルクス漫画講座』(コリンヌ・マイエール著、いそっぷ社、2015年。ISBN 978-4900963665)
- 『図解 明日を生きるための資本論』(青春出版社、2021年。ISBN 978-4413211864)
- 『マンガでわかる資本論』(池田書店、2022年。ISBN 978-4-262-15582-1)
- 『落語で資本論 世知辛い資本主義社会のいなし方』 立川談慶著(日本実業出版社、2023年7月) ISBN 978-4534060310
翻訳
編集- エルネスト・マンデル『後期資本主義』全3巻中第1 - 2巻(共訳:飯田裕康、柘植書房、1980年 - 1981年。ISBN 978-4806802860 他)
- ベルナール・ストロフ『建築家ルドゥー』(共訳:多木浩二、青土社、1996年。ISBN 978-4791753932)
- ローズマリー・アシュトン『ロンドンのドイツ人——ヴィクトリア期の英国におけるドイツ人亡命者たち』(共訳:大島幸治、御茶の水書房、2001年。ISBN 978-4275018243) ※監訳
- イシュトヴァン・メーサロシュ『社会主義か野蛮か——アメリカの世紀から岐路へ』(共訳:志村建・福田光弘・鈴木正彦、こぶし書房、2004年。ISBN 978-4875591856) ※監訳
- 『新訳 共産党宣言 初版ブルクハルト版(1848)』(作品社、2010年、新装版:2018年。ISBN 978-4861822919他)
- 『新訳 初期マルクス』(作品社、2013年。ISBN 978-4861824074)
- ジャック・アタリ『世界精神マルクス』(藤原書店、2014年。ISBN 978-4894349735)
- ジャック・アタリ『ユダヤ人、世界と貨幣——一神教と経済の4000年史』(作品社、2015年。ISBN 978-4861824890)
- ヨーロッパの怒れる経済学者たち『今とは違う経済をつくるための15の政策提言』(作品社、2016年。ISBN 978-4861825675)※監訳
- ジャック・アタリ他『未来のために何をなすべきか?』(作品社、2016年。ISBN 978-4861825811)
- カール・マルクス『新訳 哲学の貧困』(作品社、2020年。ISBN 978-4861828041)
出演
編集- 『エアレボリューション』(ニコニコ生放送、2023年10月19日、2024年10月3日)
脚注
編集- ^ a b 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.344
- ^ “的場 昭弘”. 東洋経済オンライン. 2024年9月29日閲覧。
- ^ “的場昭弘”. 2022年12月15日閲覧。
- ^ a b “平和都市・広島を侮辱した会議となったG7 サミット議論すべきは武器供給でなはく停戦だったはずだ”. 東洋経済オンライン 的場昭弘 (2023年6月3日). 2024年5月18日閲覧。
- ^ a b “研究者情報 - 的場 昭弘 | 神奈川大学”. kenkyu.kanagawa-u.ac.jp. 2022年11月23日閲覧。
- ^ 『新マルクス・エンゲルス全集』(Zweite Marx-Engels-Gesamtausgabe)の略称。現在、国際マルクス=エンゲルス財団により編集・刊行作業が進められている。
- ^ “ロシアとウクライナが「こじれた」複雑すぎる経緯”. 東洋経済オンライン (2022年2月25日). 2022年11月23日閲覧。
- ^ “ロシアを積極的に批判しないアフリカの怨念 ロシアと中国はアフリカの真の独立を支援してきた”. 東洋経済オンライン 的場昭弘 (2022年6月24日). 2023年6月23日閲覧。
外部リンク
編集- 的場昭弘 - researchmap
- 的場昭弘 - J-GLOBAL
- KAKEN 的場昭弘
- 研究者情報 - 神奈川大学
- 経済学部経済学科 的場昭弘教授 - 神大の先生