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'''シュンドルボン'''(英語:The Sundarbans、{{Lang-bn|[[:bn:সুন্দরবন|সুন্দরবন]]}}、{{Lang-hi|[[:hi:सुंदरवन|सुंदरवन]]}})は[[バングラデシュ]]・[[クルナ管区]]南部にまたがり、[[インド]]に接して広がる[[マングローブ]]の群生地帯。バングラデシュ側はそのほとんどの地域が政府によって保護されており、[[1997年]]には[[国際連合教育科学文化機関]]の[[世界遺産]](自然遺産)に登録された。1987年に自然遺産に登録済みのインドの[[スンダルバンス国立公園]]も同様の保護区である。シュンドルボンは[[ベンガル語]]で文字通りには〈美しい森〉を意味する(< {{Lang|bn|সুন্দর}} sundara〈美しい〉+ {{Lang|bn|বন}} bana〈森〉)が、むしろこの地域に生育する[[アオイ科]][[サキシマスオウノキ属]]の{{仮リンク|スンドリ|en|Heritiera fomes}}の木({{Lang-bn|[[wikt:সুন্দরী|সুন্দরী]]}} sundarī; 学名: {{Snamei|Heritiera fomes|}})が関連していると考えられる<ref>{{Cite book|last=Krishnamurthy|first=K.|year=1980|chapter=Gondwanaland in Ancient Indian Literature|url=https://books.google.co.jp/books?id=jUrTBwAAQBAJ&pg=PA788&dq=Sunderbans+etymology&hl=ja&sa=X&ved=0ahUKEwj3nMrwkOzoAhWUHXAKHVkkDaYQ6AEIJzAA#v=onepage&q=Sunderbans%20etymology&f=false|editor=Mary Sears and Daniel Merriman|title=Oceanography: The Past|location=New York and Heidelberg and Berlin|publisher=Springer-Verlag|page=788|isbn=978-1-4613-8092-4|doi=10.1007/978-1-4613-8090-0_69|ref=harv}}</ref>。[[ヒンディー語]]では'''スンダルバン'''と呼ばれる。また'''シュンダバンズ'''と表記している資料も存在する<ref>{{Cite book|和書|title=地球紀行 世界遺産の旅|publisher=小学館|year=1999|page=217|isbn=4-09-102051-8}}</ref>。 |
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== 概要 == |
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総面積100万[[ヘクタール|ha]]の[[森林|大森林]]地帯であり、世界最大のマングローブ天然林である。この内、62%にあたる57万7,000haがバングラデシュ側に存在する。 |
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シュンドルボンは[[ベンガル湾]]に注ぐ[[ガンジス川]]、[[ブラマプトラ川]]と[[メグナ川]]の[[デルタ地帯]]に位置しており、泥が平たく蓄積した[[湿地]]帯である。数千の川と水路、入り江が複雑に入り組み、この[[環境]]がマングローブの群生地帯を生んだ。一方で[[アクシスジカ]]などの多数の[[シカ]]や[[イリエワニ]]、[[サル]]、[[ベンガルトラ]]、[[バタグールガメ]]、[[インドニシキヘビ]]が棲息しており、その他[[キガシラウミワシ]]、[[アジアヒレアシ]]、[[シロハラウミワシ]]、[[カワセミ科|カワセミ類]]などの鳥類も240種類以上確認されている事などから、[[動物]]の聖地である。海岸には、定住性の[[ニタリクジラ]]の他、[[カワゴンドウ]]、[[スナメリ]]、[[ミナミハンドウイルカ]]、[[マダライルカ]]、[[ハシナガイルカ]]、[[ウスイロイルカ]]や希少種の[[ガンジスカワイルカ]]など貴重な[[鯨類]]が数多く見られる。他には{{仮リンク|ガンジスメジロザメ|en|Ganges shark}}も生息している<ref name=":0" /><ref>{{Cite web |title=The Sundarbans |url=https://whc.unesco.org/en/list/798/ |website=UNESCO World Heritage Centre |access-date=2023-05-01 |language=en}}</ref>。1992年に[[ラムサール条約]]登録地となった<ref name=":0">{{Cite web |title=Sundarbans Reserved Forest {{!}} Ramsar Sites Information Service |url=https://rsis.ramsar.org/ris/560 |website=rsis.ramsar.org |access-date=2023-04-03 |date=2003-1-1}}</ref>。 |
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== 登録された地域 == |
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== 登録基準 == |
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== 開発の危機 == |
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バングラデシュ政府がシュンドルボン内に[[火力発電所]]の建設を進めており、[[ユネスコ]]([[世界遺産センター]])と[[国際自然保護連合]](IUCN)が警告を発しているが、バングラデシュ政府は意に介しておらず、[[世界遺産委員会]]は[[危機遺産]]指定や[[抹消された世界遺産|登録の抹消]]を示唆している<ref>[https://www.firstpost.com/india/sundarbans-forest-threatened-by-heedless-industrialisation-says-un-expert-urges-bangladesh-govt-to-take-action-4865591.html Sundarbans forest threatened by heedless industrialisation says UN expert, urges Bangladesh govt to take action] [[:en:Firstpost|Firstpost]] 2018.8.1</ref>。 |
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== ギャラリー == |
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画像:Sundarbans.jpg|シュンドルボンの衛星写真 |
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== 脚注 == |
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== 関連項目 == |
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* [[地球感動配達人 走れ!ポストマン]] – [[2009年]][[7月26日]]の放送でこの地域が紹介された。 |
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2024年9月7日 (土) 19:06時点における最新版
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シュンドルボン | |||
英名 | The Sundarbans | ||
仏名 | Les Sundarbans | ||
面積 | 1,397km2 | ||
登録区分 | 自然遺産 | ||
IUCN分類 | IV | ||
登録基準 | (9),(10) | ||
登録年 | 1997年 | ||
公式サイト | 世界遺産センター | ||
地図 | |||
使用方法・表示 |
シュンドルボン(英語:The Sundarbans、ベンガル語: সুন্দরবন、ヒンディー語: सुंदरवन)はバングラデシュ・クルナ管区南部にまたがり、インドに接して広がるマングローブの群生地帯。バングラデシュ側はそのほとんどの地域が政府によって保護されており、1997年には国際連合教育科学文化機関の世界遺産(自然遺産)に登録された。1987年に自然遺産に登録済みのインドのスンダルバンス国立公園も同様の保護区である。シュンドルボンはベンガル語で文字通りには〈美しい森〉を意味する(< সুন্দর sundara〈美しい〉+ বন bana〈森〉)が、むしろこの地域に生育するアオイ科サキシマスオウノキ属のスンドリの木(ベンガル語: সুন্দরী sundarī; 学名: Heritiera fomes)が関連していると考えられる[1]。ヒンディー語ではスンダルバンと呼ばれる。またシュンダバンズと表記している資料も存在する[2]。
概要
[編集]総面積100万haの大森林地帯であり、世界最大のマングローブ天然林である。この内、62%にあたる57万7,000haがバングラデシュ側に存在する。
シュンドルボンはベンガル湾に注ぐガンジス川、ブラマプトラ川とメグナ川のデルタ地帯に位置しており、泥が平たく蓄積した湿地帯である。数千の川と水路、入り江が複雑に入り組み、この環境がマングローブの群生地帯を生んだ。一方でアクシスジカなどの多数のシカやイリエワニ、サル、ベンガルトラ、バタグールガメ、インドニシキヘビが棲息しており、その他キガシラウミワシ、アジアヒレアシ、シロハラウミワシ、カワセミ類などの鳥類も240種類以上確認されている事などから、動物の聖地である。海岸には、定住性のニタリクジラの他、カワゴンドウ、スナメリ、ミナミハンドウイルカ、マダライルカ、ハシナガイルカ、ウスイロイルカや希少種のガンジスカワイルカなど貴重な鯨類が数多く見られる。他にはガンジスメジロザメも生息している[3][4]。1992年にラムサール条約登録地となった[3]。
一帯にはクルナ港、モングラ港などの港湾がある。夏場はサイクロンが襲いかかるため、入域は乾季に限られる。
登録された地域
[編集]シュンドルボンは以下の地域が登録されている。
- シュンドルボン国立公園
- シュンドルボン西野生生物保護区
- シュンドルボン東野生生物保護区
- シュンドルボン南野生生物保護区
登録基準
[編集]この世界遺産は世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録された(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。
- (9) 陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す顕著な見本であるもの。
- (10) 生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの。これには科学上または保全上の観点から、すぐれて普遍的価値を持つ絶滅の恐れのある種の生息地などが含まれる。
開発の危機
[編集]バングラデシュ政府がシュンドルボン内に火力発電所の建設を進めており、ユネスコ(世界遺産センター)と国際自然保護連合(IUCN)が警告を発しているが、バングラデシュ政府は意に介しておらず、世界遺産委員会は危機遺産指定や登録の抹消を示唆している[5]。
ギャラリー
[編集]-
シュンドルボンのベンガルトラ
-
シュンドルボン
-
シュンドルボンの衛星写真
脚注
[編集]- ^ Krishnamurthy, K. (1980). “Gondwanaland in Ancient Indian Literature”. In Mary Sears and Daniel Merriman. Oceanography: The Past. New York and Heidelberg and Berlin: Springer-Verlag. p. 788. doi:10.1007/978-1-4613-8090-0_69. ISBN 978-1-4613-8092-4
- ^ 『地球紀行 世界遺産の旅』小学館、1999年、217頁。ISBN 4-09-102051-8。
- ^ a b “Sundarbans Reserved Forest | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2003年1月1日). 2023年4月3日閲覧。
- ^ “The Sundarbans” (英語). UNESCO World Heritage Centre. 2023年5月1日閲覧。
- ^ Sundarbans forest threatened by heedless industrialisation says UN expert, urges Bangladesh govt to take action Firstpost 2018.8.1
関連項目
[編集]- 世界ウルルン滞在記 – 2004年2月8日の放送でこの地域が紹介された。
- 地球感動配達人 走れ!ポストマン – 2009年7月26日の放送でこの地域が紹介された。
- スンダルバンス国立公園(インド・西ベンガル州)
外部リンク
[編集]- 第2回世界自然遺産会議 2000年5月18日から同21日。鹿児島県、 屋久島環境文化財団 (アーカイブ版)